《雪が降る世界》第18話 〜澪の友達〜

「あ、また來てくれたんだ。」

「ん。ちょっと気になって、ね。」

俺は自分でもよく分からない。なんでこんなに頻繁に瑠璃に會いに來てんだろう。澪に會ったついで、のつもりなんだけど。

正直こんなことしたって、最後に辛くなるのは自分だと。何度も先生に言われた。

でもやっぱり無理だった。親が海外で仕事してんだよ?今までずっと寂しかっただろう。俺には分からない。

「あのね、車椅子で、だけど。」

「うん。」

「外出許可、出たの。頑張ったから。」

…それが何を意味しているのか。瑠璃は知っているのか?本當にし回復したのかもしれない。でも、そのフレーズを何十回と聞いてきたから分かる。もう先は長くないと。

「そっか。じゃあしっかり楽しまなきゃ。滅多にないもんな。」

「うん。」

「うー…。」

「お、珍しい。」

「いろいろあんだよ…。」

こんな時に加は空気を読んでくれない。気になるのも分かるけどさ。

「ねぇ璃久!晝休み、一緒にご飯食べない?」

「おう。」

……うわぁ間違えた。雨村だった。まぁいいか。

「え、じゃあ俺ら今日3人か。」

「そうね。ごめん。」

「なんで?」

「いや〜久しぶりにいいかなーって。」

「ふーん」

俺は今そんなに余裕ないのに。いいな…高校生やってんなー。

「…そうじゃなくて。」

「なんだ。違うのか。」

「あの、えっと…ほら馴染じゃん?だから言いにくくて。」

「何を?」

「…ずーっと…好きだったよって…。」

?!今言うか…。もう混する。

「分からない。」

「…え?そのままだけど。」

そこじゃねぇ。っと、弱々しいツッコミを心の中でして。ごめん。

「俺もそのままだっつの…。」

「もういるの?絶対1番がいいなって思ったんだけど。」

「違う…。好きとか嫌いとか俺には分からない。…ただ。ずっと頭から離れない、いなくなるのが怖い。そんな人がいる。…今、いろいろぐっちゃぐちゃで何にも分からない。それだけ。」

俺…何言ってんだ?好き嫌いの次元じゃないだろ瑠璃は。そもそも生きてる環境が違うんだ。

「でも…私、諦めないよ?」

「ご自由にどうぞ…。」

あぁお前はそういう奴だったな。俺を勵ましてくれてんのか、困らせてくれてんのか。隣人さすがかよ。

外出許可、か。…。

「澪?あ、寢てる。」

よし。…よくはないが瑠璃んとこ行くか。

「なぁ瑠璃。外出許可っていつでもいいのか?」

「うん。」

「じゃあ…その日、俺にくれないか?」

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