《朝起きたら、馴染が悪魔に取り憑かれていた件》#7 悪魔の笑顔は反則級
淡いクリームをした校舎。
広々としたグランド。
獨特な雰囲気を漂わせている紺の制服。
大きく「下川第2高等學校」と書かれた
校門に俺とアクアは足を一歩前に踏み出した。
                     ◇          ◇            ◇
下駄箱には、新・1年生が4つの紙に夢中に
なっている。そこに書かれているのは、
新しいクラス。中學校と違い、3年間クラスが
変わることはないので、みな必死になっている。
もちろん俺も例外ではない。(アクアも)
『ん〜!見えない!』
アクアが背びしながらそう言った。
その気になれば、パタパタ飛ぶという方法も
あるが、その時點でアクアの學校生活は
終了になり兼ねない。
俺も必死になり、1ーAから1ーDまでの
クラス紙を見ていく。
出席番號1番から目で追っていく。
すると…
『あった ︎』2人の聲が同時に聞こえる。
俺とアクアが自分のクラスを見つけた合図
だった。
『お前、何組だった?』
アクアは人差し指を顔に當てながら
『D』と答える。
『奇遇だな。俺もDだ。』
俺はさらっと答える。
アクアの猛烈に嫌そうな顔が見えたのは
おそらく気のせいだろう。
俺は何となくドヤ顔をかましてやった。
すると、じーっと睨まれた後に、
アクアの手のひらに小さい雷のようなものが
見えた気がしたので、それ以上の深追いは
やめておくことにした。
《數分後》
不慣れな新校舎に、し戸いながらも
俺達は無事1年の教室があるB棟3階に
たどり著くことができた。
Dクラスまでの廊下を歩く途中、何となく
隣のアクアの顔を見た俺は一瞬、思考が
停止した。
彼は微かに笑っていたのだ。
アクアとは、まだ出會って30分程度しか
経っていないが、その笑顔に何故か
懐かしさを覚えた。
自分を見ていることに気づいたアクアは
一気に顔が赤くなり、プク〜と頬を膨らませ、
『な、なに見てんのよ ︎』
と、手と足をパタパタさせながらそう言った。
その様子につい『ぷっ』と笑ってしまい、
アクアはさらに怒り、俺はとうとう腹を抱えて
大笑いしてしまった。
何故か、馴染に取り憑いた悪魔との
3年間を想像すると、頬がにやけてしまうのは
きっと新しい生活に浮かれてしまっている
今日だけだ、と心の中で呟いた。
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