《雪が降る世界》第52話 〜異常なまでの〜

今年は花火祭りには行かず、各々家で過ごすことにした。去年みたいになってしくないし。でもだからってうちに來ることはねぇと思う。

「家って設定はどこ行った?」

「カッコでこまのがってるから。」

「…もういいよ何でも…。加は時夏から離れてくれ。」

「意外に筋質だよねー。」

「これでも畑手伝ってたから…。あの、これってモラル的に大丈夫…?」

「そんなわけねぇだろ離れろクソゴリラ。」

「七海がひどい!!」

「いいから離れて。時夏とご飯作ってくるから。何でもいいでしょ。」

「サンキュー。」

「何作る気?」

「アクアパッツァ。」

「えぇ…そんなヨーロッパ行く…?」

「ぶち込んどきゃできるから。」

「チート…。」

「いいだろ別に。」

確実に暑いが楽したいし。本場ほどガチ勢でもないし。時夏みたいに麺打つところから始める訳でもない。素人クオリティでも十分七海達は喜んでくれる。

「俺作り方全然知らない。なんでここいるんだ?」

「…。」

「無視…?!」

「いや?」

「なにそれ…。俺いる?」

「いる。」

「へぇー、こまでも嫉妬とかするんだ?」

?!?!!!?!

「え、七海君?」

「お、前は…!!毎度後ろから…!!」

「めちゃくちゃ可いじゃん。」

「うるさい…!可いとか言うな。」

「璃久嬉しそう。」

「嬉しくねぇ!」

まさか時夏が七海に加勢するなんて。聞いてないし思ってもなかった。

「いいから七海は大人しく座っとけ。」

「はいはい。」

「嬉しかったくせに。」

「なんでだよおかしいだろ。」

「顔赤いから。」

「…。暑いだけ。」

「璃久は暑い時顔全赤いよ。今ほっぺしか赤くな」

「ちょっと黙ろうか。」

なにそれどこまで見てんだ。変態枠じゃねぇか。

「それで…なんで俺は作家を勧められたんだ?」

「楽しいから?」

「絶対辛いじゃんか…。」

「締切とか?時夏ってそういうのシビアそうだよね。」

「別に…絶対ではないけど…。ただイメージってのがさ。」

「まぁ確かにね。」

さすがに俺はモデルやりながらは出來ない。キャパオーバーだ。

それに時夏の方が表現力高いし?同じ理系ではあるけども。

「できたよー。」

「おぉーぶち込んだだけのなんだっけこれ。」

「お前フランスのお嬢と結婚するんだろ…?ヨーロッパ料理くらいは覚えとけよ。」

「で、何これ?」

「…アクアパッツァ…。」

なんか七海に似てきてないか?スルー上手くなってない?

「水族館…?」

「え、噓だろ。加お前…。」

「ん?」

「…いや、やめとく。なんかもう可哀想。」

「何が?!」

ほんとに可哀想…。

「…やべぇ…。ちょっと俺病院行く…。」

「え、行こうか?てか行った方が安心だよな?」

「いや…大丈夫…。」

「だめだめ、行こう。」

こんなタイミングで調悪くなる…?

「思ったより急なんだ…。」

「よくあることだ…気にすんな。」

「じゃあ加と時夏は殘っててもらっていいか?」

「え、行っちゃだめか?」

「だめだ。」

「なんだ、つれないな。…分かった。」

「時夏に何もすんなよ?」

「変態みたいに言うなや。」

「よろしく。」

多分、検査とかいろいろやるだろう。そんな所に、一緒に來いとは言えねぇな。

七海も、同じこと思ってるだろうけど。

「…やっぱし大きくはなってる。そんなに支障はないと思うが…。」

「言われてみればってじ。お前敏すぎじゃね?」

「わりとわかりやすいよ?ふとした時に目の前が真っ暗になる。」

「俺だけついていけてないんだけど。」

「「あ、ごめん、忘れてた。」」

「理系組ひどい…!」

とりあえず七海は一旦院することに。夏休み中だし、特に痛手はない。…勉強には。

仕事のがやばい…。

春瀬と2人で家に帰った。

…ぶち切れそう。

「おい、時夏に何教えてんだ?」

「え?えーとね、暇だったから、バトルゲームのやり方。」

何も知らなかった時夏になんてことを…!

このまま純粋でいてもらおうと思ってたのに。

「でもね、よくわかんない。難しい。」

「うん、それでいいんだ。」

「えー…。」

「いいから宿題やれよ。」

「はーい…。」

「時夏は?終わった?」

「俺はない。」

「は?」

「試験けたらもらう予定だったけど、別にいいよって。」

「マジかよ。」

「七海は?」

院。」

「そうか…。」

──新學期

「後原、で、す。あ、えーと…まだ方言が…抜けて、なくて、それ以外は、特に何も、ない…です…。」

たどたどし過ぎねぇか。リラックスしろよ。

「駒井と雙子なのに名前違うの?」

「ブロンドの駒井くんもカッコイイ!」

「絶対可い派!」

「髪型まで似てる!」

「やばいよー尊いです…。」

なんかみんな興してるよな…?そんなに時夏って…。俺悲しい。

「あ、待って、長は?」

「…?175、くらい。」

「…。今笑ったろ。」

「ツーショットしい。並んでよ。」

「拒否。」

「えー、後原君かわいそー。」

「記録殘されると後々面倒だから。ね、時夏。」

「あ、うん…。」

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