《雪が降る世界》第51話 ~甜瓜~

「都會ってお祭り多過ぎない?月末は花火あるんだろ?なんでその前に。」

「パリピ多いから。加みたいなのが普通。俺は行かないけど。」

「ふーん…。まぁ璃久とか七海君が行ったら事件起こりそうだよね。」

「起こったしなぁ。」

「えっ大丈夫?」

「詳細はれない方がいいかと思って。別に気にしてなさそうだったが…。聞いてもいいんじゃないか?」

「…いや、やめとく。璃久も気をつけてよ。抜けてるんだから。」

「はい…。」

まさか時夏に言われるなんて。一緒だろうがよお前も。

「とりあえず制服買いに行くね。…來る?」

「…あぁ。行くわ。」

ほんとに見分けつかなくなるんじゃないか?ブロンドとはいえ。同じクラスみたいだし。…あいつら絶対長で決めるな。

より馬鹿にされる。あれから1cmものびてねぇ。

「なんだろう…。変なじ…。」

「しまった服著てんだね。何これ肩パット?」

「違うから。デザイン。七海が映えるじゃん?」

「確かに…。いいよね、足長いの。」

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「…。」

俺は七海のペアなんだけど…。一度もそんなこと言ってもらってねぇぞ。

「ネクタイ種類ありすぎ。どれ?」

「2年の特理のやつ。…時夏には似合わないかもね。」

「ほんとだ。赤…。」

「1年間だけね。來年は多分…黒?」

「うわ…それもやだな…。」

「それより聞き忘れてたがどうやって転校したんだ?この學校そんなことないと思ってた。」

「ネットで試験けて…合格した。偏差値がだいたい70…後半?」

「エッグい…。まぁそんなとこか。七海ぐらいだったらどうしようかと。」

「一番だっけ。全統。璃久すごい人に會ったね。」

「…あのさ…俺の事なめすぎ…。」

「え?」

「俺二番なんだけど。」

「うそ…。怖…。璃久が七海君の次かぁ。」

「そこ?」

「…ちょっとなめてた。所詮天然…。」

「やめとけ。」

俺は天然じゃないからな…!七海と一緒にするんじゃねぇ。馬鹿は流石に認めるけどよ。

「よくこんな馬鹿みたいに高い制服買えたね。モデルってすごい。」

「當時は結構カツカツな生活してたさ。…澪もいたし。」

「…璃久の隣歩いてたら俺もモデルできるかなー?」

「どうした急に。」

「んー…。璃久だけ頑張ってるみたいじゃん?」

「さぁな。今のままでもいくないか?」

「…だっていつか一人になるんだよ?」

…それは知ってる。あの日、公園で倒れた七海を見たから。

でもいいじゃないか。本人は楽しそうだし。何より、七海は笑うことが増えた気がする。心からとは限らないが。それでも十分過ぎる進歩だと思う。

「なるようになればいい。ひとりでも、俺は大丈夫。」

「そんな保証ないだろ。」

「…だってもう2人いなくなったんだよ?大好きだった弟と、初めて可いなって思った子が。」

「…俺は、大好きだったじいちゃんもばあちゃんも死んだ。今でも不安になるくらい。璃久がいて、ほんとに助かってる。…璃久は違うんだ?」

「そりゃ俺も助かってはいるけど…。単純に、あんなキツイ仕事なんて、時夏はしなくていい。…まだ休んでいい。」

「えー…。つれないな。楽しい刺激しい。ここでは何にも育てられないし。」

「あぁ…おすすめがひとつある。」

夏休み中ということもあり、家の前は人で溢れていた。よくこんな駅に近い家借りれたもんだ。便利といえばそうだがなかなか騒がしい。それは全員同じみたいで。

「やっぱうるせぇな…。」

「ごめん…。こんなことになるとは思ってなかった。」

「いやいいけども。」

「お晝、なんでもいい?」

「いいよー。」

いつものように七海春瀬加が家に來ている。新しい方は初めてか。

七海ってば普通に変裝もしないでここに來たから外エラいことになってたんだから…。俺もよく失敗するけど。

そのおかげでインターホンがフル稼働してる。

「そばって好き嫌い別れるよね。」

「俺は好き…。加は2番目に弱いと思ってるもんな。」

「俺そば食べたことない。」

「うそ…。庶民の味はわかんねぇか。」

「うどんはあるよ。」

「意味不明。」

急にそば…。そう言えば今朝からバンバン音がしてた気がしなくもない。あれ…?このそば…。

「手打ち…?」

「當たり前じゃん。じいちゃんがよく打ってたの思い出して。久しぶりに作ろっかなーって。」

「「「喜んで食べるわ。」」」

「なんで時夏の時はそんなに喜んでんの…?俺は…?」

「こまのも好きだって。でもほら、俺日本人だから。」

「俺も國籍は日本です!!日本育ち!!」

「分かった分かった。じゃあ次回はこまが作ってよ。」

「いつ?」

「んー明日?」

「スパン短…。」

絶対加とか時夏大好きだもん…。

「ねぇ…加君…?暑いんだけど…。」

「?!何してんの?!」

「こまにくっついたら間違いなくぶっ飛ばされるじゃん?時夏優しい。同じクラスとかほんとに嬉しい。」

「何言ってんだ気持ち悪ぃ。お前みたいな巨に摑まれたら逃げようがないだろ。離れろくそが。」

「時夏…七海がひどい…。」

「えっと…。」

なんか俺が困ってるみたい…。めちゃくちゃ面白い顔してんな。

「超純粋なこまだ可い。ほんと良かったね男子で。」

「?」

???

今俺と時夏の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるんだが。

だったらやばかった?」

「えーどうだろうねー。」

「気持ち悪ぃからもうやめとけ。」

「こま、前髪切ったら?時夏みたいにしてみなよ。」

「いやそれはちょっと…。目の違うの変だろ。」

「何と何?」

「…紫と青。」

「絶対綺麗。」

「やめて…。」

────

「視界が明るすぎ。世界が超鮮明。」

「うわぁーこれこまと時夏悩むなぁー!」

「なんの話をしてんだよ黙れ。」

「時夏…七海がひどい…!」

「七海君に一票…。」

「ひどい…!」

はどうやら綺麗かつ可い子が好きらしい。その的にはなりたくなかったわ。

まぁモデルでも俺は七海の隣にいるってだけで可い枠にってしまうが…。そんなことないからな。俺の父さん、かっこよかったからな。

「みんな甘いもの好き?」

「ものによる。」

「前の家で果いっぱいとれたから持ってきたんだ。消費手伝って。」

「おう。」

「はい、スイカ。頑張って1個食べよ。」

「5人で…?」

七海が終わった。いろいろと。

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