《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》見妄

眼前の年が、左手に白の、右手に黒の炎を燈しながら立っている。

その年は背中越しに、靜かにこう問いかけた。

那原………。お前、何しにここに來た…?」

「え……?」

「何しにここに來たっつってんだよ!」

「それは………」

と、マサタがこの暴力的で野な來訪の真意を告げようとしたとき、その言葉は遮られた。

「塚田くん………どうして邪魔をするんだい?」

レンタがそう問いかける。その聲はナイフの様に鋭い視線と共に、コウジのに突き刺さる。

しだけ、待ってくれないか…。俺は、那原に聞きたいことがあるんだ」

「それは今じゃなきゃダメなの?それは本當に必要なことなの?それは……大切な仲間の敵討ちよりも、重要なの?」

「ああ、大事だよ。ここは知恵と知識がなきゃダメなんだろ?知恵も知識も、疑って、考えて、その答えを導き出して、それで初めて手にるものだろ。俺は、俺の疑問を、疑問のままで終わらせたくないんだ」

それは下らぬ屁理屈だが、重要な真実に他ならなかった。

そのコウジの言葉に、レンタは口籠った。

「……………………5分。それまでしか待てないよ。それ以上は、那原の顔を見てられない。ホントは、今すぐにでも殺したいんだ……。手短に頼むよ」

「…わかった」

短く返事をすると、コウジは振り返り、マサタに向き直る。

「……お前、何のためにここ來たんだ?ただ暴れたいだけには見えなかったけど」

マサタの心を見かした様に、コウジは問いかけた。

「ど、どうして…」

「お前のきは明らかにおかしいんだよ。防のときは反的に才華を使ってるのに、肝心の攻撃にそれを使わない。なんか……………“才華で人を傷つけない様に気を付けてる”みてえな…」

マサタは、唖然としてけなかった。

自分のきと、その心理は完全に見抜かれていた。

「どうしてだ?お前は一、何がしたいんだ?」

その言葉を聞いて、マサタは確信した。

この男は、自分の真意を見抜いた。もしかしたら、彼なら……。

マサタは勢を立て直し、正座した。

そして、スマホを差し出し────────。

「この人を!救ってやって下さい!」

────────────土下座をした。

差し出されたスマホの畫面には、1人のが表示されている。

そのの顔、髪格は、あのに瓜二つだった。

「鵞糜!?」

「これは……どういう…?」

コウジとレンタ、2人が目を白黒させていると、土下座をしたまま、マサタが答えた。

「俺の才華で、2次元に転送しました……」

なるほど、と、コウジは納得した。

マサタの才華は、次元を変えられる。

そして、今いる3+1次元を2次元へと変えれば、距離軸一つと時間軸が失われることになる。

時間軸がない、つまり、その空間には永久に変化が生じないと言うことである。

そこへ怪我人を転送すれば、時間経過に伴う病狀の変化を、完全に無視することが可能になる。

そうすれば、瀕死の重を負った怪我人や病人を、その狀態のままで、何年も先まで保管することが可能になるのだ。

マサタはそれを行い、鵞糜のの狀態をあの時から一切変化させることなく、この學園まで連れてきたのだ。

「お願いします………。出來るだけ、無関係な人を巻き込みたくないんです……」

と涙でその顔を汚しながら、マサタは希こいねがった。

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