《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》紹介

「そんなことより!どう?この學園には慣れた?」

「いや、まだまだかな…。わかんねえことだらけだし…」

「そっか。じゃあ!この學園の七不思議でも話そうか!」

レンタは何故かとても楽しそうにそう言った。

「そんなのあるのか?」

「うん!まず一つ目は『地下病院の』!この學園には地下に病院があって、そこで謎の院しているらしいんだよ!!」

「そ、そうなのか……」

怪し過ぎた。そもそもこんなに警備のい學園に『謎な』が立ちれる訳がない。それに、病院も醫務室も地上に設置されているのに、わざわざ地下で院する意味がわからない。所詮はただの噂か。

そんな會話に花を咲かせていると、突如教室の扉が強く開け放たれ、そこから一人のってきた。

「おっはよー、みんな元気かなー?」

「あの人は…?」

右手側にいたレンタに尋ねる。

「あの人はこのクラスの擔任の蓑田みのた先生だよ」

なるほど。擔任教諭であったか。コウジは浜曷が擔任教諭かと思っていたが、どうやらクラスごとで擔當が異なるらしい。

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と、そこで蓑田がコウジの存在に気づく。

「お!君が新しくウチのクラスにる塚田くんだね!!」

「はい、よろしくお願いします」

コウジは席から立ち上がり、蓑田に一禮する。

「いやー、そんなに堅くなんなくていいのよー」

「は、はあ…」

「あ!そうだ!!じゃあ、みんな自己紹介しなよ!!」

ポンと手を打ち、クラスの生徒を見渡しながら蓑田が提案する。だが、誰もその発言に応答しない、どころか見向きもしなかった。まるで、蓑田先生の存在を認識していないかのように。

「全く無反応な子達なんだから…。じゃあ、あたしの方からフルネームを言うねー」

軽い調子で蓑田がそう言うと、彼は生徒一人一人を指差し、順にフルネームを読み上げていく。

「SSクラス10位。城嶺ヒカリ。今日はお休みだね。」

決闘によって負ったダメージは、決して軽くはない。彼は今醫務室だろう。

「そして、SSクラス9位が、君だね」

蓑田はコウジを指差してそう言った。

「じゃあ、こっからは君の初めましての人たちばっかりかなー」

蓑田はそう言って、再び名前を呼び始める。

「SSクラス8位、萩澤はぎさわキョウカちゃん」

そういうと、蓑田は先刻コウジに快い挨拶をしてくれたを指差す。髪は粟で、そのつぶらな瞳は度の強い眼鏡のレンズによって、より大きく映し出されている。

「SSクラス7位、平佐名レンタ」

レンタはこちらを見て、ヒラヒラと手を振る。

やっぱコイツだろ。

「SSクラス6位、鵞糜がびサナエ」

蓑田が指差す先を見ると、長い黒髪を後頭部で一つに結わえた比較的長がいた。姿勢良く椅子に腰掛け瞼を下ろして神統一をしている。そして、最も目を引いたのはその左手にある刀だった。刃渡り1メートルほどの日本刀をその左手に持っていた。

「SSクラス5位、舵咫散かじたばらトモキ」

名を呼ばれた年はコウジの方を見やると、爽やかな笑顔をこちらに向けてきた。

髪は爽やかなスカイブルーで、その虹彩は鮮やかな緑をしていた。清潔があり、それでいて頼りになりそうな年だとじた。

「SSクラス4位、初由ういよしテルヒコ」

指さされた年は機の上で心地好さそうに腕枕ですうすうと寢息を立てている。赤橙の髪はボサボサにれている。

「SSクラス3位、譬聆ひれいアツシ」

蓑田が指し示す先では、ワックスで整えられた濃紺の髪を鏡越しで整える年がいた。彼は鏡を眺めると、その淡い黃金の瞳でウィンクし、口元を緩ませ不敵に笑い出した。多分こいつナルシストだ。

「SSクラス2位、桐咲きりさきソウタ」

コウジが教室にった時から、ひたすら參考書を黙読している黒髪の真面目そうな年を、蓑田は指差した。

まるで一人だけ別空間にいるかのような、靜かで且つ強固な集中力で參考書に目を通していた。

「それで、SSクラス1位の子なんですけど、今日はお休みみたいだね…」

蓑田が困ったように笑う。すると、先ほどまで鏡に映る自分を見てニヤけていた年・譬聆アツシが依然鏡を見つめながら半笑いでこう言った。

「『今日“は”』じゃなくて、『今日“も”』だろ?アイツが休みなのはいつものことだからな」

「そんなに休んでるのか?」

「ああ。ここしばらくは顔すら見てねえよ。あのクソアマ、ゴミ屋敷でのたれ死んだんじゃねえのか?」

「クソアマ……?なのか?」

そのフレーズに引っかかり、コウジは問う。

「そうだ。學園で一番強いんだが、寮に引きこもってっから、ここ最近はあのツラ見てねえな」

アツシは遠い目で天井を見ながらそう言った。

「そうなのか……」

「ってかテメエ、質問ばっかだな。質問責めは無禮だろ」

「悪い。そんなつもりはなかった」

「次やったら殺す」

アツシは鋭い目つきでコウジを睨みつけた。あの眼は『確実に殺れる』という絶対的な自信のある眼だった。つまり“殺す”という表現は何の比喩でもないのだろう。

コウジはその時今一度、自分のいる環境がいかに危険かを思い知った。

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