《桜雲學園の正不明《アンノウン》》28話 DOP vsテニス部 一度だけのチャンス!

そろそろヤバイな。

奈ころなとテニス部の部長との戦いは一見すると奈が優勢に見える。

事実、さっきから何度も奈が相手を追い詰めている。

だが、その度に相手のタレントであろう電気を近くの鉄板に流し、無理やりにを移させ、奈のタレントを回避している。

さっきからこの回避方法で何度もチャンスを逃してしまっている。

ここは校舎裏。

生徒が通ることはほとんどなく、必要とされなくなった、々な資材などが置かれている。

相手の部長は自分にとって有利となるこの場所で俺たちを待っていたのだ。

さらに嫌らしいのは、奈に勝つ気がないことだ。

自分から攻めることはせず、徹底的に守りにまわり、かといって、こちらに隙ができれば的確に攻撃してくる。

明らかに時間切れによる勝利を狙っている。

このままではいけないと分かりつつも何をすればいいのかが分からない。

俺にできることと言えば、相手に知られていないタレントを使うことだが、奈がタレントを使っている以上、俺が使うことができない。

俺に何ができるんだ?

何度も行われた攻防。

奈が攻撃し、部長が避ける。回避先にフレアを放つが、また電気を流され當たらない。

......完全に俺は空気だな。

んっ?

空気?

俺は......相手には意識されていない?

使えない奴だと?

だから、俺に背中を向けても何も思わない?

そうだ! 相手は俺を敵として見ていない。

ワンチャン忘れてるかもしれない!

これならいける。

まだ俺を警戒していない、一度だけのチャンス。

まずは相手の背後に回り、奈だけに見えるような位置へ。

聲を出したら相手に気付かれてしまうので、ぶり手振りで合図を送る。

「......?」

きょとんとした顔で首を傾ける奈。

もう一度合図を送る。

まず、奈を指で指して〈奈の〉。

次に、指でカードの形を作り〈カード〉。

そして、投げるポーズをし〈投げる〉。

最後に、自分を指差し〈俺に〉。

奈のカードを俺に投げる〉という合図を送る。

やがて理解したのか、ウインクを返してくる。

後はタイミングのみ。

奈からけ取ったカードでタレントを発させ、がら空きの背中に一撃を加える。

すでに奈によってある程度のダメージを與えているはずなので、それで終わりだろう。

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