《桜雲學園の正不明《アンノウン》》30話 第1世代

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「おめでとう石崎いしざき君。大活躍だったらしいじゃないか」

ここは生徒會室。

DOP が終わった後、アス研のみんなと祝勝會を部室で開いていたら、突然放送で呼ばれた。

「それを言うためにわざわざ俺を呼んだんですか?」

「うん。そうだよ。なんたって初勝利だからね」

會長のことだから、何か裏でもあるのかと思ったけど、本當に祝うためだけに呼んだのか?

「そうですか。なら俺、もう帰っていいですよね?」

「んー。まぁ、いいんじゃない? もう、帰っていいよ」

本當に何がしたかったんだ? この會長は。

俺は言われるままに生徒會を出て、そのままアス研の部室へと向かった。

石崎いしざき君が出ていって、足音が遠ざかるのを確認してから、僕は口を開いた。

「會わなくてよかったんですか? 僕がせっかく息子さんを呼んであげたっていうのに」

「別に頼んでない。······もういいか? 私はこれでも忙しいんだ」

「まぁそう言わず、もうし話しませんか? 石崎・・先生?」

「君と話すことなどもうない」

「まぁまぁそう言わず、気になりませんか? タレントの研究者として、僕のタレントがなんなのか」

僕がそう言うと、問答無用で帰ろうとしていた石崎先生の足が止まった。

一応、話は聞いてくれるらしい。

「回りくどいのは嫌いなんで、素直に言っちゃうとですね、僕のタレントは相手のタレントがわかるってやつなんですよ。ですがね、最近ちょっと困ったことがありまして·········」

「それがどうした?」

「あなたの息子さんのタレント、僕のタレントを使っても解らないんです。それと、あなたのも──」

「ふっ、ははっはっ! そんなの當たり前だろ? 第1世代ごときが私のタレントに敵うはずがない」

「? 第1世代? それってなんですか?」

突然笑いだした石崎先生は機嫌が良くなったのか、を扉ではなく、僕に向けた。

第1世代のことも気になるが、『私の』ってことはもしかして──

「んっ? 知りたいか? 教えるのは構わないが······後悔するかもしれないぞ?」

「·········いいでしょう。もう、片足を突っ込んでいるようなものですしね」

僕の仮説が正しければ、今までの僕の行はこの人にバレていてもおかしくない。

ここは開き直って、しでも多くの報を手にれるとしよう。

「そうか、ならいいだろう。教えてやるよ。お前達のタレントと私のタレントの違いをな」

なくともこの人は僕の味方なのか敵なのかそれを判斷しなければ。

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