《りんご》欠如
目が覚めるとビルの屋上にいた。足元にはゴマ粒のような人間が、背後にはこちらに向かって何かをんでいると警らしき人がいた。ああ、これはつまり自殺しようとしているんだな。見覚えのある高い電波塔が見える。ここは東京だろうか。突然、ゴマ粒の人間が形を作っていく。ビルが上昇し始めた。いや違う、これは。
激しい揺れに驚き、私は我に返った。目の前には、不安そうな顔をした同じクラスの子生徒がいた。肩を揺さぶられていたらしい。
「大丈夫?瞬きもしないで一點見つめてたけど。」
私は、未だにきちんとコントロールしきれないこの現象に參ってきていた。さっきの人、絶対落ちたよな。ニュースとかでやるだろうか。
...
そういえば、落ちる途中に見えたお店とか、この近くにある街並みに似ていた。學校が終わったら見に行ってみよう。野次馬なんかじゃない。これは力を証明するためだ。
お晝ご飯は1人で食べている。放課後は部活に行っていない。良い読書場所がなくなってしまったのは悲しいが、あの先輩と顔を合わせられなかった。りんごの話が間違っていたこと馬鹿にしてもいいのか、怒って出ていったこと謝ればいいのか、先輩は私に呆れてしまっただろうか。會って何を話したらいいか、まったくわからなかった。
【洞窟王】からはじめる楽園ライフ~萬能の採掘スキルで最強に!?~
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