《雪が降る世界》第20話 〜ほうれん草〜
「なぁ七海、今度遊びに行くんだけど。
どんなとこがいいと思う?」
「唐突すぎるだろ…。誰と行くんだよ。」
「友達。」
「遊園地とかでいいんじゃね?」
さすがに省略しすぎたか。
「いや…。車椅子の子。」
ごめん…。あとでお茶買ってあげる。賢いから俺の親しい友達くらい想像できるかなとか思ったがまぁ無理だよな。
「園とか水族館?あとは…そうだな。プラネタリウムなんてのもいいかもな。」
「…水族館にするわ。」
「うるさいのも暗いのも嫌いか。」
「暗いのは大丈夫です。」
水族館も暗いから!
なんで暗いのがダメなのかと思ったが…。よくよく考えてみると、部活の合宿で肝試しやった時にずっと七海にしがみついてた気がしないこともない。…この下りだと俺が苦手なのはオバケなんだけど。
「その子って、もしかして澪の友達?ウルリッヒの?」
「なんでそういうところは想像できるかな…。」
「お、當たった。大丈夫なのか?」
「まぁある種の警告だよね。悪く言えば。」
「良く言えば?」
「…楽しんでこい、かな。」
「じゃあ…その子がいなくなったら、お前は大丈夫なのか?」
え…俺?そんな深い質問されてもな…。
「そんなところも警告だと…俺は思うけど?」
瑠璃がいなくなったら、か…。いや、どんだけ人の最期見てきたと思ってんだよ。一応、七海よりは経験あるぞ。
「澪ー。調子どう?」
…なんて、大丈夫なわけないか。
「うーん…水飲みたい。」
そうじゃねぇよ。別にいいけど。
「了解。買ってくる。」
でも院棟の自販機味い水なかったような。さっき買っときゃよかった。俺も飲みたい。
院棟から出たらもう一般の人もいるんだよな…。賑やかでなによりだ。そんなに元気なら家で治せよ…。うるさくて仕方ない。もっとTPOをわきまえろ。親もちゃんと見とけよ。
「これでいいか。」
とか思って出てきたペットボトルに手をかけた時に…。腰にすごい衝撃が。
「ごめんなさーい!」
そろそろキレるぞ。病院で走るなぁ!
そして地味に痛い…。小學生男子活発すぎ…。自販機に顔面ぶつけるし。鼻が…。
「はい。」
「ありがとう。…鼻赤いよ?」
うそー。結構恥ずかしくないか?いや澪が敏なだけ?
「自販機にぶつかった。」
「?!…んっはははっ!」
わ、久々にこんな顔見た…。じゃなくて!
「そんなに笑うなよ…。小學生が後から走ってきたんだって。」
「それにしても、小學生なんかに高校生が…。ちょっと細すぎんるんじゃない?」
「細くねぇ。不意打ちだから。」
「それよりさ。ずっと気になってたんだけど、璃久と一緒にいた博識な人って誰?」
「あー七海?」
「へぇ、そんな名前なんだ…。聞いたことある。」
「そりゃあるだろうよ。じゃあ俺、バイトあるから帰るわ。また連絡する。」
「りょーかい。」
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