《朝起きたら、馴染が悪魔に取り憑かれていた件》#2 馴染が悪魔に取り憑かれた件

俺は気持ち早足で唯一の馴染といっていい、

宮園 花の家へと向かう。

學力平均、運ノーマルの俺が自慢できるのは

花の馴染だということぐらいだ。

テストは常に上位、運神経抜群、容姿端麗の

しい姿の虜になった男の數(俺を含め)は

數えきれない。

艶のあるきれいな腰までびた黒髪、

ぷっくりとした薄いピンク、左右対稱な

まんまるとした目。

正直、テレビに出ている優やモデルに匹敵、いや、

それ以上の容姿も持っている。

そんな花とは保育園の頃からずっと一緒だが、

まさか高校まで同じだとわかったときは、

うれしくて目のふちには涙が浮かんできていた。

花との思い出を振り返っているといつのまにか

見慣れたクリームの一軒家についた。

【宮園】と書かれている表札を抜け、インターホンの

前で足を止める。

ふぅー。俺は一度、深呼吸をし、力強くインターホンを

押した。

『はーい。』パタパタと階段を慌ただしく降りる

音が聞こえる。

ガチャっと扉が開き、見慣れたしい姿と対面の

はずだった。

中から出てきた人に俺は目を見開いた。

の綺麗な髪をツインテール風に結び、

頭から角(?)が2本生えていて、背中に生えた

漆黒の翼が人間じゃないと教えてくれたその

青い瞳でこちらをじとーっと見つめてくる。

俺は必死に笑顔を取り繕い、

『す、すみません…。家、間違えたみたいで…。』

ハハハ〜と笑いながら俺は靜かに

おそらく宮園 花の家である扉をパタンと閉めた。

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