《不老不死とは私のことです》學式編 19話
々疲れた午後だったけど、ターゲット(仮)を直接確認できたのはいい収穫だった。しかも、挨拶したは今のところそう悪くない。
これで、出會い頭にいきなりプチッと潰される事は防げそうである。「いのちだいじに」萬歳!何かとデンジャラスな人生に、乾杯!(涙)
柚様を寢かしつけた後、腰掛けたベッドの上で私は溜息をついた。
それにしても、徹頭徹尾私のお世話で今日もぐっすりスヤスヤなご様子。……これホントに學園で生活していけるのかしら。
呑気な主人の寢顔に、フッと笑いがれた。
可い寢顔しちゃってからに。
しかし、トラブルメイカーな主人をなんだかんだ見放せないのは、私もこの主人の事を嫌いじゃないからなのだ。ああ、何とややこしい。
「ふわぁ……」
一段落したからか、急に眠気に襲われた。しかし有能なメイド、この羽鳥に仕事殘しなど有り得るわけがなく、故にこのまま逆らわずスヤァするのが吉!
という訳で世界よ、おやすみなさぁ……
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「い?」
布団に潛り込み、後は目を閉じるだけで睡眠にれる狀態だった私がフリーズした。
仰向けにオフトゥンにゴロリとしているので、目線はベッドの上。つまりは天井である。
ここは高級ホテルのスイートではないものの一室。しかも西園寺の権力をフルに使って借りている部屋である。
天井になにか札がってあるとか、妙な形のシミがあるとかそんなはずも無い。柚様はとても怖がりなので、そういうヤツ幻想型異形種が出ない部屋にしてあるのだ。
じゃあ、あの天井に四つん這いの姿勢で張り付いてるのは何だろう?スパイ〇ーマンかな?いやいやそんな訳はない。
悪霊?うーん、ヤツからはそんなものがメじゃないくらいの厄介そうな雰囲気をじる。
そして何故、あのバケモノは時々「すずめ~」と鳴いてるのだろう。新種の生きかな?そうなのか。
「……ねーよぅっと」
例え天井のアレが、「く」で始まり、「え」で終わる害獣だろうが関係ない。本日の営業は終了したのです。
私は何があっても働か……
「……そんな訳にも行きませんよねぇ……」
クソ、就業時間がブラックすぎる。殘業手當を與えてもらわねば。
眠気で半分も開いていない瞼を無理矢理開けながら、私は裝備を今度こそ確認した。
武よーし。
防よーし。
あー、ロケーションどうしよ。ここで落としたら柚様起きちゃうやんけぇ。
悩んだ私がそっと移すると、黒い悪魔はカサカサと私の真上まで移してくる。コイツはちょうどいい。
ヤツに付け回されて嬉しい気分なのは生まれて初めてです。
思う存分距離をとり、私はそっと寢室のドアを閉めた。
「お休みなさい、柚様。今はいい夢を」
扉を背に、きっちりガスマスクを裝著した私は、両手に武を構えた。薬品を使うのに自特攻などもう古い。
私は1度の失敗を學べるクレバーなウーマンなのだ。
「喰らえ!ヘンタイ!!ゴキジェットクロスポイズンエターナル!!!」
ぶしゅぅぅぅぅぅ!!
ぶしゅぅぅぅぅぅ!!
両手に構えたスプレー缶から白い煙がもうもうと上がり、一瞬視界がホワイトアウトする。
この缶はパッと見そんなに薬剤がるはずの無い積だけど、そこはホラ、空間系統の異能を利用しているので結構る。
一応、象くらいなら即死させられる猛毒を、象の致死量1000倍以上。しかもこの毒は霊魔法を利用した魔力毒なので、クリーニングもしやすい安全設計だ。
柚様も安心して隣でお眠りになれる訳である。(柚様は既にぐっすりだけど)
まあ、アレです。この期に及んで特に言いたいことはないんですけど、これだけ伝えておきましょう。
とりあえず、子の部屋に不法侵試みるクソは永遠に死んどけよ。
「ぎゃぁぁぁ!目が!目がぁ!!」
効果は即座に現れた。不埒な変態は、派手な音を立てて地に落ち、目から耳からから襲う激痛にのたうち回っている。ハッ、無様ァ。
ちなみにトランクス一枚だったけどどうしてその恰好なのかは永遠に聞きたくない。
「……む、おかしい。きちんと命中したのに、こんなに元気にのたうち回れるなんて。開発者オカマに文句言わなくちゃ」
効果はあったけど、注文には足りないお末な効果である。浴びた瞬間、この邪竜も永遠に、安らかな眠りに著くヤツがいいと言ったんですけどね……。
ま、これはこれから先の課題ですね。
そんな苦を後になってオカマにれたら、魔王型異形種を即死させる毒なんて作れるわけがねえだろ!!(巻き舌)(オラついてる)(おっさんボイス)の鬼電がかかってきた。ついでに1時間の説教を食らったのだった。
オカマのけち!ちえー。
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