《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》獲得

「………………バイバイ」

ヒカリはそう呟いた。

両目を閉ざし、訪れる苦痛への覚悟を決めた。

が、その脳に痛覚の信號が送られることはなかった。

代わりに、鼓を震わす聲が聞こえた。

ヒカリが嫌いな、それでいて、どこか期待していた聲。

その聲は、んだ。

「───〈等重変換Equal Dead-Weight〉!!!」

その聲に驚き、ヒカリは目を見開いた。

その背中、その聲、アイツは…………來た!

「コウジ……?」

「何してんだよ。獨斷専行しといてけねえな」

コウジは馬鹿にするように笑いながら、ヒカリへ言う。

「アンタに関係ないでしょ!!!」

ヒカリはんだ。

「じゃあ、あのままここで死ぬのか?」

「うるさい……。なんだっていいじゃない…」

泣きそうな聲でヒカリは続けた。

「アタシが必要な時なんてない。アタシを求めてる人もいない。アタシに生きる理由なんてないの!!」 

「だから死ぬと?」

「そうよ!!理由もなく生きるなんておかしいわ!!」

ヒカリはコウジへ鋭い視線を向けて、その悲痛な心のを明かした。

「なら理由があれば良いんだなぁ?」

下卑た笑みを浮かべるコウジ。

「………は?」

「理由があれば良いんだな?だったら、“俺の下僕”になれよ。そしたら、學園は人材を損わないし、俺も手足が貰えて、萬々歳じゃねえか」

ヒカリは一瞬、コウジが何を口走っているのか理解が出來なかった。

しかし、コウジはヒカリの理解を待たずに言葉を続けた。

「俺の下僕になれ。それが嫌なら、ココで【排斥対象イントゥルージョン】がお前を殺すのを待つんだな」

その冷酷な眼差しは、言葉に噓がないことを告げていた。

數秒の沈黙は、2人の中の時を止めた。

だが、それはあくまで的なもので、思考は止まるどころか加速していく。

先に沈黙を殺したのはコウジだった。

「どうだ?なるか、俺の下僕に」

「い、嫌よ…っ!アンタみたいな気の悪いストーカー野郎の下僕なんて絶対に嫌よ!!!」

ヒカリのびが、瓦礫の街に木霊する。

「そうか。なら、そこで死ね」

コウジの口から放たれたその冷たい言葉は、まるで今までヒカリを見捨ててきた人々のようで─────。

「ここで死ぬのは………………もっと嫌よっ!!」

ヒカリはぶ。同時に、ホルスターから拳銃を引き抜き、銃口をコウジへ向け、引き金を引いた。

銃聲が鳴り渡り、弾丸が銃口から出される。

だが、弾丸はコウジの眉間を貫通することはなかった。

代わりに、コウジの頬を掠めた弾丸は、その後方で今にも襲い掛かりそうな【排斥対象イントゥルージョン】の中樞を狂い無く撃ち抜いた。

「もう、誰かに盡くすのは嫌なの!アタシはアタシ自の命をアタシの為だけに使い切る!したいことをして!思うがままに生き抜く!!」

ヒカリの人生において、両親にげられてきた影響は小さくない。

ヒカリは、自の存在意義を、他人からの暴行でしか見出せなかった。

が、今は違う。

母親が亡き今、これまで彼を縛っていた「過去」という枷は壊されたのだ。

もう彼は自の命を、他者のために費やさない。

その命を、與えられた時間を、自の得心のいくように行使する。

は今───────初めて自由を手にれた!

「……決まったみたいだな」

コウジは不敵に笑った。

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