《雪が降る世界》第27話 〜奇跡〜

「璃久君!ドナーが見つかったよ!」

「え?!ホントですか?」

「ほら、この人のが適合したんだ。合併癥も進んでるからさっそく。」

こんなことが、起こるなんて。ずっと待ちんでいた澪の人生。

「よかったな!もう俺と違う道を選ばなくていいんだよ。」

「うん…。ありがと璃久。」

俺は何にもしてないけどな。頑張ったのは先生と澪だから。

あとやることは…。母さんと父さんをどうにかして連れてくるか。まだ會わせたことないもんな。

さぁ俺が電話して出るのか…。

──

「あ…もしもし?澪…治る。」

「そんなことないわ。」

「なかったら電話かけねぇよ。」

「でも今仕事盛りだから…勝手にして。」

うわぁマジかよ。自分のお金だけでも結構するのに…。澪が俺と同じ學校で免除なかったら…?絶的過ぎなことこの上ない。

「璃久?大丈夫?」

「あ…いや、なんでもない。澪は學校とか行きたいか?」

「…正直今から行ってもなって。家の仕事してる方がいいかも。」

「え、それでいいのか?だってお前、いつか一緒に登校したいって。」

「そうだけど。俺勉強できないし。璃久みたいに免除なんて…。」

「へぇ…それでいいならまぁ。強制はしないが。」

意外…。もっと食いつくと思ったのに。やっぱ高校生になるとこうなるのか。

…ちょっと寂しいな…。

「こま、早く起きろ。前田先輩來られるから。」

「ん…。あれ…。俺今病院で…。澪が治るって…。」

「はぁ?ここ部室だぞ?いつまで膝にいるつもりだ。」

「えぇ…。あれ全部夢…?」

「いいからどけろ。」

「…。」

寢心地すっげーよかった。

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