《桜雲學園の正不明《アンノウン》》22話 緒です♪

「殘念なことに.....」

あぁ、やっぱりそうなのか。

俺にはチート能力なんかなくて、ハーレム生活もないのか......

「僕にも石崎いしざき君のタレントが何なのか分からない」

「えっ?」

「つまり君はまだ、正不明ってことだ。良かったねショボいタレントとかじゃなくて」

いい·····のかな?

「もう下校時間は過ぎてるよ。急いで帰った方がいい。風紀監査に見つかるとめんどくさいし」

「そうですね、それじゃ········」

帰ります。

そう言おうと思ったけどあることが頭によぎる。

さっきした取引って俺の方が圧倒的に不利じゃね?

だって、報提供する代わりにタレントのことを教えてもらうはずだったのに········

「會長、そういえば······」

「石崎君」

俺の言葉を遮って、笑いながら會長は言う。

「もう、下校時間だよ」

俺は再び思う。

やっぱりこいつは悪魔だ!

「景けい兄さん、どうかしたのですか?」

あれからすぐに家に帰り、今は咲みさきと二人で食事をしている。

「んっ? いや、明日はDOP だなって思って」

実際に考えていたのは自分のタレントについてだが、咲に余計な心配をかけたくはなかったので、それっぽいことを言っておく。

「そうですか? 何か考え事をしているような顔でしたので......」

「そういえばさ、咲のタレントってどんなのなの?」

し強引に話題を変える。

桜雲に帰ってきてから一週間程立つけど、アス研のメンバー以外の人のタレントはほとんど知らない。

「ん~~。緒です♪」

「えっ? どうして?」

「景兄さんに一つ、忠告をしてあげます。他の部活の人には自分のタレントは話さない方がいいですよ」

「なんで?」

「DOP だと、例え親友でも敵になるからです」

咲が敵になるかもってこと?」

「はい。まぁ、明日は大丈夫なんですけどね。だから、私のタレントはそのときまでの、ということで。それと、景兄さんのも」

「う、うん。そうだね」

咲のタレントが聞けなかったのは殘念だけど、俺のことを言わなくていいのは正直楽でよかった。

もしかして、こういう複雑な事を分かった上でのことなのかな?

そうだとしたら、優しいというか、なんというか、よくできた妹だと思う。

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