《雪が降る世界》第49話 ~ひまわりに見下されてる~
あっという間に夏休みにり、部活も補習も嫌になるくらい忙しくなった。特に弓道は。
「じゃあ俺は大前やる。あとのスコアはよろしくね。」
「地味に2番目が責任重大なんだよなぁ。ここのポジションは七海のはずだったのに…。」
「悪かったなできなくて。頑張れよそれくらい。」
「人事なんだから…。」
「俺は去年の新人戦でやったわ。」
さりげなく実力相応の出番をかっさらい、何とか今年もできそう。確かに、七海が打てないのはかなりの痛手だが…。
クーラーのない道場?で暑苦しい袴を著て熱中癥になりかけ、練習風景を橫目に休むことにした。
「こま顔あっか…。もうちょい氷いるか?」
「氷枕…。」
「お前は俺の太ももを凍らせる気か。」
「そんなこと言ってる場合…?」
「そもそも人の膝で寢ないから。患者は。」
「ほんとに…?ここで氷枕あったらまじで天國なんだけど…。」
「勝手に逝くなや。俺が先だわ。」
「あーそうだった…。」
七海に栄譽ドリンクとかその他もろもろもらって喋っていると、大學に行っているはずの前田先輩が部屋に來た。
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まだ七海のこと知らないのかな。
「よお!最近どんなじ?」
「見てわかるでしょう。」
「あれ?七海は出ねぇの?」
「あぁ…それは見ても分かりませんね。ドクターストップですよ。」
「なんで?!」
「…病気だからです。」
「さすがにそれは分かるよ…。どんだけ馬鹿だと思ってんだ失敬な。」
「仕方ないですねぇ。びっくりしたらこの氷ぶん投げます。」
「なんだそれ。」
「脳腫瘍です。」
「うっそぉ?!」
言った通り、猛スピードで氷は七海の手から離れ前田先輩の仏に直撃した。
悶絶してる先輩を無視してひょうひょうとしてるもんだから誰も練習に集中出來てない。
「え?それってリアルなやつでヤバくない?」
「そう言ってるじゃないですか。ちなみにこまはただの熱中癥の手前です。」
「もうどっちが大変なんか難しいな!」
「いや今はこまですよ。」
そんなやり取りに今年った新人君達は驚きを隠せないようで…。七海はいっつも俺ら以外とはあんまり喋らないからな。よく言えば寡黙だし悪く言えば人嫌い…。
違った面も見れてよかったのか。
そうして晝までわいわいして余計暑苦しくなってしまった。
「駒井先輩!また別の人が會わせてって…。」
「ん…何?誰…?」
──
「うわぁ!時夏が來たぁ!」
「うるさいな…。靜かにしてくれ加…。」
「こん、にちは。」
「喋ったぁ!」
加がうるさいのと時夏が喋った衝撃で一気に頭が冷えた気がする。もちろん萬全ではないが。
「璃久…?」
「あぁうん…。ちょっと待ってよ。誰か順を追って説明して。」
まず時夏は東北の家の整理をしておばあさんとおじいさんの形見を持って東京に來たらしい。…あのバカでかい家は他の人に買ってもらって。そのお金と産とバイトでこの先やっていくと。
あのまま田舎にいても良かっただろうに、なんでわざわざこんな都會に來たんだろうな。
「そこまでしなくてもよかったんじゃ…。」
「あの…春から俺も高二の予定だったけど…。怖くて行けなかった、から、今までは放浪してた。森林浴とかなんかいろいろ行って、春休みの寫真の整理してたら…聲が、出るようになった。」
「…そんなにいじめが怖かったか。」
「それもあるけどさ。何より、おばあちゃんがいなくなって、俺を人として見てくれる人がいなくなるのが怖かった。仕方ないけど、それまではずっと助けてくれたから。無理して向こうの學校行くより、何も知らない學校に行く方が得策だと思って。」
「なるほどね…。じゃあ秋から?」
「どうせなら七海君とか加君とかがいるところにしようかなって。ちゃんとお禮してなかったし。」
…俺的には十分世話になったと思うよ…?どんだけ人がいいんだ。
「どっちのコース?!」
「加さっきからうるさすぎ口うぞ。」
「ゴメンナサイ…。」
「えっと…一応璃久と同じ。」
「やったーーー!」
「なんで俺より加が喜んでんだ?」
「だって可すぎるくね?!頑張って標準語を喋ろうとしてるこま。」
「やめて。」
「まだ抜けてない…?」
「抑揚がまだ訛ってるけどそのままがいいなぁ。」
「じゃあすぐ直そう…。」
「やめてぇ!」
???俺と若干似通ってる…?
「つーか家は決まってんの?」
「うん。あのマンションがいいかなとは思ってる。安全そうだし。」
「こま丁度いいじゃん。」
「…は?」
「雙子なんだし。安全だし。引っ越しなよ、また襲われないように。」
「えっ、そんなこと…。」
「もう…。時夏の前で言わないでくれる?」
「ほんとに?」
「まぁ…うん。」
調が良くなったのは夕方になってからだった。結局その日はほとんど練習できずに終わってしまい、今時夏と家に向かってる。…俺の家の方。
「布団とかは向こうにあるからいるものだけでいいよ。とりあえずは。」
「そうするか…。また加にも手伝ってもらおう。」
時夏の新しい家には、東京ではなかなか見られないくらい花がたくさん咲いていた。
「このひまわり…何センチ?」
「璃久よりちょっと高いくらいかな…。」
「嫌味?」
「え、そんなつもりは無いけど…。」
「花にも負けるなんて思いもしなかった。」
「寫真撮る?」
「絶対馬鹿にしてる。」
カシャ──────
本當の家族と撮ったのは初めてで。
モデルの公式サイトに投稿しちゃったよ。
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その後時夏のことがネットで大騒ぎになったことは言うまでもない。
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