《りんご》欠如

目が覚めるとビルの屋上にいた。足元にはゴマ粒のような人間が、背後にはこちらに向かって何かをんでいると警らしき人がいた。ああ、これはつまり自殺しようとしているんだな。見覚えのある高い電波塔が見える。ここは東京だろうか。突然、ゴマ粒の人間が形を作っていく。ビルが上昇し始めた。いや違う、これは。

激しい揺れに驚き、私は我に返った。目の前には、不安そうな顔をした同じクラスの子生徒がいた。肩を揺さぶられていたらしい。

「大丈夫?瞬きもしないで一點見つめてたけど。」

私は、未だにきちんとコントロールしきれないこの現象に參ってきていた。さっきの人、絶対落ちたよな。ニュースとかでやるだろうか。

...

そういえば、落ちる途中に見えたお店とか、この近くにある街並みに似ていた。學校が終わったら見に行ってみよう。野次馬なんかじゃない。これは力を証明するためだ。

お晝ご飯は1人で食べている。放課後は部活に行っていない。良い読書場所がなくなってしまったのは悲しいが、あの先輩と顔を合わせられなかった。りんごの話が間違っていたこと馬鹿にしてもいいのか、怒って出ていったこと謝ればいいのか、先輩は私に呆れてしまっただろうか。會って何を話したらいいか、まったくわからなかった。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください