《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第四話 特定
アカウントに問題はなさそうだ。
普段使っているスマホも確認したが、アップデートが溜まっている事や、使わないアプリが大量にっていたことや、使っていないアプリの通知を切っていなかった事などの指摘箇所は有ったが、大きな問題はなかった。
パソコンに関しても盜聴されているような事はなさそうだ。
ソーシャルストーキングは、Twitter で行われているという事だったので、Twitter を監視する事になった。
全員からのDMを拒否すればいいのだが、一度そうしたところ、TLにコメントが屆いたり、友達(だと思っている人)のところにDMやコメントが書き込まれた事が有るために、フォロー外からのDMもけ取るように設定しているらしい。
その後、監視用のアプリを認証してもらって、その日の作業は終了した。
--- 翌日
春日晴信名義で、手付金が金された。
末締めの翌末で問題なかったのが、早めの処理をしてくれたようだ。
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昨日までの作業の報告をまとめて、提出しておく。
あとは、日々の監視になる。
DMもひっきりなしというわけではないが、かなりの數が到著する。
フォロー外からのメッセージの6割が、卑猥な文章を含んだ、DMになっている。1割が、よく読めばわかる、詐欺や出會い系へのおいDMだ。こんなに引っかかる人が居るのかというような容だが、引っかかるのだろうな。
1割が、広告DMにだろうと思われるで、効果が不明なダイエット食品やサプリメントの販売や、クーポンを裝った容整形への導。Amazon や ヨドバシ や 楽天の名前を騙った、詐欺とまでは言わないが、商品販売サイトへの導。
1割が、日本語圏以外ならのDMになっているようだ。これも、URLが張ってあるので、何かしらのサイトに導するためのなのだろう。
3日目にして、やっと該當のDMが來た。
”RAN_fragranceちゃん。今日は大學に行ったようだね。勉強頑張っているね。今度、大學近くに行くから、ご飯一緒に食べようね”
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”RAN_fragrance”が、春日蘭香のアカウントだが、スクリーン名で呼んでくる辺り気持ち悪い。
DMを送ってきた、アカウントを見に行くと、DMを送るためだけに作られたアカウントの様だ。フォローもフォロワーも0の狀態だし、投稿はおろか、いいねもしていない。APIで確認してみても、數日前に作ったアカウントの様だ。
春日蘭香と晴信に確認してみたのだが、ストーキングをしているのが複數だと判斷した理由は、複數のアカウントからメッセージが屆いたかららしい。それでは、複數の人間が関わっていたとは考えにくい。
同じアカウントから、連続でDMが屆く。
蘭香に確認したら、一度屆き始めると、何か投稿するたびに、DMが屆くようになるという事だ。
晝間はまだいいらしいのだが、夜になると、部屋の電気を消したタイミングで、”おやすみ”と來たりするらしい。タイミングが合っていない時も有るらしのだが、そんな事とは関係なく、恐怖心を植え付けられるDMなのだろう。タイミングを考えた事はあまりないのだと話していた。
たしかに、蘭香がTwitterに投稿するたびに、DMが屆くようだ。
フォロワーの調査も合わせて行われている。
蘭香自が、認識できているアカウントでリアルな素がわかる。アカウントに関しては、DMを投げてもらっている。やり方がわからないと文句を言ってくる人も居るが、會長や副會長も手伝って、アカウントの確認をしてもらっている。いまだ、問題がある人は見つかっていない。
リアルで素が解っていても、(蘭香/會長/副會長)が確認していないアカウントは、マークを外さないようにしている。
アカウントのアリバイ確認を行う。
簡単ではないが難しい事でもない。DMが來た時間に、DMが送られない狀況になっている。なっていたアカウントの疑いレベルを下げる事にしている。
今回のパターンでは、蘭香の投稿を見て、すぐにDMが來る事から、タイマーを使った送信は考えにくい。踏み臺を使っての送信も考えられるが、容にあったDMが屆く事から、ストーカは、容を読んで、DMを書いていると判斷している。
これらの調査を行って、約1,500のアカウントから、約7割が疑いが小さなアカウントとなった。
殘り、400あまりのアカウントの中から、SPAMを送ってくるアカウントをブロックして様子を見る。新しく、フォロー申請が來ても、許可しないようにお願いしている。
そうやら、SPAMアカウントの中には、ストーキングしてくるヤツが使っているアカウントはなさそうだ。
ブロックを実行してからも、DMが送信されてくる。
「なぁキミ。なんで、最初からブロックしなかったのだね?」
「そうですね。手口の特定は、ほぼできているのですが、相手の特定を行うときに、ブロックを先にやってしまうと、調べられているに気がついて、ストーキングを辭めてしまったのか、それとも対象をブロックしたのか判斷できなくなってしまうのが一つですね」
「ふーん。まだ何か有るのだね」
「えぇそうですね。Twitter の仕様的に、ブロックは、アカウントとの関係を切って、復活する事ができません。ですので、やる時には一度だけですので、タイミングをはかる必要が有るのです」
「それはわかるが、最初にやらない理由にはならないよな?」
「えぇそうですね。最初にやらなかった一番大きな理由はSPAMアカウントの特定のために時間が必要だけだっただけですね」
「・・・そんな理由だったのだね」
「えぇそうですよ。生きているアカウントでも、SPAMを踏みまくれば、SPAM用のアカウントにされてしまいますからね。それを排除しないと、また同じ繰り返しになってしまいますからね」
「え?」
「あぁ”お嬢”の友達に、何人か、SPAMを踏んでいた人がいましたよね?」
「そうだな。僕も気になって、知り合いを調べたら、何人か踏んでいたな」
「そうなると、その人達が取る方法は、3パターンに分かれます」
「そうだな。アカウントを新しく作るか、SPAMを消すか、放置するか」
「そうです。それで、放置されているのなら、ブロックしたりすれば済みます。SPAMを消してくれていれば問題にはなりません。問題は、アカウントを新しく作る場合ですが、ほとんどの場合”ログアウト”というだけで、アカウントを殘して、新しくします。これでは、SPAMは殘され続けます。自分がSPAMを踏んだのに、対処をフォローしている人にもとめています。”なぜ”関係ない投稿がされるようになったのか?”なぜ”SPAMが流れるのか?”なぜ”を理解しないまま放置するのです。放置が一番愚策なのにです」
「そうか、キミが時々機嫌が悪くなっていたのは、蘭香くんに対してではなく、そういう放置されたアカウントに対してだったのだね」
「別に機嫌が悪くはなっていませんが、愚かだなとは思っていましたね」
今回の案件は徐々に終焉に向っている。
手口に関しては、最初に考えていたよりも稚な方法だ。アカウントのフォローを許可させて、投稿を確認して、DMを送る。ただそれだけの様だ。他のSNSにはメッセージが屆いていない事から、Twitter だけのストーキングと考えていいだろう。そのためにも、しっかり特定して、一撃で沈めないと、他のSNSに波及するかも知れない。春日晴信や蘭香は複數だと思っているようだが、けっこうの確度で、一人だろう。複數ではないと思われる。
それにしても・・・。
「ユウキ。聞きたい事が有るけどいいか?」
「ん?なに?」
ユウキは、篠崎家のリビングで、俺が作ったフレンチトーストを頬張っている。これは、いつもの事だから、それほど問題ではない。
しかし、その橫に、なんで、會長と副會長が、當然の様な顔して座って、”朝飯”を食べているのかがわからない。
「なんで、先輩たちがここで朝食を當たり前のような雰囲気で食べている」
「え?タクミに用事があるって連絡が來て、それなら朝食でもどうですか?ってったからだよ」
意味がわからない。わからないが、ユウキだからしょうがない。桜さんの話しでは、和さんのが濃いのだろうと話していた。
それなら、自稱常識人の會長や副會長が斷ってくれればいい。
「先輩方、大學はいいのですか?」
「心配してくれるのかい?」
「いえ、心配ではなくて、単純な疑問として、なぜここに會長と副會長が居るのかと、當然の様な顔をして、俺に朝食を作らせているのか?という事です。それに、俺も學校に行く時間なのですけど?あぁもっとわかりやすくいいましょうか?」
「いや、いい。それは、それ、邪魔だとは思ったけど、進捗が気になったのだよ。な、優!」
「梓」
「はぁまぁいいですよ。どうせ、誰かから頼まれたのですよね?誰ですか?電子科や報処理や電気科の教諭は、説得脅ししているので、違うところからですか?」
「なぜ?」「梓。だから言ったでしょ?ユウキを先に登用してからじゃないと無理だって、二人一緒は無理だよ」
この口ぶりからだと、育教諭か、一般教諭からの勧だろう。
「生徒會ですか?部活連ですか?生徒総會ですか?」
「タクミ。そんなに勧されているの?」
「そういうユウキは?」
「僕は、部活連と生徒総會だけだよ。両方共斷ったよ」
「ユウキ?僕たちが、頼まれたのは、ユウキとタクミを、生徒総會にるように言ってくれって事だったよ。ユウキの斷り文句が」
「え?」「ん?」
副會長が楽しそうな笑顔になって、
「”タクミがらないのなら、らない”だったらしいからな」
「ユウキ・・・お前・・・」「だって、先生。何度も何度も、面倒になって、それにタクミなら絶対にそんな事やらないと思ったから・・・」
「ユウキ・・・なんて事を・・・」「え?」
頭を抱えたくなる。
副會長がニヤニヤしているのが、すべてを語っている。
「さて、タクミくん。キミの答えを聞きたい」
「わかりました。生徒総會ですか?」
「あぁそうだ。教頭からは、キミだけでいいという事だけどどうする?」
「そうですね。ユウキ。どうする?」
「え?タクミ。生徒総會にるの?」
「しょうがないだろう。副會長。うまくやりましたね」
「キミとの付き合いも長くなってきているからな」
「タクミがるのなら、僕もるよ?タクミ一人じゃ大変でしょ?」
「そうだな。おい。梓。優。笑いすぎだ!」
「タクミくん。一応、私たちは先輩だよ」「そうだぞ、優を呼び捨てにしていいのは、僕だけだ」
「うるさい。お前たちなんて、呼び捨てで十分だ!」
「タクミ。どうしたの?」
はぁ面倒な事にならなければ・・・。無理だろうな。
朝食後に、デザートまでしっかり平らげた、副會長の車で學校まで送ってもらう事になった。
ユウキが、寢間著代わりにしているスエットから、制服に著替えるのに、中二階に戻るところを見て、何か言いたさそうにしていたが、スルーさせてもらう。パタパタとスリッパの音を響かせて、ユウキがリビングに戻ってきたので、學校に行く事になった。
副會長が運転を擔當して、助手席に會長が座っている。定位置なのだろう。
「そういえば、タクミくん。蘭香の件はどうなの?」
「え?あぁほぼ特定はできていますよ。今は、罠にかかるのを待っているところですよ」
「そうそれならいいのだけど、1週間なにもなかったって、蘭香がうるさいのよね」
「そうですか?狀況は、晴信に連絡しているのですけどね」
「え?あっそう・・・梓聞いている?」
「なんにも、でも、キミが張った罠には興味があるな。特定って相手のだろう?」
「えぇそうですよ」
ユウキにも、狀況は説明している。ユウキも、和さんが來ているというのが噓なのはすぐに気がついていて、あの日帰って來て、問い詰められた。蘭香の態度に関しての話はしないで、ソーシャルストーキングだという事を説明して、未來さんの判斷で、ユウキを呼ばなかったと説明して、納得させている。
そのかわり、この件が片付いたら、買いに付き合う事になった。夏が出始めるから、夏の服がしいそうだ。
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