《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》異同
「大丈夫か姉貴?何があったか話せるか?」
レンタの〈不可視疾走〉により、安全な場所へと避難したマサタとコウジは、レンタやヒカリ、アツシと共にサナエに先刻何が起きたのかを訪ねた。
「あの腕は、切斷されようと尚活を続ける。如何どう言う訳かは分からぬが、兎に角アレに対して「切斷」という攻撃は意味をさぬようだな」
「でも、排斥対象には必ず中樞があるはず。中樞を含まずに切除された部分は、普通はただのになっちゃうよね」
顎に手を當て、レンタが真剣に考察する。
中樞、それは【排斥対象イントゥルージョン】における脳のようなものである。
それを破壊された【排斥対象】は消滅する。
そして、中樞を含まずに切斷された排斥対象のもまた、すぐに消滅する。
しかし、アレは腕を切斷されてもなお、活を続けた。
すると。
「あれには…………中樞がないわ」
ぼそりと呟くようにヒカリが言った。
『………………はっ?』
そのヒカリの発言に、全員の聲が重なった。
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「ど、どういうことだ!?中樞が………無い?」
「じゃあ、どうやって倒すの?」
「てめェ、噓だッたらぶッ殺すぞ……?」
各々が異なるリアクションを取るが、どれも総じて疑と嘆に満ちたものだ。
「アタシは見たわ。アタシ自の才華で、Ⅹ線を可視化して、側から見たの」
ヒカリの才華であれば、Ⅹ線を眼で捉えることが可能である。厳に言えば、太線に含まれる僅かなⅩ線を可視線へと変換しているのだが。
「普通なら、中樞が影になって見えるの。でも、アレにはそれがなかったわ」
「そんな………」
レンタが嘆したように吐いた。
その沈黙を見計らって、コウジも口を開いた。
「あ、俺からも。俺の才華で消せるか試したんだ」
コウジの才華であれば、右手でれたどんなでも消し去ることが出來る。だが。
「消せたのは腕一本だけだった。あのドデカい本に直接ろうにも、腕が邪魔すぎて近づけなかった。」
「そういえば、お前は何してたんだよ」
マサタはアツシを見やった。
そういえば先刻、マサタたちに対して急かすようなことを言っていたのは、アツシに他ならない。
尤も、アレが相手では手も足も出ないのは事実だが、マサタはアツシを強く敵視しているため、自分を急かしておきながら何の報も持ち帰ることなくこの場にいるアツシを罵倒したいらしい。
「………あァ?」
腹立たし気にアツシがマサタを睨む。
「どうしたよ?まさか何もしてないなんて言わねぇよな?」
「………ッたりめェだろ…ぶッ殺すぞァ……?」
剣呑な空気が周囲を満たす。
こんな時に、で言い爭いをしている場合ではない。
だが、この中にアツシと行を共にした者はいない。
又、アツシを目撃した者もいない。
彼が今までどこで何をしていたのか、気になるのもまた事実だ。
「じゃあ何してたんだよ。言ってみろよ」
「ここら一帯の建見てたンだよ」
「……はぁ?こんな時に建なんて見て、暢気なもんだなあ?」
「テメェらの方こそ、あンなデケェだけのゴカイに手こずッて、けねェなァ?」
「逃げたやつが何言ってんだよ。俺らはお前と違って戦ってたんだよ」
「馬鹿じャねェのかァ?普通はあンなの後回しに決まッてンだろ……」
「アレを放置して何すんだ……?」
「『地域住民の保護と避難導』以外にナニがあンだァ…?」
「…………えっ?」
「俺らの活目的は、アレをぶッ殺すことじゃねェ。アレからそこらのカス共を守ることだろ?まさか、報酬に目ェ眩ンで、それが頭にねェなンて言わねェよなァ……?」
マサタが敗北した。
徹底的に言及してやろうと思ってたのだろうが、殘念ながらアツシにそんなことを言われてしまっては反駁のしようなど微塵もない。
「き、今日はこのくらいで、ゆ、許してやる」
「…………………マサタ………けないな……………」
サナエのそんな聲と共に、憐憫の眼差しがマサタに集中した。
だが、同時に皆アツシがそこまで考えていたことに嘆していた。
「兎に角、住民の避難を譬聆が済ませてくれた今、向き合うべきはアレに他ならぬだろう」
サナエが話を切り替えるために、パンと手を叩いた。
「そうだな。でもアレ、倒せんのかな…………」
コウジはその巨大すぎる軀を、改めて眼中に収めた。
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