《雪が降る世界》第60話 〜夜の〇〇〇〜

「璃久ってばアトリエには絶対れてくれなかったのに七海君がいると甘いんだよな…。」

「こま。これはどういう狀況だ?」

「ん?採寸。」

「なんで?」

「絶対七海しか似合わない服思いついたから作ってみよっかな的な?」

「へぇ…。」

俺とは正反対の綺麗な黒髪に挑戦的な目と高長。街に著て出ていくには場違いだがいいだろう。何より舞臺向きの七海だ。十分著こなせる。

「どんなじになる予定?」

「それは緒。あと1日じゃ出來ないから泊まり込みね。」

七海にもらったブレスレットでかなりいい案ができた。

ずっと使えずにお蔵りになっていた深い青の生地。

どう頑張っても派手さを抑えられない金箔。

それから…雪よりも白い絹。ぴったりじゃん。

「こま…?これって…。」

「いいから著てみてよ。」

「あぁ…。」

めちゃくちゃ困ってる。そりゃそうか。そうだよね。

「わぁ…!七海かっこいい…!」

「いいなー、イケメンって何でも似合うもんなー。」

「黒髪もいいね…!」

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俺も時夏も春瀬も加も、あれほど立派な髪じゃないしスタイルも劣ってる。だから七海だけ、の服になった。

「なんかもっとラフなやつだと思ってたんだが。」

「いいじゃねぇか似合ってるし。…いつものポーズ、はいどうぞ!」

「えっ、は、はいっ。」

そうそうそれそれ。俺もよく引っかかるんだよな。休憩中にカメラマンさんに言われる言葉。

「七海最高…。」

「うっわ…超恥ずかしい…。」

「これ七海の単だから公式ブログにあげてみよ。」

「やめてくれ。」

「ちゃんとポーズとってんだから大丈夫。」

七海に作った服は中世ヨーロッパのアレンジ版みたいなやつ。あのムーンロードとサンゴ礁、ブレスレット…。

「寫真集じゃないんだからさ…。」

「それ、現場に持って行ってよ?七海最近仕事出來てないから寫真集って話になってんの。」

「は?」

「そりゃファンはいっぱいいるし。俺ばっかりじゃつまんないだろ。ちなみに俺はやったぞ。」

「なっ…いつ?」

「夏休み中。俺でも結構売れたからいけるよ。」

まぁ…普通に恥ずかしいけどな。俺がR15だろうから七海は…。はは、なんか知らんが似合う。

「いや…最近太ったって言ったろ?」

「ふーん…この腹筋でよく言うね。」

「うわぁっ、ちょ、っと…!めくるな!」

「大丈夫全然変わってないよ。」

「撮るにしてもテーマってもんがあるだろ。」

「そこは俺とマネージャーが決めるよ。多分俺よりは大人っぽくなるな。」

「意味わかんねぇ…。寫真集…。確かに出したことないけどさ。」

何としてでもこの服を使ってほしいから…。そんなじでお願いするか。

「撮影は七海の調に合わせるのが絶対だし、今すぐにとはならないはず。」

「いや別にいつでもいいんだが…。」

「そっか。じゃあこっちで調整するわ。」

俺の気分的にはもう1回沖縄に行きたい。あのムーンロードをバックにして撮影を…。そのために使った青だ。東京にあるセットじゃ足りない。あれは俺で十分。

「著替えていいか?」

「えー、せっかく似合ってんのに…。」

「いや…もったいないだろ…。」

「まぁそれ割とかっちりしてるから苦しいか。いいよ寫真撮れたし。」

できればこの場でメイクもしてみたかったが仕方ない。あ、髪もちょっとオカルト系に…。

「絶対悪いこと考えてんだよな…。人が変わるヘアメイクはやめろよ。」

「えっ、なんで分かったんだ。」

「だから顔に出てる。イタズラする時の顔。」

「ほんとやだなぁ。」

デジャブ極まりない。なんで?

「はーい、撮りますよー。」

「お願いします…。」

さすがに沖縄には行けなかった。一応言ってみたんだが即刻卻下だったね。俺もわりと危ないし。結局普通そんなセットで撮ることになった。まぁその分七海にもっともっと綺麗になってもらった。おかげでいつもの撮影より張してる。

「現場ってこんなじなんだね!」

れるとは思ってなかったなー。」

それから今日は加春瀬もいる。いやなんでだ?いいって言ったっけ。

「俺いつ許可した?」

「昨日の朝起きてすぐ。」

「うわ、せこい…。」

寢ぼけてんの狙ったか…まじで記憶にない。

「それにしても…七海、似合いすぎて。」

「だろ?この後もうし奇抜になってもらって…。」

「どんくらい?」

「えーと…R18?さっきの打ち合わせだと。」

「え、本人まだ17だけど、いいのか?」

「建前は俺と同じだから問題ない。イメージの話だし。」

「そ、そういうもんか?」

「大丈夫、七海だから。」

理由としてり立っていないがいいだろう。

これはファンが尊死するな。すでに隣のゴリラは見れてない。

「同級生なのに…神様酷い…。」

「信じもしてねぇ神様のせいにするな。」

「俺一応仏教!」

「自分で仏って言ってるわ。」

「えっ違うのか?」

「もういいわ。俺別の撮影行ってくる。すぐ戻るから。」

本當は、俺も七海の撮影鑑賞したかった。恨むぞマネージャー…!

仕事が片付いたのは夜だった。2人には帰っていいって言ったが聞かなかった。いや普通に聞いてくれ…。もう9時だ。

「七海…!まじでやべぇ!あんな服も著るんだな!」

「びっくりしたよ…。心臓飛び出るかと思っちゃった。」

「うるさいな、仕方ないだろ。」

「ん?どの服?」

「3つ目4つ目。」

どれだー?んー…。あ。あぁぁぁ理解理解。

「あれほとんど大判のタオルで覆ってるだけだったな。恥ず…。」

「いいよサマになれば。ちなみに俺は水著だったからあそこまで過激じゃなかったな。」

「あれ考えたの誰だよ。」

「え?ファンに決まってんじゃん。SNSで聞いたらああなった。」

「どこに需要があんのかと思ったら…。それなら仕方ない…。」

「発売が楽しみだな!」

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