《桜雲學園の正不明《アンノウン》》07話 お晝休み3

〈月姫あかり視點〉

石崎いしざきくんの案を放棄してしまったのは〈アス研〉という言葉を聞いてしまったからだ。

アス研がなにか問題を起こしたのならば、風紀監査委員會の會長である私が対応しなければならない。

人だかりの中を掻き分けて進むとそこには思ったとおりの人がいた。

奈ころな、何をしたの?」

「ちょっと月姫、なんで私が何かをした前提なの?」

「いつものことじゃない.....。まったく、アス研の部長であるあなたがなんで、いつも問題を起こしてしまうのかしら?」

「うぅー、だから私は何もしてないんだってー。でも今日は捕まらないわよ、また説教なんてごめんだわ」

「簡単に逃がすとでも思った?」

私はカードに手を掛けながら言った。

「もちろんよ。·······逃げるが勝ちだわ!」

そう言って奈は逃げ出してしまう。

「あっ、逃げたぞ!」

誰かが言った。

「待ちなさい、奈!」

「だーかーらー私じゃないっていってるでしょ! って、うわゎあぁーーー、ストップ、ストーップ! じゃなくて、どいてどいてー!」

「えっ?」

ちょうど奈の進む方向にいた人は聲をかけられるも、とっさのことで反応できずに、奈とぶつかってしまった。

「いたたた......」

「もぉ、ちゃんと避けてよ」

「ちょっと奈、ぶつかっておいてそれはないでしょ」

「ごめんなさい、大丈夫? 立てる?」

そう言って、奈と呼ばれたの子は俺に手を差し出した。

「うん、大丈夫。こっちこそごめん、ケガはなかった?」

「えっ、えぇ」

「あらっ。石崎くんじゃない。教室に帰ったんじゃなかったの?」

「うん、今から帰るつもりだったんだけど......」

「んっ? 石崎······ってもしかして、咲みさきちゃんのお兄さん?」

「そうだけど······」

「ああ、やっぱり! じゃあ、咲ちゃんが言ってた〈優しくてかっこいい兄さん〉って、あなたのことなのね!」

「えっ!?」

咲って俺のことそんな風に思ってたのか?

そんな、まさか、違うよな? 冗談だよな?

「確かにそんなことも言ってたわね......」

「月姫まで!?」

真面目そうな月姫もそういうってことは......本當なのか?

「ねぇねぇ景けい。あなた、部活にはまだってないでしょ? なら、アス研にこない?」

「えっ、いや、まだ部活とかは......決めてないけど」

(というか、今はテストがやばくて大変なんです!)

という、俺の心の聲もむなしく。どうしてもってほしいのか、両手をあわせて、だからお願い! というかのように、拝んでくる子に俺は......。

    人が読んでいる<桜雲學園の正體不明《アンノウン》>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください