《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》

「本當に、ありがとうございました!」

深々と、マサタは頭を下げた。

マサタは、自を看病していたレンタ、ヒカリ、コウジのいるSSクラスで、三人に謝の言葉を述べていた。

「ううん。気にしなくていいよ。ただ、今後は、お友達が怪我したら同じように看病してあげてね」

レンタは、優しくマサタの肩を叩いた。

「はい!」

「そうよ、気にしないで頂戴。アタシは、コウジと平佐名にだけ、手を焼かせたくなかっただけよ」

ヒカリはし気恥ずかしそうにそう言った。

「あ、ありがとうございます……」

そして、コウジは……。

「べ、別にアンタのためじゃないんだからねっ(裏聲)」

この上なくふざけていた。

「えぇー…、じゃあ誰の為なんですか…」

困ったようにマサタが応えた。

「まあ!元気になって良かったよ。退院祝いにメシでも行くか?」

「いいですね!お願いします!」

そうして、SSクラスの三人に禮を言い終えたマサタは、別の教室へと向かった。

カラカラと扉を開ける。

同時に、多くの視線がマサタへと突き刺さる。

マサタは、この覚があまり好きではなかった。

だが、その人は、マサタに気が付くなり手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。

「マサタ君だね!戻れたんだね!」

「あ、ああ。お様でな」

駆け寄るハナのが大きく揺れき、そのたわわなにしか視線が向かなかったのは、マサタだけのである。

「本當にありがとうな。助かったよ」

「私もね、マサタ君が無事で良かったね!」

「お、おう………」

照れて赤くなる顔を隠すように、マサタは俯いてしまった。

自分でも自覚はしていた。

自分はきっとこのに、をしているのだと。

「な、なあ、その、さ………」

刃こぼれだらけの言葉を、ハナへと向ける。

ハナは今なお、不思議そうにこちらを見て首を傾げている。

その視線に急かされるように、マサタは言った。

「良かったらさ、連絡先、換しねえか…?」

「………? うん!もちろんだよね!」

しの沈黙ののちに、ハナは快活にそう返事をした。

教師に見つからないように、こっそりと、二人は息を殺しながらお互いの連絡先を換したのだった。

その時、ハナは気が付いていた。

背中から注がれる、異様な視線に。

教師でもない、生徒でもない。

言葉で言い表すのは難しい。

曖昧な表現を用いるとすれば、それは、『嫌なじ』とでも言うべきだろうか。

その視線は、ハナが振り返るころには既に消滅していた。

何とも言えない不愉快なあの覚を、ハナは背中で確かにじていた。

    人が読んでいる<異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください