《不老不死とは私のことです》學式編 17話
ブルドッグおじさんはお留守番隊こと、西園寺家庭番本隊に預けた。彼にとってはこれから過酷な取調べ拷問が待っているだろうけど、私には預かり知らぬ所である。
その後は、後ろをピッタリ著けてくる怪しげなバンも、銃撃戦もなく學園島への道を順當に辿った。
學園島への道筋はこうである。
まずは、日本唯一のテレポートターミナルである橫浜セントラルポートに向かう。本州と學園島の唯一のゲートでもあり、まずここで一回目の荷及びチェック。
そこからは國家公務員の地位をもつ高位のテレポーターによって生徒たち私たちは學園島へと運ばれる。ちなみにこのテレポーター、異能レベルで言うと3以上の能力が必須とされるエリートだ。
異能を扱う職業の中では比較的危険がない上に、かなりの高収なので、安定志向の學生からは人気の職業だ。合コンなんかで、この橫浜セントラルポート所屬のテレポーターだと自己紹介すると、子から大人気になれる安心と信頼の実績である。
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さて、テレポーターに送ってもらった私たちが最初に上陸するのは商業エリアこと第二學園島。
卒業生の父に聞いた話によると、実は學園島とは円形の島が東西に2つ、瓢簞のようにくっついたものの総稱のようだ。
この第二學園島は2つのうち東側の方になる。ここには立ちりがある程度制限されるものの、ゲスト用の宿泊施設の他、商業施設も多く立ち並び、まるで観地のような賑やかさらしい。
私たちもこれらホテルの中の一つに1泊し、翌日に學式となる。
學式というか學園は、西側の島こと、學園エリアと呼ばれる第一學園島で行われるので、移となるが、正直メンドイ。
メンドイけど何故このような面倒な手順をわざわざ経るかと言えば、いくら新生といっても、この第二學園島に立ちることは、この學式までは出來ないからだ。
流石、異能教育と研究の最前線。神経質なまでのセキュリティである。
橫浜セントラルポートに到著し、検査の順番待ちをしていると、柚様がソワソワしだした。
言葉には出さないものの、辺りをさり気ない風に見渡し、キョロキョロ誰かを探しているようにも思える。
──ん、誰か、、?
「柚、誰か探してるの?」
「う、うん。ちょっとね……」
私が尋ねれば、柚様はぎこちなく肯定し、顔を赤らめた。分かりやす過ぎです。
數カウントの間、柚様は言おうか言うまいか迷うような表をしてから、思い切ったようにこちらを向いた。だから、分かりやす過ぎですってば。
「あ、あのね……雀ちゃん。お父様には、まだナイショにしてしいんだけど……」
柚様はまだ迷っているように言葉を切った。しかし、相手は伊達に馴染兼お付のメイドを長らくやっているわけではない私である。これでも柚様には結構信頼されてるんですよっ!
私はフッと笑顔を作り、優しく先を促した。
「分かった。絶対には守る」
「あ、あのね……わ、私!彼氏がいるの!!!」
うん、せやな。
しかもよりによって西園寺の敵にしかならないような天才である。箱り娘なのに、現代版ロミジュリを引くなんて凄まじい確率じゃないですかね?
そしてなんと、當主様どころか、ウチの父まで知ってますよ。それこそ出會いからその進展まで。
「……ええーっ!?」
「ぶっ。(演技できないにもほどがある)」
私の棒読みのセリフに、隣のクロエが吹き出した。何も言葉に出してはいないものの、表で何思ってるかがとても伝わってくる。
しかし、今まで必死に隠してきた(つもりの)を打ち明けることに必死なせいか、それとも元々私の顔が無表かつ常に棒読み気味だからなのか。
柚様は棒読みの私の言葉を気にすることなく続けた。
「だからね!雀ちゃんには、お、応援して……貰えないかな、って……思ってて」
顔を赤くしてしずつ聲がすぼみになる柚様まじ可い。
可いんだけどね、でもメンゴ!リームー!(ごめん!無理!)
正直任務と主従の板挾み狀態に、罪悪を刺激されないでもないけど、このまま関係が続けば、阿久津氏にまずボコボコにされるのは、まず間違いなく下手人の娘であるこの私なのです。
しかし、ここで拒絶してしまえば柚様はきっと心を開かなくなり面倒なことになるのはわかり切っている。
「……そうですか。柚様がそうむのなら」
ここは柚様以外にきこえないように、小さな聲で囁いて頷いておくに限ります。くっ、罪悪パネェ!
「俺は元々雀に著いて、護衛にきただけだから別に告げ口しないよ」
最低な言い方だったけど、クロエも私に続いて頷いた。
とはいえ、これで柚様のにおいて善意の協力者という味しいポジションをゲットしたわけだ。
ありがとうございます、柚様!
この不肖羽鳥雀。この無限の命を掛けてでも、貴方様の破局就に努めさせて頂きます!!!
……いえいえ、初々しい男カップルが妬ましいからノリノリだなんてそんなあるわけないじゃないですか〜。(満面の笑み)
100pv超えたので記念に本日2話目。
ご覧頂きありがとうございます。
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