《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》対策

「…………なんだって…?」

「とにかく、今は第3會議室へ向かおう。説明は行きながらするよ」

そう言うと、レンタは駆け出した。

コウジはそれを追った。

招集場所へ向かいながら、コウジはレンタから様々な説明をけた。

まず、招集とは、【排斥対象イントゥルージョン】が出現した際に、戦力である生徒らに「出現場所」「出現個數」と「【排斥対象】の危険レベル」を提示し、その掃討作戦を指示するものである。

【排斥対象】の危険レベルは、下から順に“ポーン級”“ナイト級”“ビショップ級”“ルーク級”“クイーン級”“キング級”と並んでいる。

そして、その【排斥対象】の掃討に向かう生徒はSSランクが最優先であり、その次にS+、次いでSという順になっている。

曰く、戦力として強力な生徒を、より前線にすることで生徒の被害を最小限に抑えるつもりらしい。また、ただでさえ【排斥対象】一あたりの討伐賞金が高い生徒が、出撃回數も高くなれば生徒はより高いランクを目指して、自の才華と武力を向上させようと努力する。そうすれば生徒は強くなり、戦闘における損失もなく、國や世界にその存在の必要を認識させることができ、全ての生徒が裕福な生活を送れる。學園としては萬々歳である。

そして、【排斥対象】は才華を持った者が固有武で攻撃することでしか倒せない。

原理は不明だが、【排斥対象】の近くには常識の一切が通用しない『反理空間』という空間が展開されているため、理攻撃は銃や剣、弾や核弾頭でさえも通用しない。

だが、コウジ達が有している才華とは“通常の理現象に、人間の意識が介することで発現する能力”である。端的に言えば、強化された常識だ。

そして、強化された常識と非常識な空間は対極に位置していると言っていいだろう。

すなわち、常識が通じない空間でも、人間の意識により強化された常識を持ち込むことができれば、相殺されるため、勝算はあるのだ。しかし、生で反理空間に侵するのはリスクが高い。そのため、生徒達は固有武によって、自らのを危険にさらすことなく。かつ、攻撃力を上げることで【排斥対象】を討つことができるのだ。

そのような説明をけながら校舎を奔走していると、『第3會議室』のプレートが目にる。

レンタはその扉の前で立ち止まると、二度ノックし、普段とは異なる力のこもった聲で言う。

「SSランク、平佐名レンタと塚田コウジです」

すると、中から浜曷の聲で返答が聞こえる。

りなさい』

「失禮します」

扉を開けると、SSランクの面々が並んでいた。

そして、その列にコウジとレンタも加わる。すると、浜曷が部屋全を見回し、厳かな聲を発した。

「これで全員が揃いました。それでは、現在、東京都足立區で発生している【排斥対象イントゥルージョン】の対策會議を始めます」

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