《雪が降る世界》第33話 〜言い訳〜
くっそ…。七海…。
「「「しれっと首位取ってんじゃねぇ!」」」
「俺どんだけ頑張ったと思ってんだよ?!」
「そーだよ!どうせ今回もノー勉だろ?!」
「あぁそうだな。気づいたらテスト始まってたわ。」
「逆に何してたんだ?」
「こまの過去を、んな方向で見てた。」
「…一番有力な説は?」
「うーん…何とも言えねぇが、北海道の前にまだ段階を踏んでるのは確かだな。」
「ねぇまた俺らほったらかし?」
空気読めよ。
「うん。終了式終わった後北海道行くし。」
「ってくれよ。」
「え…。だって邪魔だし。」
わぁ、言っちゃったよ。さすが。
「そんなこと言わないでさ〜。」
「自腹なら勝手にしろ。」
「なんでホントに來たんだよ…!」
「楽しそう!!」
いや、あのな…?俺は今現在どん底なんだが。遊びに行くわけじゃないのに。來ない方が、良かったろ。
七海の考察?的なやつに目を通せとは言われたが。多すぎないか?
「絞って…?」
「…これとこれとこれ。」
全部ヨーロッパ絡みか…。まぁ俺ハーフらしいし無理ないな。あ、全部絡んでんじゃん。
「高いな…。」
「え、七海って高所恐怖癥?」
「五月蝿い。」
「へぇー意外。なんで?」
聞いてやるなよこの天然王子…。俺も気にならないわけじゃないけどさ。
「中學生の時にビルの屋上でちょっと々あって。」
切実すぎて泣けるわ。?ビルって…確か。
「もしかしなくても、あの児わいs…」
「やめて。」
「え、あれ七海だったんだ?結構過激だったって聞いたけど。」
「別に…いつもの事だし…。そこまで酷くなかったし…。ただ、場所が悪かった。」
「今から雲の上に…。」
「だからやめて。」
俺…新幹線でも良かったのに。そんな急いでない。
「北海道って今雪すごくないか?」
「だいぶ引いたと思うが…。一応確認はしてみたから。」
「抜け目ねぇなぁ…。」
「そこ1番重要だろーが。」
「なんでそんなにこまのこと知りたいの?」
あぁ確かに。お前が言うなよ。
「んー…。特別な人って、々気にならないか?」
「七海って天然?」
「?そんなことないけど。」
「特別なんて男に使うもんじゃないぜー。」
「じゃあ誰に使うんだ?」
「普通子だろ!」
「基本無関心だからなぁ。」
だよねそうなるよね。俺もマジで瑠璃以外興味ない。アピールされ過ぎると何がなんだか分からないんだよな。七海もアレだ、キラキラな人間だから。
「でもその辺のモデルよりこまの方が人だぞ…?」
「やめてこの天然タラシ。」
「率直な意見だ。」
「「それな…。」」
それなじゃねぇ。仕方ないだろ病気なめんなよ。…天使病でよかったー。逆もあるらしいが。
無事札幌に到著。
「耳痛い。」
「そりゃそうだろ。」
「とりあえずこの近くに行きたい所あるから先に行こう。」
「へぇ、どこなんだ?」
「孤児院的な施設。」
…え?託児所じゃないのか…?
「この建、何か思い出せるか?」
唐突すぎて何も言えねえ。けどなんか、初めてじゃない気もする。
「さぁ…なんだっけ…。」
「ここね、だいたい3歳くらいにこまがいた孤児院。」
「へぇー…。ここの人こまのこと覚えてんのかね?」
「行ってみるか。」
────…
「やっぱこんな貌忘れられねぇよなー。」
貌って…。3歳…。白い以外になんもないだろ。しかも寫真まで見せられたし。
「昔から足長いのな…。羨ましい。」
「まぁ加は短いもんね。何センチ?」
「悲しい、悲しいから聞くな!」
確かに加は俺より10センチ以上高いくせには同じ高さなような気もする。可哀想に…。
「よし、じゃあ次行く。」
「どこ?」
「知床半島。」
「くっそ遠い…。」
「なんで行くんだ?」
「綺麗だから。」
ぶっ飛びすぎて何も言えなかった。
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