《りんご》報告

朝のSHRの途中にり込んだ私は、遅刻の印鑑を貰った生徒手帳を擔任に預けた。いつも模範生徒を努めているからか、それほど厳重には叱られなかったのが不幸中の幸いというところだろうか。席に著いた途端、周りの景が砂の山に変わった。炎が立つほどの暑さの中、干からびたラクダのような何かと、あれはきっと、人が、倒れて。

気持ち悪くなって我に返る。1時限目の號令がかけられているところだった。慌てて立ち上がり、今見た景を記憶から抹消しつつ、私は頭を下げた。

「それは、ナルコレプシーの可能があるのではないですか?」

先輩は卵焼きを咀嚼しながら興味深そうにこちらを見る。晝食は彼が一人寂しく食べていると知ってから仕方なく付き合ってあげているが、正直年上だらけの教室に1人後輩の私がいるのは居心地が悪い。この先輩絶対許さない。

「ナルコレプシーってなんですか?」

何かの小説に出てきていた。病名だった気がする

「睡眠障害で、別名『居眠り病』と言います。いつ、どこででも、強い眠気に襲われる発作的病気です。可能はあると思いますが、力して倒れているわけではないので、線は薄いかと。」

格好つけるように眼鏡を上げると、今度は白米を口に運ぶ。ご飯粒が頬についているのに気がついていないようだ。この人は相変わらず子供のような人だな。全く格好がつかない。

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