《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》渇仰

の空気は、重く冷え切っていた。

そこに、希はなかった。

ただただ、腐りきった絶だけが、ハナの背中に重く圧し掛かっていた。

父は苛立たし気に車のハンドルを握り、母は助手席で退屈そうに窓の外を眺めている。

家に帰ることが、こんなにも恐ろしかったことはない。

きっとこれまで以上に酷い扱いをけるのだろう。

だが、それ以上に怖いのは、自分がそんな環境にも慣れてしまいそうだからだ。

夜の海際を走る車。その窓を開放するも、り込んだ磯臭い風が車を腐食した。

友達ができたと思った。

自由だと思った。

永遠だと思った。

解放されたと………思った……。

そんな希が絶へと切り替わる時の、苦い後味を確かめていた。

その時だった。

「うわああああああ!」

「ちょっと!あなたぁあ!」

両親のそんなび聲が聞こえる。

ハナは、その聲に連られて前方へと視線を向ける。

それは、目映いだった。

瞬間。

グァショォオオン!

極めて強い撃力が、車を通してハナのへと伝播した。

遅れて、先ほど見えたが、10tトラックのヘッドライトであると理解した。

「きゃぁぁぁあああああああ」

各々の悲鳴が、車り混じる。

斷崖絶壁の道路で10tトラックと正面衝突を起こし、車は空中を舞う。

やがて車は地面へと帰著するも、ガードレールを突破し、やがて海岸へと転げ落ちていく。

を、太い角材で毆られるような鈍痛と、の異常な浮遊

自分が今どこを見ているのかもわからない。

ハナの記憶は、そこで途絶えてしまった。

目が覚めた時には、姉のレナと共に聖アニュッシュ學園へと向かうヘリコプターに乗っていたのであった。

母は死亡、父は意識不明の重とのことだった。

あの日、レナがやさしく頭をでてくれたのを今でも覚えている。

これだけ迷をかけ、これだけ寂しい思いをさせてしまったのに。

それでもレナは、変わらなかった。

じなかった。

私は心の底から、「レナのようになりたい」と、切に願った。

そのための努力を、今なお続けている。

それがたとえ葉うことのない願いでも、諦めてしまったら、もう彼の背中も追えない気がしてしまうのだ。

応援するなんて誰にでも出來る。

傍観するなんて誰にでも出來る。

するなんて誰にでも出來る。

でも、誰も背中を追おうとしない。

誰も追いつこうとしない。

誰も追い越そうとしない。

「諦めなければ夢は葉う」などと言う甘いを信じるつもりはない。

だが、なくとも「諦めてしまった夢は、絶対に葉わない」と言うことだけは確かだ。

私は───────────可能を、ゼロにしたくない。

そのための努力だ。

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