《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》強剛

「〈滅戦士Abrasion Knight〉・RUB」

そう呟いたアツシは、その両手をゆっくりと後頭部の方へとかした。

それにより顔面の皮が一気に張り、マサタの面が醜く歪む。

通常こんなことをされたとしても、ある程度皮びると手の皮と顔面の皮ることで、ただ手がくだけなのだ。

だが、アツシのそれは違う。

才華により、自の手の係數が異常に上昇している。

故に、皮間のりが生じない。

まるで接著剤でくっつけられたかの様に、確しっかりと癒著する。

それはつまり、皮が限界まで張っているにも関わらず、さらに顔面の皮ばされるということ。

當然そんな事をされれば、顔面の皮は……………裂ける。

「あ……………あぅぁ……」

びたい。だが、べない。

悶絶するほど痛い。なのに、けない。

「安心しろよ、殺さねェからよォ。お前から頼まねェ限りは、な」

そういうと、引っ張る手にさらに力が加わる。

鼻の頭から人中にかけての皮が一気に張る。

そして。

パリィッ。

「…………えっ?」

新聞紙を破る様な、そんな音が鼓を揺らす。

一瞬何が起こったか分からない。

しして、激痛が顔面を襲った。

「あああああああああああああああああああああああああ!」

痛い、痛い、痛い、痛い───────痛い!

かなかったはずのが、痛覚信號によって運を始める。

くだけでも痛かったはずなのに、それすら忘れてのたうち回る。

きっと忘れたわけじゃない。

そんなことが気にならぬ程、この痛みが強すぎるのだ。

「うるせェなァ」

アツシが自分を見下ろしている。

その冷め切った表は、先程の笑みとはかけ離れていた。

子供が遊び込んで飽きたおもちゃを見るような、そんな冷酷さがあった。

「ンじゃァ、終わりにすッかァ…」

そう言うと、アツシはマサタのアテスターを右手のナイフで切斷しようと馬乗りになった。

右手を振り上げ、喚き疲れてけなくなったマサタのへ目掛けて、その右手を振り下ろす。

マサタはそれを───────半ば無意識のうちにけ止めていた。

「ァあ?」

「まだだ………俺はまだ……負けちゃいない」

マサタは左手で傷口を抑え、アツシをきつく睨め付けた。

その行原理は、分かりきったものだった。

本當はこんなに痛いことすぐにやめて、治療してほしい。

でも、そんな行をとったりしない。

當然だろう。存在しない選択肢は選べないのだから。

逃げないのは、負けるのが恥ずかしいから、負けるのが嫌いだから、負けるのがけないから、負けるのが怖いから。どれもきっと間違いなく行原理に含まれているだろう。

だが、決定的にマサタを突きかすもの。

それは単純な…………………怒り。

勝って、コイツを見下ろしてやりたい、コイツに泣きべそをかかせてやりたい、コイツに土下座の一つでもさせてやりたい。

コイツに……………間違いを認めさせたい。

「ンだよ、まだ喋れンのかよ…。サクッと負けた方が楽なのによォ」

アツシがゆっくりと、立ち上がる。

その後、マサタもまた立ち上がる。

中から、骨が軋む異様な音が聞こえる。

だが、気に留めている余裕はない。

可及的速やかにコイツに勝たなければ、俺のがもたない。

焦燥と嫌悪の歯車を無理やり回している。

マサタのそんな行原理は作に現れ、ギクシャクといていく。

「あァー、だりィだりィ。無駄な手間かけさせンな…よッ!」

言い切ると同時に、アツシがこちらへ駆ける。

「〈境界超越Manifold Breaker〉ァァアアアアア!!」

マサタは、力の限りにんだ。

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