《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》心華

しばらく歩き、植室と書かれた扉を開くと、まるでジャングルにでも瞬間移したかのように多種多様な植が生い茂っていた。

「木下先生、いらっしゃいますか」

で浜曷はある人を呼んだ。

「………はぁいぃ?」

今にも死にそうな聲で返事をしたそのは、吸鬼のように生白く、気のない紺碧の眼をしている。は異常に細く痩せこけており、背丈は170前後だろうか。綺麗な深碧の髪は腰あたりまでびきっている。

「彼の心華を決めてしいのですが、ただいま時間はありますか?」

「ぁあぁ〜、時間ならありますよぉ……どうせ私ぃ、お仕事ないのでぇ…」

浜曷が予定を聞くと、は卑屈っぽくそう答えた。

「彼が植室の責任者である、木下優璃鹿(きのしたゆりか)教諭です」

「よろしくおねがいしますぅ…」

「よ、よろしくお願いします」

一通り挨拶を終えると、木下に植室の奧へと案された。すると、一つの扉が見えて來た。

木下が扉を開けると、その部屋には巨大な神木のようなものが生えており、その前にはディスプレイとキーボードがいくつか並んでいた。

「それじゃあぁ…、心華を決めよっかぁ…」

木下がそういうと、一臺のディスプレイの前に立ち、キーボードを叩き始めた。

「それじゃあぁ、そこの木に手を當ててくれるぅ…?」

木下が大木を指差しながらそう言った。

「こう……ですか?」

言われた通りにコウジは右手を大木にれさせた。すると、突然大木が淡く緑り始めた。否、るというより、蓄素材がりを放つような、そんな弱々しい

「そのままぁ…もうちょっと待っててねぇ……」

コウジはそのまま手を當て続け、待機した。

すると徐々にが弱まっていき、やがて元の大木へと戻った。

「はぁい、おしまいですぅ…。あとぉ、これが君の心華ですぅ…」

木下は持ってきた紙をコウジへ手渡した。

「竜膽(リンドウ)…ですか……」

「あの木ぃ、初代學園長が持って來たんですけどぉ、あの木がぁ、君にピッタリのお花はこれだと思ったみたいですぅ…」

コウジは今一度、自分の手元にある紙を見つめ直した。

「竜膽か……」

「あ、あとこれがぁ、君のアテスターですぅ…」

手渡されたアテスター見てみると、正面に竜膽の花がデザインされていた。

「ありがとうございます…」

コウジはアテスターを首に巻き、植室を後にした。

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