《桜雲學園の正不明《アンノウン》》16話 我が心の呪い

「そうですか......なら、お斷りさせていただきます」

斷っていいんならそりゃ斷るでしょ。

面倒くさいし........

「ふぅん、そうか」

「失禮します」

そういって俺は部屋を出ようとする。

すると生徒會長はぼそりと、なんでもないかのように言葉を発する。

「我が心の呪いカース・オブ・マイハート だったかな」

「············えっ?」

今、なんて........

「あっ、気にしないでいいよ。ただの獨り言だ」

いや、気にするなと言われても......

その名前は.......

「〈エスカ、ここは俺に任せて先に行け! 魔王は俺が食い止めておく。その間に逃げるんだ! 人間界と悪魔界をつなぐゲートはもう閉じてしまう。あぁ、安心しろ、俺は勇者だ。勇者は負けたりなんかしない。この俺が世界を救ってみせる!〉」

ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ

「會長··········」

「んっ? どうしたんだい? 帰らないの?」

「失蹤事件の件ですが、お手伝いさせてもらえませんか?」

「えっ? いいの? 嬉しいなー、石崎いしざきくんが手伝ってくれるなんて」

こいつは悪魔だ。

絶対、嬉しいとか思ってないだろ。最初から俺を脅してやらせるつもりだったんだ。

俺が都會の方に住んでいたとき、友達に勧められて見たアニメにドハマリして、自分でも書きたいと小説を投稿していた。

もちろん中二病全開の痛々しいものだ。

その小説の作者名は我が心の呪いカース・オブ・マイハート そして、さっき會長が言ったのは小説のなかの場面のセリフだ。

桜雲にくるのをきっかけに真面目になろうと、アニメ関係のものは全て処分し、小説のデータも消したはずなのに......

なんで知ってるの?

そういえば、月姫あかりが伝えてきてくれたときに全川 ・會長には気を付けろ、と言われたな。

この事だったのかな?

てか、會長の名前って全川 ・じゃん。

まぁ、4川のことはどうでもいいけど.......

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