《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》凄絶
それで。と、ヒカリは話を続けた。
「アタシのママは學園で治療をけて、運良く一命をとりとめたわ。アタシは當然転したわ。そんで、學するときにあるお願いをしたの」
「お願い……?」
「ええ。アタシはママと一緒にここへ転させてもらったの」
「でも、この學園は世間には知られていないんだろ?そんなことしてよかったのか?」
「問題ないわ。だって、ママは記憶を一切合切失っているもの」
「え……?」
「頭部の損傷が激しすぎて記憶が全て飛んでしまったらしいの。だから、ママの記憶は処理されなかったわ」
でも。と続ける。
「日常的に強い衝撃を頭部へ加え続けられたせいで、頭部の管や骨がすごく脆くなっていたの。だから、アタシはママを學園の病院にれてもらったわ」
話によれば父からの暴力をけていた期間は、半年から一年ほど。その期間、執拗に頭部へ衝撃を加えられ続ければ、當然、細管や脳組織へのダメージが蓄積されていく。
「學園は、アタシのママを地下の特殊病棟にれた。アタシ以外の生徒との干渉や外出の止を條件にね。でも、できるのは延命だけ。完全に頭部を修復するには、安くても3000萬円かかるらしいわ」
ため息を一つ吐き、ヒカリは遠い目をする。
「アタシのワガママのせいで……。いや。アタシのせいで、ママは太を知らずに死ぬことになったのよ」
しの沈黙。
コウジがその沈黙を破る。
「そんなことがあったのか……」
コウジの想像を上回る壯絶な人生を、その口から告げられ、嘆よりも衝撃が強かった。
そして再び、沈黙が訪れる。
次に沈黙を破ったのはヒカリだった。
「同してほしくてこんな話をした訳じゃないから、“可哀想”とか、“お気の毒”とか、アタシにメリットのない言葉はかけないでね」
肩をすくめてヒカリが言う。
確かにヒカリの言うことも理解できる。
『可哀想』や『お気の毒』と言った言葉は、他者への同をアピールするときに使う言葉であり、あくまでも他人事だ。
自分と全く同じ境遇の人間に『可哀想』なんて言う奴はいない。
自分より恵まれた人間に『お気の毒』なんて言う奴もいない。
それらの言葉は『同』の皮を被った“安堵”の言葉だ。
それらの言葉を駆使することによって、「コイツよりも恵まれていてよかった」「コイツよりも幸福な人生を送れて幸せだ」といった、優越に浸り、安堵に埋もれたいだけなのだ。
「そっか…………」
コウジはうまく言葉が見つからなかった。なんと言えば良いのか。その凄慘で悲しい人生を歩んだに、かける言葉が見當たらなかった。
ただ一つだけ言えることがあるのなら────。
「よく今まで頑張って生きてきたな。お疲れ様」
「ハァ?なんのつもりよ」
「いや、俺が城嶺なら、すぐに自殺してるな…。と思って」
「自殺する勇気さえもなかっただけよ」
「それでも凄いよ。俺にはそんなに強く生きることできない。俺は怯えて逃げてきただけだからな…」
ヒカリは顔を赤くすると、し俯いた。
「…………うるさい。バカ。どっか行きなさいよ…」
「あ、ああ」
そういって、コウジは部屋を後にした。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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