《桜雲學園の正不明《アンノウン》》23話 DOP 直前(1)

「なぁ、川井かわいさん。咲みさきから聞いたんだけどさ、タレントってあんまり他人に教えない方がいいんじゃないの?」

昨日、咲から話を聞いて疑問に思ったので聞いてみた。

「んっ? まぁ、基本はそうかもだけどね。それは、DOP に參加する部活だけの話だよ」

「じゃあ、川井さんは參加しないの? あれって全員が參加するやつじゃないの?」

「うん。私はDOP には・・參加しないよ」

「には?」

「人によってタレントは違うからさ、戦いに向いていないのもあるんだよ、私みたいに。そういう人のためにDOP とは違うイベントがあってね、そっちに參加する人は特に自分のタレントを隠したりしないよ」

「そのイベントだと、何をやるの?」

「基本は自由だよ。唯一のルールはタレントを利用していること、それだけ。演劇をしたり、なんかの作品を作ったり、絵を描いたり、何でもOK」

「へぇ、そんなのもあったんだね。今まで知らなかったよ」

「まぁ、DOP に比べると派手じゃないからあんまり宣伝したりしないんだよね」

「じゃあ、今日のDOP に川井さんは參加しないってことかな?」

「そう。それと、タレントの先輩として一つ、忠告してあげる」

昨日に続いて、今日も忠告をもらえるらしい。

「今日は大変な日になるわよ? あの石崎咲いしざきみさきの兄のタレントはどんなものなんだって。だから今日は、よっぽど自分のタレントに自信がない限り、目立つようなことはしない方がいいわ」

そんなに咲はすごいのかな?

「うん、肝に命じておくよ」

まっ、何をやろうにも肝心のタレントが分からないからどうしようもないんだけどね。

今日の授業もいつも通り真面目にける。

タレントが分かんないからって落ち込んでいられない。

だって、今日はテスト10日前だもんね。

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