《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》幕間 両親たち

/*** 父親 Side 時期:タクミ・ユウキ 中學生 ***/

「おい。克己。これはどういう事だ?」

「あぁ知らねえよ。桜。お前の所の、ユウキが來て、俺の家のソファーで寢ているだけだろう?」

「だから、なんで、お前の所のソファーで寢ている?タクミは?」

「タクミ?おい。沙菜。タクミは?」

妻に呼びかける。簡潔な答えが帰ってくる。

「知らないわよ。どうせ、作業部屋でしょ?」

し見てくる」

克己は、二階に上がって、作業部屋の前まで來た。

自分の作業部屋として使っていた部屋だが、手狹になった事もあり、両家のネットワーク監視や報用のサーバーを殘して、會社の方に移させた。殘ったのは、趣味で使うばかりだったのだが、タクミはこの部屋にって、プログラムを作ったり、ネットワークのことを勉強したりしていた。克己は、それが嬉しくなり、自分が持っている知識をタクミに植え付けていった。そのために、言語的には、6つのプログラム言語を使う事ができる。

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しっかりとした、フローチャートも書くことができる。UMLも覚えさせている。しかし、フローチャートの方に力をれている。NOMA方式や日能式や産能大式は、株式公開のときなどに、必要とする場面が、”まだ”多く、プログラムと関係なく必要になる事があるためだ。

思考の整理を行うために必要になるので、記述は”自分で見てわかる”である必要があるが、自由だと教えている。克己は、自分の子供が、大企業や大規模プロジェクトに攜わるような事はないだろうと思っている。能力的な意味ではなく、格的な意味でだ。

作業部屋の仮眠ベッドでは、タクミが用に寢ていた。

「桜。タクミはこっちに居るぞ」

「そうか・・・お前といい、真一といい、なんで、SEは、こんな用な寢方をするのだ?」

作業部屋を覗き込んで、仮眠ベッドの上ではなく、椅子に足を乗せながら、仮眠ベッドに頭だけ乗せて、の部分は床に落とした狀態で寢ているタクミを見て、呟いた。

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「桜。なんども言うけど、俺と真一は、プログラマであって、システムエンジニアではない」

「はい。はい。そうだな。それよりも、克己。起こすぞ」

「あぁ」

起こされたタクミは、両方の父親から、昨晩あったことの聴取をける事になった。

昨晩、タクミとユウキは、中學校から帰って來て、お互いの家に誰も居なかったこともあり、タクミが簡単にできるを用意して、二人で夕ご飯を食べた。その後、リビングでゲームをやって、タクミは作業部屋に戻った。ユウキは、そのままソファーで”制服をいで”寢てしまった。

それを見た、桜が克己に問いただした。

/*** 母親 Side 時期:タクミ・ユウキ 中學生 ***/

和さん。これって?」

「旦那も、克己くんも、うるさいけど、”いい”と、思うのだけどね」

「そうですよね」

和は、まず寢ていたユウキを起こす。

起こした過程で、昨晩何もなかったことを悟った。それは、沙菜も同じだ。痕跡を全部消せるのなら、いだ制服をこのままにしておくわけがない。二人の母親は、そう結論づけた。結論づけただけで、お互いに確認はしていない。

お互いが思ったのは、これは使えるという事だ。

父親たちが、タクミの尋問のために、作業部屋に移したのを確認して、ユウキから話しを聞くことにしたのだ。

「ユウキ!」

「ママ?沙菜さん?」

「ユウキ。制服をいで下著姿で何をしていたの?」

「ゲームして、暑かったからいだ。そのまま寢ちゃった。ごめんなさい」

「タクミくんの前でいだの?」

「え?そんな事しないよ!タクミが、なんか、部屋に戻るって言ったから、家に帰っても1人だったし、ここならタクミが居るから・・・ごめんなさい」

「いいわよ。でも、ユウキ」

「ユウキちゃん。うちのバカと、愚息はどうでもいいのだけど、貴なら、この狀況がどう見えるかわかるわよね?」

ユウキは、自分の格好を再度確認する。

パンツは履いているがそれだけだ、中學にはタイツを履いていっているが、それもぎ捨てている。上は、シャツを著ているが、タクミがいだTシャツだ。ブラは、外して、タイツと一緒に置いてある。制服はシワにならないようにだろうか、椅子にかけてある。

ユウキは、沙菜が言ったセリフをもう一度噛み締めて、”耳まで赤くして”うつむいた。知識としては持っている。沙菜と和から、ちょっと暴走した教育もけている。そのために、言われて、気がついた。今の格好では、タクミと行為に及んだと思われてもしょうがない。

「ママ。沙菜さん。違うよ。僕は・・・」

「解っているわよ。でも、貴がどう言おうが、この狀況を見た人がどう考えるのかは覚えておきなさい」

小さくうなずく、ユウキを、沙菜が優しく抱きしめる。

「ユウキちゃん。貴は、貴を大事にしなさい。心にめている想いがあるのなら、私たちは応援するわよ」

ユウキは、廻された腕に手を置いて

「ママ。沙菜さん。僕、タクミと一緒に居たい。タクミの事が好き・・・だと思う」

ユウキらしい真っ直ぐな言葉だ。

和と沙菜は、お互いの顔を見ながら、笑い出しそうになる気持ちを抑えるのに必死だ。

「ユウキちゃん。桜さんに似なくて良かったわね」

「そうね。でも、タクミは、克己くんに似ちゃったみたいだね」

「そうね。ダメな所だけ似てしまったようですね。和さんには苦労をかけますね」

「私はいいわよ。慣れているから、旦那もそうだったからね」

「え?なに?なに?タクミが、パパや克己さんに似ているって?ダメなの?」

「えぇそうね。一番似てほしくない所を似てしまったようですからね」

「それより、ユウキ。いつまでその格好で居るの?」

ユウキは、慌てて、制服のスカートを履いた。上は、ブラだけ付け直して、制服の上を被った、タクミのTシャツは著たままだ。

「ユウキ。気持ちがはっきりしたらいいなさい。私も、沙菜さんも協力するわよ」

「うん!」

/*** 父親 Side 時期:タクミ・ユウキ 高校生 ***/

和!」

「沙菜!」

父親二人が、母親から提出されたを睨んでいる。

そこには、二人の子供の事が書かれていた。桜と克己も、自分たちの子供がお互いを好きなのだろう事は理解している。

二人の母親はその先をいっていた。

二人が考えたのが、昔のマンガにあった子供部屋を発展させただ。

タクミが、克己と桜に”踴らされる”形で行っている作業を知っている。父親二人が、タクミに財産を殘そうとしているのも解っている。ここに居る大人4人は、親類は探せば居るだろうが、両親は既に他界している。お互いが親戚のようなだと理解している。その上で、桜と克己は、商売柄”死”をじる事が多かった、桜は、警という立場で、克己はIT関連で心やを壊した奴らを大量に見てきている。そのために、自分たちが居なくなったときに、子供二人が困らないようにしようと考えていたのだ。

母親二人は、その計畫以上に、”ユウキ”の気持ちが固まった事をけて、行に移す事にした。

両家の道路を挾んだ正面には、平屋の空き家があった。調べた所、150平米の土地に建が立っている。建の価値はなく、土地代だけの価格で売りに出されていた。そこに、タクミの作業場兼將來の住宅を建てる計畫を持ってきた。

資金は十分にある。建築に必要な人材も同級生でまかなえる。手続きは、和が行えばいい。これだけ揃えられたら、ダメだとは言えない雰囲気がある。

「わかった。沙菜。和。俺たちは何をしたらいい?」

「え?」「は?」

「え?なに?」

「あぁ何もしないで、”フリ”じゃないからね。克己くん。本當に、何もしないで、桜もだよ。私と、沙菜さんでやるからね。いいね。本當に、何もしないでいいからね」

「いい。克己さん。桜さんも、何もしないで、あなた達がくと、面倒な未來しか見えてこないのよ」

「そりゃぁ酷いと思うけどな。な、克己」

「桜。お前が今までやってきたことを考えろよ」

「俺が悪いのか?俺が?」

「二人ともいい加減にして、真一さんや、靖さんや、幸宏さんに、話を聞いた所だと、桜さんの行には、優秀な軍師が居て、面倒だといいながら、いろいろ考えて、先回りして手を打っていたそうじゃないですか?克己さん?違いますか?」

「あいつら・・・え?幸宏?安城にも會ったのか?」

「えぇ會いましたわよ。貴方のことを知りたくて、一番いいだろうと、和さんに紹介されましたわよ」

「ダメだ。桜。俺には、逃げ道はなさそうだ。全部、お前が悪い」

克己は、両手を上げて降參のポーズを取っている。

和。これ、できるのだな?」

「えぇ間違いなく、面白い事に、道路を挾んだ向こうは、別の地區で學區が違うのよ」

「ほぉそりゃぁいいな。克己。俺は賛だ」

「なっ桜。今更ずるいぞ!」

沙菜は、言い爭う、桜と克己と、それをなだめる和を羨ましそうに眺めている。

3人は、生まれた場所は違うが、期に時間を共有している。大人と言われる年齢になった時にも、大きな事件を一緒に経験している。沙菜は、その後で、克己と出會って、7年の際で結婚した。馴染を羨ましく思ってしまう。克己と出會ったときに、沙菜には自分自以外なにも持っていなかった。

「沙菜。お前もなんか言ってくれ」

「はい。はい。旦那様。でも、貴方が最悪だったって話は、いろんな人から聞いていますし、お母様にも頼まれてしまいましたからね」

「わかった。わかった。俺が悪かった。それで、沙菜。和。その、タクミに渡す家は、タクミの將來に関わるのだろう?」

「えぇそうね。タクミとユウキの未來ね」

/*** タクミ Side ***/

「ユウキ!」

「なに?」

「また、おまえそんな格好で、和さんに怒られるぞ」

「大丈夫だよ」

ユウキの格好は、高校の制服をぎ捨てて、タクミのTシャツだけを上から羽織っている。ブラも外してしまっているのだろう。

一度、タクミは、”まぁユウキじゃブラの必要は無いだろうからな”と、からかってしまった事がある。その時には、照れ隠しのだったのだが、それから、ユウキは、家にタクミだけになると、わざとブラを外している雰囲気がある。流石に、タクミの前でいだりはしないが、タクミのTシャツを奪って、上から著てから、自分のインナーをいで、ブラを外してくつろぐ格好になっている。

「ねぇタクミ」

「なんだよ」

「今日も、パパもママも帰ってこないって言っていたよ」

「そうか、俺の所もだな。和さんから、今日は夕食代を出すって言っていたぞ」

「わかった。買いに行こう!」

ユウキは、ノーブラの狀態で、タクミの腕を取る。小さいが、確かな弾力を、タクミはじている。

「はい。はい。わかった、ユウキ。買いに行くなら著替えろよ。どこに行く?」

「うーん。いつもの所でいいと思うよ」

「わかった。それじゃバイクだすな。ライダースーツを著てこいよ」

「うん!」

タクミは、裏から玄関にバイクを回す。カスタマイズを重ねているバイクだ。

実は、タクミよりも、ユウキの方が、バイクいじりがうまくて、カスタマイズはユウキが行うようになっている。

「タクミ!」

ユウキが玄関から出てくる。

「前の家、かなり建ってきたね」

「あぁそうだな。建てている所を見ていたけど、かなり大きい風呂や地下室が有ったみたいだからな」

「へぇそうなんだぁ前に、僕とタクミで書いた理想の家みたいだね」

「まさにそんなじだったな。地下室が3つあって、一つが俺の作業場になっていて、もう一つが、ユウキが好きなアニメやマンガの部屋。もうひとつはシェルターになっている。1階が大きなリビングになっているけど、応接室と客間。二階が、キッチンとリビングと風呂と小部屋が3つ。3階が俺とユウキの部屋が、それぞれ1つづつってじだったな」

「そうそう、マンガにあった両家の子ども部屋を作るならってじで書いたよね」

この家が、子供のときに、戯れに書いたと、一部を除いて同じになっている事を、二人が知るは、もうし後の事だ。

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