《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第二話 依頼
先輩たちの車が、駐車場から出るところまで見送った。
「そうだ!タクミ。部活の子から、なんか変なメールが來て困っているって言われたけど」
「変なメール?ストーカー的な奴?」
ユウキの荷と自分の荷を持ちながら、校舎に急いだ。
俺とユウキの校舎が違うので、まずは近いユウキの校舎に向かう。
「うーん。なんか、いろいろ言っていた」
話をあまり聞いていなかったのだな
「わかった、食堂でよければ、晝に話を聞くよ」
「了解!それじゃ、お晝にね!」
「はい。はい。食堂でな」
今日の授業は実習がメインになっている。
パソコン関連の授業は正直退屈だけど、新たな発見が有ったりするので、手を抜けない。やっている事は、俺がオヤジから叩き込まれた事とは違う。言語の書き方とかがメインになってくる。こんな事をして、プログラムができた気になっていたら、実踐になったら役に立たないのは間違いない。ネットワーク関連は、間違っているとは言わないけど、時代遅れがある。それに、プロトコルを無視して話をしたり、パケット単位の話をしていない。
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今後の生徒総會の活で使うスクリプトを書いていると授業が終わってしまった。
お晝は、食堂で食べるか、お弁當を食べるかに分かれる。一部の生徒は、許可をもらって、外に食べに行く事ができる。
俺は、晝を自分で作って適當な場所で食べる。最近、多いのは生徒総會の部屋だ。せ・っ・か・く・、使える部屋だから、使わなければ損だ。
今日は、食堂に行く。朝、ユウキの荷の中にれ忘れた、ユウキの弁當も一緒に持っていく。俺の弁當よりも、ご飯の量は1.5倍。おかずの量は2~3品多い弁當だ。このくらいにしないと、夕飯まで持たないと言われて、晝休みに、売店でパンやお菓子を買わされる。多分、ユウキが”モテナイ”のは、見た目が問題ではなく、この食事量だと思う。部活をやっている男子高校生と同じかそれ以上に食べるのだ。子供の頃・・・正確には、赤ちゃんの頃から一緒に居るので、そう言われてもわからないが、ユウキは世間一般からいうと、可い部類なのだと、未來さんも言っていた。俺としては、未來さんのような人が可くて綺麗なだと思うのだが・・・。
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食堂は、7割くらいの席が埋まっている狀態だ。この食堂は、普通に先生も使う上に、値段が先生の懐合に合わせてあるので、俺が知っている他の學校と比べても、し高めになっている。そのために、生徒の利用はないのだ。ユウキを探す。工業高校では、子は目立つ。食堂の一角に、作業服の上を著た子の集団を見つけた。子は、人數がないので、科や學年が違っても、集団になっている事が多い。それに、ユウキは、前生徒會長と副會長と懇意にしていたので、子の中心の様な狀態になっている。そこに居るかと思ったが、ざぁっと見回しても居なかった。顔見知りの子と目があった。指で、反対方向を指さされた。その方向を目で追ってみると、ユウキと知らない子が二人座って居た。手を上げて、禮を示してから、ユウキが居るテーブルに向った。
ユウキも俺に気がついて、手招きしている。
ユウキに弁當を渡して、二人の子の正面に座る。バッチから、二人とも一年生の様だ。インテリと工業化學か・・・珍しいな、雙子なのか?
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「エリです」「マリです」
「篠崎です。親しい人は、タクミと呼びますので、タクミと呼んでください。お話の前に、晝ごはん食べちゃいましょう。時間がかかるお話なら、場所を変えてもいいですからね」
「はい」「はい」
見事に息が合っている。
ユウキは、すでに弁當を開けて食べ始めている。お前が連れてきたのだから、お前が紹介しないと話が進まないだろう・・・とは、思ったがしょうがない。やはり、ユウキはユウキだな。
10分くらいで晝ごはんは食べ終わった。
「あっタクミ。エリちゃんとマリちゃんが、高校生になって、スマホ買ってもらったらしいのだけど、メールが沢山來て、それだけで、パケットを使い果たしちゃって困っているらしいのだけど、なにか方法はない?」
「いきなりだな・・・えぇと、エリさんとマリさん。二人ともなの?」
二人は、うなずいた。
「スマホは?」
「これ」「これ」
Sony製の一個前のやつだな。
「キャリアは?」
二人して、クビを傾げる。
「えぇと。ドコモとか、auとか、ソフトバンクとか」
「知らない」「パパが買ってきてくれた」
「見ていい?」
頷いて、二人がスマホを渡してくる。
「あっロックを外してね」
慌てて、ロックを外してから、渡してくれた。
Android だと、キャリアが、インジケータのところに出る機種もあるが、出ない場合もある。二人の機種は出ない機種だ。
設定→端末報→端末報→端末の狀態→SIMのステータスと開く。
ネットワークのところに、キャリアが表示される。
ほぉ・・・フリーSIMを使っているようだ。簡単に、他の設定を眺めるが、制限はかけられていないようだ。
「ありがとう」
二人に端末をかえす。
持ってきたタブレットに、キャリアをメモしておく、後機種名も合わせて書いておく。
「それで、パケットが無くなってしまうって聞いたけど、WIFIは使っていないの?」
「お家では、WIFIを使っています」「マリは、學校でも、WIFIを使っているよ!」
WIFIを使っていて、それでもパケットが足りなくなるほどのメール?
何かがおかしいじがする。
「契約の容量は?」
「2G」「2G」
うーん。それだけあれば、メールだけなら問題ないと思う。
1萬通とかなら別だけど・・・
「なぁ。メール以外に、畫を見たり、TVを見たり、ゲームをしたり、SNSで畫や畫像をアップしたりしていない?」
フルフルと否定の意思を示した。
「パパがダメって言っている」「ママがダメ。畫や畫像は、パソコンでやりなさいって言っている」
「そうか・・・二人とも、放課後時間あるか?」
これも、二人は否定する。
「あっタクミ。二人とも、僕と一緒だよ」
「そうか・・・1時間くらい遅くなってもいいか?」
今度は、二人はうなずいた。問題無いようだ。
「ユウキ。悪いけど、生徒総會の部屋・・・じゃ機材がないか、冷蔵庫に連れてきてもらっていいか?使用許可は取っておく」
「わかった」
「生徒総會?」「冷蔵庫?」
二人の疑問には、ユウキに答えてもらう事にしよう。
俺は、ユウキが食べ終わった弁當箱を回収して、電子科の先生のところに向かう事にした。二人には、放課後に詳しく調べてみるとだけ伝えた。
午後の授業は、育と一般教養の選択授業だ。
一般教養として、數學と英語と國語がある。理と科學は、工業過程だ。したがって、選択は、地理/歴史か、験英語か、古典となる。験英語には興味がないので、地理/歴史を選択している。ただ、教師の趣味なのかわからないが、ほぼ”歴史”の授業となっている。桜さんにも、オヤジにも言われている事だが、歴史から學ばない者は”愚か”だと・・・。
育は、基本的に自由になる事が多い。今日は、くじ引きで決まったサッカーを行う事になっている。
適當に流しながらサッカーを楽しんでから、眠い頭で歴史の授業をけた。
生徒総會の部屋は、最近では俺の専有部屋となっている。
生徒総會自が、俺とユウキと先輩が一人居るだけだ。先輩も、験とか言ってほとんど出てこない。生徒総會の役目は、”便利屋”になっている。教諭たちからの依頼も多い。生徒會が、獨立獨歩の気風が強いために、教師と対立する事が多かった時代に作られた調整役が、生徒総會だ。生徒の代表は、生徒會が行う。生徒総會は、生徒會と違って、教師の下に付く組織で、教師や學校側からの意見を生徒會に伝える役目になっている。もともとは、各科の代表と部活の代表が集まって、生徒會に意見する組織だったのだが、生徒會の力が弱くなると共に、生徒総會の形だけが殘される狀態になった。
そして、現狀の生徒総會は、生徒から問題提起や改善要求をけ付ける窓口のようになっている。
1學年600人近い生徒が居る學校だ。いろんな意見がある。それを、生徒會案件なのか、教師案件なのか、學校案件なのかを振り分けるのが、生徒総會だ。生徒総會で、振り分けを行って良い事になっているので、卻下する事もできる。
現狀では、個人の利益につながる事は卻下するというルールを作っている。罰則は無いものの、さらし者にすると宣言してから、個人的な要は激減した。一部では、俺が”生徒総會を私化している”と言われているようだったが、”それなら変わってやる”と言ったら、その聲も小さくなっていった。
そんな生徒総會の部屋だが、ネットワーク回線が來ていなかった。
流石に工事をお願いするには予算が掛かってしまう。そのために、この部屋には機材は持ち込んでいない。先日発売になったOS會社が出している”2 in 1”のパソコンを學校には持ってきているが、これだけで調べられるかしだけ不安がある。最悪は、家に連れて行かなければならないかも知れない。
そうならないいことを祈ろう。
”冷蔵庫=サーバ室”の使用許可は、取り付けてある。換條件で、サーバのパッチ當てを頼まれてしまった。
パッチも、OSに寄って違うが、學校のサーバルームには、Windows Server 系が2臺。Linux 系が2臺。誰の趣味なのかわからないが、TRONと、どっかの企業が置いていったAS400が置かれている。TRONとAS400は俺では太刀打ちできない。コンソールやGUIを使っての作はできるが、それだけでOS周りの調整やパッチあてには自信がない。他の、4臺のパッチ當てを行う。4臺とも、學校の外からはアクセス出來ないようになっているので、そこまで神経質になる必要はないとは言われているが、文章サーバになっていたり、學校で使う掲示板がいていたりする。いずれ、この辺りの修正も必要になってきそうだが、”ひと仕事”なるのは解っているので、提案はしていない。卒業近くなったら、提案して卒業後に仕事としてけたい。
冷蔵庫で、ユウキたちを待っていると、先輩からメッセが屆いた。
夏休みの話だ。俺とユウキの好き嫌いを聞いてきた。なぜ、俺にユウキの分まで聞いてきたのかわからないが、分かる範囲で答えておいた。基本的に、俺が食べられないのは、オヤジから引き継いだで”エビ”と”魚卵系”と”生卵”だ。ユウキは、トマトがダメで、きゅうりと瓜系がダメ。あとは、ハンバーガーチェーンのピクルス以外のピクルスもダメだと伝えておいた。後は、食べられない事は無いけど、好まないも伝えておいた。ユウキが、野菜が嫌いだがあれば食べるというじだ。好きなも一緒に伝えておいた。ユウキが、エビが好きだから、エビが味しい店でもOKだと伝えた。すぐに折り返しが來て、俺がエビが食べられないが大丈夫かと來たので、エビ以外で食べられそうなを探すから大丈夫と答えておいた。
そんなやり取りをしていたら、ユウキが後輩を連れて來た。
二人は、冷蔵庫サーバ室にるのははじめての様だ。ファンの音がうるさいのは、AS400のせいだ。パソコン系のサーバは靜音設計になっているが多いが、AS400なんて一般家庭にあるでもないし、一般的な企業が持っている様なでもない。
「ファンの音がうるさいと思うけど我慢してくれ」
二人はうなずく
「ねぇタクミ。橫の部屋でもいいよね?」
「クライアントルーム?」
「そうそう、そのクライアントルームでも同じだよね?」
「あぁそうだな」
これはうかつだった。
確かに、ネットワークを使うのなら、クライアントルームでも同じだ。
外部につながる回線がっているから、クライアントルームの方がいいかも知れない。ルータが冷蔵庫サーバ室にあるので、冷蔵庫サーバ室で話をしたほうがよいと思いこんでいた。
ユウキと雙子を連れて、クライアントルームに移した。
ここは、パソコンの授業を行う部屋ではなく、教諭たちが使うパソコンが並んでいる。個人持ち込みや科で使うパソコンではなく、サーバへのアクセスを中心に行うだ。そのため、古い機種の博覧會になっている。オヤジが一度來た時には、テンションが上がっていたので、貴重な端末もあるのだろう。
適當に座ってもらって、俺の持ってきた端末をネットワークにつなげる。
これで準備が完了した。
さて、何が出てくるのか楽しみだな!
人類最後の発明品は超知能AGIでした
「世界最初の超知能マシンが、人類最後の発明品になるだろう。ただしそのマシンは従順で、自らの制御方法を我々に教えてくれるものでなければならない」アーヴィング・J・グッド(1965年) 日本有數のとある大企業に、人工知能(AI)システムを開発する研究所があった。 ここの研究員たちには、ある重要な任務が課せられていた。 それは「人類を凌駕する汎用人工知能(AGI)を作る」こと。 進化したAIは人類にとって救世主となるのか、破壊神となるのか。 その答えは、まだ誰にもわからない。 ※本作品はアイザック・アシモフによる「ロボット工學ハンドブック」第56版『われはロボット(I, Robot )』內の、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則「ロボット工學三原則」を引用しています。 ※『暗殺一家のギフテッド』スピンオフ作品です。単體でも読めますが、ラストが物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 本作品のあとの世界を描いたものが本編です。ローファンタジージャンルで、SFに加え、魔法世界が出てきます。 ※この作品は、ノベプラにもほとんど同じ內容で投稿しています。
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