《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》窺破
「係數をるんだろ?チンケな能力だな、タネがわかればどってことねぇよ」
係數。
この世のすべての質は、それを保有している。
がその場に留まり続けるとき、歩くとき、車がブレーキをかけるとき、指を鳴らすとき。
この世のすべての作に、が関與している。
とは即ち、接している二の接面に対して平行に作用する力であり、『る』という運においてそれを妨げる方向へ働く力である。
そして、の大きさを左右する要素は二つだけ。
『垂直抗力』と『係數』のみである。
これは力を求める式である「F=μN」から分かる。
即ち、力とは、垂直抗力と係數の積である。
式中のNである垂直抗力は、つまるところが接面へと向かう力であり、変數である。
対してμと表記されている係數は、質の種類や接面の狀態により異なる比例定數である。
誤解されがちだが、を起こす上で、その接面積は全く関係がない。
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接面積が広かろうが狹かろうが、接面に対して加わる力(垂直抗力)が等しく、材質と接している面の狀態(係數)が同じであれば、生じる力も同じである。
アツシはこのうちの係數をることができる。
そう考えれば、今までの全てに説明がつく。
マサタがアツシの首筋に切り掛かったとき、その攻撃が無効化されたのは、アツシが自の首筋の係數を著しく低下させたからだ。
そうすることで、アツシは刃を「らせて」いたのだ。
逆に自の拳の係數を底上げし、その拳で打擲ちょうちゃくを行うことで、通常であれば掠る程度の垂直抗力で、マサタの顔面の皮を拳の運に巻き込み、首ごと回転させることができたのだ。
ではなぜ、先刻のマサタの攻撃は通用したのか。
それは、薙刀を半回転させたことと深い関係がある。
マサタは、薙刀を半回転させた狀態でアツシの首筋に切り掛かった。
所謂、峰打ちである。
薙刀の刃は反り返っている為、係數を下げられると簡単に攻撃を無効化されてしまう。
だが反対に、棟の部分は凹んでいる。
この形狀であれば、仮に係數をゼロにされたとしても、首の逃げ場がないのだ。
イメージしてしい、水に濡れてりやすくなっている茹玉子を。
それを、スプーンの背で持ち上げることが出來るだろうか。否、不可能だ。
力が著しく弱いは、接面の最も窪んだ部分へと向かう質がある。
それ故に、スプーンの腹であれば、容易に玉子を掬い上げることができる。
これと同じことを、アツシの首でやってのけたのだ。
だからマサタは、アツシにダメージを負わせることができたのだ。
「…………………ッチ」
アツシが忌々しげに舌打ちをした。
それは、マサタの発言が正しいが故に反駁できない悔しさの表れに他ならなかった。
「俺にこンなことしたこと、後悔さしてやるよ…」
「負け惜しみは後でたっぷり聞かせてもらうぜ」
「…………………殺すァ!!!!」
腹立たし気にび、またもアツシが疾走する。
有効な攻撃方法が確立された今、アツシが攻撃を仕掛けてこようと無駄である。
「バレてんだから意味ねぇんだよっ!」
そうび、薙刀を大きく振りかぶる。
狙うは脇腹、肋骨を砕き、2度と他人様を見下せないようにしてやる。
そう考えながら、一気に振り抜く。
だが、マサタの手には骨を砕くではなく、もっと質なに刃が衝突するような違和が訪れた。
人では考えられないような強度を持ったものに、刃が衝突する覚。
アツシが、ニヤリと笑った。
笑みを浮かべたまま、さらに一歩踏み込み、ブレザーのポケットからそれを抜き出した。
取り出したそれを、勢いよくマサタの首元へと振り抜く。
「…………っく!」
慌てて後方へと退避し、それを躱した。
そのまま足元へ3次元を展開し、その3次元の壁を踏み抜くことで一気に上方へと跳ぶ。
そして、最高到達點に屆いたところで、再び足元へと3次元を作り出すことで、鏡の床を作り出す。
そこから、今し方自分がいた場所を見下ろす。
アツシがこちらを見上げている。
その表は、依然として嗤っている。
「まさかナイフが………二本あったとはな」
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