『すごいね〜弓月ちゃん　︎』

『あなたは、神の子だわっ！』

私は小さい頃からどうやら天才だったようで

何かをする度に周りの大人や、同學年の子から

褒められていた。

うざい。

あいつらは、私を自分の名譽としか思ってもない。

同學年の子は私にびを売り、周りの大人は

自分がこの子を育てたと言わんばかりに、やたらと

絡んでくる。

と、じたのは私が小學４年生の時だった。

そんな私が唯一楽しみにしていたのは、大人に半ば

強制的にけさせられていた、全國テスト。

自分が1位になり、賞狀を貰う。それが楽しみだった

のではない。なぜなら私は「2位」だったから。

今まで私を褒めて讃えた大人達のあの悔しそうな

顔ときたら堪らない。

今思えば、私の神は小學生ながらかなり異常だった

かもしれない。

そして、私にを、幸せを與えてくれた人の名は

「宮園 花」

彼と中學が2つしか離れていないと知った時は

神様を信じてしまいそうだった。

そんな彼は追いかけて、私は「下川第2高等學校」

へと學した。

だが、學式から數日経ったが未だちらほら名前を

聞く程度で姿を見ていない。

私は、読んでいた本を上げ、顔を上げる。

『ねぇ！』

『ひぃっ　︎』

顔を上げた途端、目の前にいたの聲に驚き、

椅子から無様にも転び落ちる。

『もぉ〜〜、花ちゃん。いきなり聲掛けて…』

『いやぁいやぁー。ごめん。』

「花」と呼ばれたは笑いながら頭を掻いている。

私はついに出逢ってしまった。

金髪のツインテールに、立派な角、大きく広がった

漆黒の翼。

                                  ＊

                                  ＊

                                  ＊

                          『だれ？』

私が知っている「花」と程遠い外見に私を困の聲を

上げる。

そんな私に「花」と呼ばれた、いや角や翼は

悪魔という表現の方が近いかもしれないが、

石のように固まり、後ろにいた2人の男子の

1人が大きな口を開けて固まっている。

『え、えーとっ…。』

悪魔は必死に言葉を捻り出そうとするが、中々

出てこない。

『わっ…』

いきなり手を摑まれ、転がっていた私は無理やり起こされ後ろに引っ張られる。

私を引っ張ていたのは、先ほど大口を開けていた男子だ。

『ちぃ、トウマ！さきに帰ってってー！』

トウマ、ちぃと呼ばれた2人はポカーンと立ち盡くしていた。

そして、私は人気のない空き教室に、悪魔と男の子と、

まるで三者面談のような形で座っていた。