《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第五話 日常

「タクミ!タクミ!」

誰だよ!?煩いな。

「タクミ!」

そうか、昨日・・・。報告書を読み直して、ソファーでユウキと・・・。

なにか忘れている?

オヤジに提出・・・。

「あ!」

「いきなり起きないでよ!」

「すまん。今、何時?」

「朝の8時。タクミ。僕、お腹がすいた」

ユウキのワガママで救われた。

「悪い。すぐに準備するから待っていてくれ、オヤジに報告を送信してくる」

「わかった。早くしてよ」

ユウキをリビングに殘して、自分の部屋に戻った。

昨晩、読み込んでいると言っても、もう一度、読んでおこう。

スリープモードになっている端末を起する。書類の履歴を確認して、最新のを取得してから読み込む。

大きな問題はないと判斷して、送付する。

あとは、オヤジがなんとかするだろう。

リビングに降りると、ユウキがキッチンに立っていた。

なにか作ろうとしているわけでは、冷蔵庫を漁ってなにか食べられるを探しているのだ。

「ユウキ?」

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「タクミ。遅いよ!僕、もう限界だよ」

「はい。はい。何が食べたい?」

「簡単なでいいよ」

ユウキは、冷蔵庫を閉めて、所定の位置に座る。

手伝う気はないようだ。実際、手伝われても困るけど、手伝う素振りくらいはしてしい。

「ユウキ。手伝うとかいう・・・」

「タクミは、僕に手伝わせたいの?手伝えというのなら手伝うけど、タクミの手間が増えるだけだよ?」

ユウキの言っている容は正しい。ユウキは家事の才能が壊滅的だ。俺が子供の時から世話を焼きすぎたのが原因なのかもしれない。掃除や洗濯はやろうとはするけど、すべてが中途半端なじがするし、必ず何かを忘れる。特技で、”家事が苦手”と書いてもいいレベルだ。

冷蔵庫の中を見ると、や野菜がある。

「ユウキ。重たいけど、焼きそばでいいか?お好み焼きもできそうだけど?」

「焼きそばがいいな。あっ目玉焼きを付けて!」

「はいよ。大盛りか?」

「うん!野菜はなめ、はましましで!」

「わかった。わかった」

焼きそばの麺を取り出して、電子レンジで溫める。

ソースは、二種類をブレンドすればいいな。野菜は、キャベツだけでいいか、どうせユウキは野菜を弾くだろうからな。はブタのブロックがあるから切り分けて、脂もある。脂を先に炒めて、キャベツを炒める。一度フライパンから野菜を外して、に下味を付けてから焼く。そこに麺をれて、ほぐれたらキャベツを戻して、ソースをかける。目玉焼きとか言っていたので、玉子を取り出して目玉焼きを作る。

「ユウキ。目玉焼きは?」

「半!」

「了解」

ユウキのリクエスト通りに半にして、焼きそばを皿に盛り付けて、鰹節をかける。その上に目玉焼きを置いた。

「取りに來いよ」

「うん!」

ユウキに、二つの皿を渡す。

一つには目玉焼きが乗っている。もう一つはマヨネーズがかかっている。

正面に座ればいいのに、橫に座って焼きそばを食べ始めている。

ユウキは、焼きそばやお好み焼きは割り箸を使って食べる。理由を聞いたら、その方が味しくじるからと言っていた。なぜか、オヤジもオフクロも桜さんも和さんもそれに同調して割り箸を使って食べるようになっている。

そして、なぜか作るのは俺だ。

「タクミ。今日は、どうするの?」

「うーん。オヤジに頼まれた仕事は終わったからな」

「ねぇねぇ映畫に行かない?」

「なにか、やっているのか?」

「うーん。知らない!行けば解るよ」

「それじゃ面倒だな。買いでも行くか?」

「そうだ!タクミ。文房がみたい。新しく出來たお店に行こう」

「いいよ。わかった。店が開く時間じゃないから、時間になったら出かけるか?」

「うん!」

映畫よりは買いの方が、気が楽だな。映畫だと、ユウキはしでもつまらないと寢てしまう。そして、終わってから”なぜ起こさなかった”と怒るのだ。

ユウキは、映畫が好きな癖に暗い所が苦手だからな。かすような場所で遊ぶと機嫌がいい。久しぶりにボーリングに行っても良いかも知れないな。

 ユウキを連れての買いは、オフクロや和さんとの買いよりも楽だ。買いが一番面倒なのは、未來さんだ。

「それじゃ時間まで、俺はしだけやることがあるけど、ユウキはどうする?」

「うーん。一度、帰って著替えてくる」

「わかった。そうだな。11時くらいに市に著けばいいよな。それから、晝を食べて、買いして帰ってこよう」

「わかった!タクミ。バイクを出して!僕、後ろに乗るね!」

「そうだな。わかった。そのつもりで著替えてこいよ」

「了解!」

ユウキは、しばらくは機嫌が良いだろう。

さて著替えるか・・・。

ライダージャケットを著るから、いつも通りでいいか、まずければユウキの服裝を見てから決めればいいな。

軽く休んでから、バイクに火をれればいいか・・・。

キッチンに戻ると、片付けが終わっていた。

ユウキが洗いをしてくれたようだ。水にさらしておいて、後で洗うつもりだったのだが手間が省けた。

洗濯もまとめてある。

時計を確認してみると、あと3時間はある。洗濯機を回して干す位の時間はありそうだ。

天気予報は・・・。問題はないな。オフクロが帰ってくるのは夜か・・・。それなら、部屋干しの方がいいな。ユウキの服もある。

そろそろ時間だな。

ライダージャケットを著て、外に出るとユウキも丁度家から出てきた。荷を持っているようだ。

「ユウキ、その荷は?」

「ん?著替えだよ?必要でしょ?」

「まぁそうだな。部屋にれるのか?」

「うん。ジャケットも、僕の部屋でしょ?」

「そうだったな。あっユウキ。お前の部屋に、洗濯を干してあるからな。まだ干したばっかりだから、取り込むなよ」

「うん。ありがとう!」

ユウキが家にっていくのを見送ってから、バイクに火をれる。どうせ、ユウキは自分で運転するつもりはないだろう。

5分くらいしてから、ユウキがライダージャケットを著て出てきた。

「おまたせ」

「大丈夫だよ。行くか?」

「うん!あっタクミ。洗濯ありがとう!僕、下著が無くて探しちゃったけど、タクミの家に有ったね」

「そうだな。ここの所、家に泊まっているからな」

「そうだったね」

お互いにヘルメットを被った。

までは、それほど時間がかからない。

商業施設の駐場にバイクを停めた。

「なにか、しいがあるのか?」

俺の問いかけに、ユウキはうなずいたが、何がしいとは的には言わない。ライダージャケットをいでバイクに繋ぎ止める。

防犯カメラもあるし、守衛が見える場所にあるので市にバイクで來た時にはいつも、この駐場に停めている。

ユウキが俺の手を取って近くの商業施設に導する。

しいは決まっているようだ。6階にある無印良品にった。

「タクミ。このスリッパ!可いよね?」

「ん?スリッパ?文房は?」

「スリッパも買うの!タクミの家で履くスリッパがお揃いじゃないから嫌なの!」

「わかった。わかった。上がハンズだろう?上を見てから決めてもいいと思うぞ?」

「そうだね!」

ユウキと上の階に移した。食事を先にしたかったが、こうなっては買いが終わるまでユウキは食事を忘れるだろう。

思っていたとおり、ハンズに行くと、あれもこれもそれもといろいろ手にとって見ているが、最終的には無印良品で見たスリッパに決めたようだ。シンプルながいいと言っていた。でも、しだけ考えたが、ユウキが言っていた”おそろいじゃないと嫌”はおかしい。家で使っているのは、違いだが人數分は用意しているし、客用のスリッパも同じブランドの柄が違うにしている。何が気にらなかったのかわからないが嬉しそうなので、良かった。

文房も目當てにしていたが買えたようだ。

その後、改裝が終わったボーリング場に行ってみた。

まだ混んでいるのかと思ったが、ネットで予約が出來るようなので、地下のしゃぶしゃぶを食べながらユウキに確認したら”行きたい”と言っていたので予約した。

ボーリングを2ゲームやった。僅差で負けたが、その後にやったゲームでボコボコにしたら機嫌が悪くなってしまった。

ファミレスも新しく出來ていたので、オヤジたちの予定を確認して、夕飯をユウキと食べるように言われたので、ファミレスですませた。

そのままユウキを連れて家に帰ってくる。

まだ誰も帰ってきていない。

「タクミ。お風呂をもらうね」

「あぁ洗濯はまとめておいておけよ」

「うん!」

「著替えを持っていけよ。風呂場には著替えはないぞ?」

「え?わかった!」

出てきたらどうせ、冷たいしいとか言い出すだろう。メールの確認の前に、スムージーだけでも作っておくかな。

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