慶稜けいりょう學園、本校舎１階の廊下を１人、歩いている。

既にはすっかり落ちて窓の外は暗く、遠くに見える學生寮の明かりだけが目立っていた。

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部室を出た時、時刻は２１時３０分だったのを覚えている。

従來の人事部の最終活終了時間はちょうど２１時半（寮生じゃない部員は２０時）と定められているので、実際この時間はオレ、つまり人事部副部長にしてみれば定時のようなものなのだが、今日はどうにも疲れていた。

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目的の空き教室につき、スライド式のドアをガラリと開ける。カギはかかっていない。というかこの教室にカギがかかっている事自まずもって見たことがない。

機やイスが教室の後ろの方でまとめられているので、全的に寂しい様な雰囲気の教室にり、まっすぐ教室の隅に向かう。

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真っ暗な教室を勝手知ったる顔で歩むと掃除用れの前で立ち止まり、トビラを開けた。

掃除用れの中は空っぽで、何の変哲もない長方形のハコだった。ただ一つ、部の側面、って右脇のところに、ドクロマークのボタンがある以外は。

一見すると自ボタンを想起させる趣味の悪いデザインのボタンだが、正味オレくらいしか使わないので別に誰に憚はばかる事もない。

オレは黙したまま、掃除用れにり、ドアをパタリと閉めた。

いつものルーティンとして、というか手段として、オレはためらいなくドクロマークに圧をかける。

リンゴーン、とデザインとは似つかない高級マンションのインターフォンの様な上品な音を立てて、果たして掃除用れの床は抜けた。

が上へと引っ張られていく不思議な覚はエレベーターで下の階に行くのと同種のもの。なんなら、そのものだった。

オレは階下に降りていき、ピタリと止まるとベルがチンとなって、眼前のドアのスリットからがれた。

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ガチャリ、とドアを開けてまばゆいに目を細め、真正面のと目があった。

「ずいぶんと遅いお帰りだね。キミを待っている間にボクは何回ご飯を溫め直したか。キミもレンジにって食べの気持ちを味わってみるべきじゃないかな？」

眼前のは開口一番、皮げにオレを迎えた。

白銀の髪を腰までばし、オレを咎める様な目はルビーで大きく、どこか據わっている。

格好は年頃の子にしてはいささか大膽で、上下揃いのスポーツブラしかにつけていない。

「すまん、花野ヶ丘けのひかりがおか。人間はレンジでチンされるとただじゃ済まなくなるから勘弁してくれ」

「まったく、こんな時間まで夕食をお預けされるボクのにもなってしいね。夜９時以降に食べると太るらしいんだぜ？」

ケノヒカリガオカはけるように白いをどこか抱くようにしてを尖らせた。ルビーの瞳はオレに謝罪とお詫びを要求している。

「悪かったよ。今日は々あってバッチリ最後まで部活をやらなきゃいけなかったんだ。著替えてくるから、ちょっと待っててくれ」

そう言ってオレはケノヒカリガオカの橫を通り過ぎて自分の部屋に向かった。