《日々》第12話 優勝者
決勝戦【ヒデトvsヒロキ】
9:9の最終局面
「ハァハァ……」
(次の一本はデカイ! 必ず決めるぞ)
「一本集中ゥ!! 」
『ドンっ!』
(この最終局面だと大みんなロングサーブを出す。俺も同じくロングサーブだ!!)
『スタッ…… ッスン  カンッ』
(さらにスピードが乗って返ってきた!
では、回転もれてやる!)
『グイーン!』
「おお!!」
予言通りヒデトの3球目はまるで丸くしかれたレールの上を回るようにヒロキに返っていった!
「フンっ……」
『カコンッ』
「なっ……!」
ヒロキが返した球は臺のエッジ部分に當たり弾き飛んだ。
「マジかよ……」
  【9:10】ヒロキマッチポイント
(追い込まれた!クソ!! 落ち著け!! まだいける! 普段通りいけば……)
「ねばるぞ!!!!」
『スッ……カコンッ』
『カンッ』
(よし!!)
ヒデトが出した上回転サーブでヒロキの守りを崩し、球が上へと上がった!
「んはぁ!!」
『ガン!!』
『カンッ』
『ガン!!!』
『カンッ』
「激しいラリーだ!! いいぞー!」
(このまま叩いてても俺はパワーがない!
技量で勝負するしかないんだ! 手前に落とそう。)
『スッ……』
(よしうまくいった!)
「おお!」
「くっ!」
「何ィィ!」
「ヒロキがすごい回転をかけたぞ!」
(マズイ!)
『コッ』
第2セット 【ヒデトvsヒロキ   9:11】
決勝戦【ヒデトvsヒロキ  0:2】
(やってしまった。)
ヒデトは自分のラケットにしった。
だが再び相手のコートにボールが戻ることはなかった。
球をずっと見ていた。
(クソう!)
「ありがとうごさいっ」
『バシッ』
???
「違うよ」
・・・
「え?」
ヒデトはあいさつをしようとしたが「違うよ」と言われた一どういうことなのか。
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