《雪が降る世界》第35話 〜七海の仮説〜

「ヴォール、ね…。じゃあ璃久は誰がつけたんだ?」

「昨日行った施設の人だろ。それから、お前が見た金髪の人は、多分、こまの父さん母さんかな。」

「え、なんで?」

「心理狀態的に。」

「えーと…全くわかんねぇ。」

「ほら、俺は脳専門だから…。難しいけど、こまが頭痛くなったの、記憶が戻りかけた時なんだよ。タイミング的に。昔見た星、この季節東京ではなかなか見れない雪、海外の境クラスの自然。」

「北海道育ち。」

「3歳まではヨーロッパにいたんだよ。施設に來たのがその歳なんだから。」

「でもさ、現地で暮らしてたかもよ?」

「それを今から探しに行くんだよ。俺の勝手な仮説だから。早く著替えな。」

なんでヨーロッパって広い範囲で言うんだよ。七海の仮説とか強すぎだろ。起きてすぐ出かけるとか地獄だし。

「それで?まずどこ行くの?つーか春瀬達は?」

「あいつらは適當に観させてるよ。過激だから。じゃあとりあえず…ここ行くよ。」

地図見せられても読めねぇんだわ…。それにほとんど覚えてないもん。

「分かるか?」

「ごめんなさい…。」

「はぁ…。そういや地理ダメだったな。をもってじてたっけ。」

「これ何だ?」

「なぁ…ホントに合ってんのかよ?」

「當たり前だろ。施設の人に聞いといた。まぁ相手が外國人だったからメモ貰ってたし、殘ってたから間違いないさ。利用手続きみたいなのもあった。」

七海に連れられて來たのは、…刑務所だった。嫌な予しかしなくて。

「なんでこんなとこに?」

「なんでって…面會以外に何もねぇだろ。大丈夫、俺マルチリンガルだから。」

…確かにすごい、すごいけどそこじゃない。俺が突っ込んでるのは刑務所だよ。

「誰に…。」

「え?何言ってんだ。お前の親だよ。」

「…?!」

「もうだいぶ劣化したメモ、容は。」

'この雙子を預かって。見れないから。'

いや短文すぎて連想とか無理。俺そういうの苦手。

「俺もイメージでしかないから確かめに行くんだよ。それに、親なんだから。お前が大きくなった姿も、見たいだろうよ。」

「えっでも待って。雙子…?」

「それも聞くから落ち著け。」

「OKだそうだ。すぐ來るって。」

「なんか張する。」

「大丈夫お前は分からないから。」

知識の差かぁ。文系か理系かどっちかにしろよな。

「ほら、來てくれたよ。Hiって言ってみろ。」

「…はい?あってる?」

「まぁ…返してる辺り通じてはいるさ。手始めに、パパと喋ってみるか。」

急にドイツ語…。新鮮でいいけど全くわかんねぇ。

「うん…そうか…。」

「うわ、日本語。…なんて言ってんの?」

「こまが本當にこの人達の子供かどうか聞いただけ。間違いない。綺麗な雙子だったってよ。」

へぇ、これが父さん母さんね…。確かに雰囲気俺と似てなくもない気がする。やっぱゲルマンすげぇな。

「ヴォールとリヒト…。」

「リヒトって?」

「お前のかたわれ以外にないだろ。」

分かるかそんなこと。

「よし、じゃあ次聞いてみるわ。」

「よろしく。」

──

「あー…。これは言っていいのか…?」

「何なに?」

「ここにれられてる理由というか。」

「いいんじゃね?」

「お前がいいならまぁ…。

麻薬輸的なじ。捕まる前に、こまとかたわれを施設に預けたんだと。」

麻薬…。そんな近にあったんだ…。

「ちょっと…衝撃かも…。でもさ、なんでわざわざ北海道?」

「あぁ、待って。」

──

「ただ純粋に、北海道の雪とか観地に行きたかったんだって。」

じゃ麻薬とか持ってくんなよ。楽しめねぇだろーが。

「あぁちなみに、麻薬は持ってきたんじゃなくて、持ってこさされたんだって。」

まだ厄介なモン殘ってる…。々とれ難い。

「俺も気になってた。やっと分かったわ。」

「何が?」

「こまが今まで何もなかったことに。」

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