《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》決著
「先に戦闘不能になった方が負けなら、アンタがアタシよりもしでも先に電流を浴びてぶっ倒れれば私の勝ちよ!」
ヒカリは俺を睨め付けながらそうぶと、より強く俺をコードへと引き込んだ。
だが、俺は自分の羽織っていたブレザーに右手でれ、再び両手に純白と漆黒の炎を燈してこうんだ。
「グラフェン!!!」
グラフェン。炭素原子のみで構されている質であり、この世で最も強靭で、この世で最もよく熱を伝え───────。
この世で最もよく電気を流す質である。
俺は摑まれた右腕を振りほどき、目には見えないシート狀のその質をヒカリに巻きつけ、その端が電源にれるように質を生した。
「ぐわああああ!!!」
より危険になった電流が彼のを駆け巡る。
やがて彼はピクリともかなくなった。
すると、けたたましくブザー音が鳴り響いた。
見上げると、頭上のモニターには『WINNER 塚田コウジ』と表示されていた。
どうやら、本當にこの勝負に勝てたらしい。
観客席の生徒たちも一斉に立ち上がり、拍手を送っている。
振り返ると、向こうから浜曷が歩いてきた。
「おめでとうございます。戦闘時間2分52秒で、あなたのSSランクの學が確定しました」
「そんなことより、城嶺は大丈夫なんですか。あれだけ強い電流を浴びれば命に関わりますけど…」
俺は自分の評価よりも、ヒカリの生死の方が気になってしまった。俺はこの能力で人を救うためにこの學園に來たというのに、その能力でまた人を傷つけていれば全く意味がないのだ。
「安心してください。この學園の醫療技は非常に優れているので、あの程度の負傷であれば2、3日で回復します」
「そうですか……。なら良いんですけど…」
あのコードの電流量であれば、死に至っている可能がある。コウジはヒカリを心配せずにはいられなかった。
「では寮室の案をします。私に著いてきてください」
「あ、あのっ!!城嶺に一聲かけちゃダメですか?」
コウジは思わずそうんだ。決闘とはいえ同い年のを毆ったのは事実であるし、それに対して謝罪もしないのはコウジ自の道徳心に反していた。
「ではこちらからも尋ねますが、あなたが城嶺さんに聲を掛けることは、城嶺さんを治療することより優先すべきことなんですか?あなたの謝罪はいつでも出來ることです。本當に彼を心配しているのなら、彼の治療を最優先に考えてあげてください」
「…………はい。わかりました……」
コウジは渋々決闘場を後にすることしかできなかった。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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