《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第四話 伊豆旅行(その2)
ん?ここは?
いい匂いだ?甘い。俺が好きな匂いだ。
え?
ユウキ??何が?
思い出した!
伊豆旅行で泊まったペンションだ。
そもそも、ユウキは著替えてガウンを著たのだろう?
俺の腕に抱きついている。やばい。いろいろ駄目だ。腕に、ユウキのが當たる。普段はこんなにも意識しないのに・・・。匂いか?らかさか?
思い出せ。
大丈夫だ。
何もしていない。何もしていないが、何が大丈夫なのかわからない。でも、大丈夫だ。
ユウキのを拭く時にったけど不可抗力だ。
ユウキをベッドに運ぶときにったが不可抗力だ。
ユウキが著替える時に見えてしまったが不可抗力だ。全部は見ていない。大丈夫だ。
ユウキが寢たベッドに俺も橫になったが一つしかベッドが無いのだから不可抗力だ。
ユウキは、手のかかる妹のような存在だ。解っている。
ユウキの髪の・・・。らかいのだな。
前に聞かれた時に、この長さが好きと答えてから、ユウキの髪のの長さは同じだよな。似合っていると言ったら喜んでいたな。
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小學校の時に誕生日のプレゼント・・・。まだ使っていたな。
ユウキは、妹だ。でも、ユウキの姿を他の奴が見るのは許せない。兄だからなのか?わからない。
旅行はあと3日ある。ユウキも楽しみにしていた。ユウキが心配するような自は避けたい。
だから、今は考えない。
よし。
まずは、著替えを出す。
そう言えば、ユウキはトイレから水著で出てきたよな?
洗濯をまとめて、下著と服を出す。そうだよな。新しい下著を出さなかったら、ユウキも全で寢るよな。そうだな。不可抗力だな。
うん。
あとは、俺が紳士的に見なければ大丈夫だ。
ユウキの著替えを出しておけば、起きたときに気がつくだろう。
朝ごはんの準備でも始めるか?匂いで起きるかもしれないからな。
キャリーケースを開けると、ユウキが起きた。
「タクミ。おはよう。僕、寢ちゃったね。ごめん」
「著替えを出すから待っていろよ」
「え?著替え?」
「あぁ」
「え・・・。あっ。ごめん」
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「何を謝る?」
「ううん。なんでもない。ねぇタクミ。お風呂にらない?」
「今からか?水著が乾かないぞ?」
「いいよ。このままでろう!」
「ユウキ?」
「ろう?せっかくだよ。溫泉だよ?隠せば大丈夫だよ?」
「わかった。わかった。見られても文句を言うなよ?」
「言わなよ!一緒にろう!そ・れ・に!タクミなら絶対に見ないようにするでしょ?そうだ!僕が後ろから抱きつくから、タクミは目を瞑っていてよ。それなら良いでしょ?」
「まぁそれならいいかな?でも、お湯が冷めているよな?」
「大丈夫!ほら、タオルケットを巻けば見えない!準備してくるね!」
「はぁ・・・。ユウキがいいならいいのか?なんか、和さんの手の上で転がされているようで嫌だけど・・・。不快じゃないから余計に文句を言いにくい。昨日の梓さんの笑顔は・・・。聞かれたら、”何もなかった”で、押し通すしか無いだろうな」
準備が出來たようだ。ユウキが、俺をがそうとするので、頭を軽く毆って止めさせた。見られても困らないが、見られたくない。ユウキも知識はあるだろう。だから余計に駄目だ。ユウキが俺の後ろに立って、抱きついてくる。本當に全のようだ。ガラスに映った姿が見えてしまった。綺麗だ。言わないけど、綺麗だ。
そのままで風呂に向かった。風呂でもユウキは後ろから抱きついてくる。これでリラックスしろというのが無理だ。ユウキの聲が耳元でくすぐったい。背中に當たるもじてしまっている。
「タクミ」
「ん?」
「怒っている?」
「怒っていないよ。しだけ恥ずかしいかな?」
「そう?僕は、ものすごく恥ずかしい」
「え?なら?」
「だめ!僕!タクミとお風呂にりたかった!昨日も嬉しかったけど、やっぱり・・・。ごめん」
「いいよ。それよりも、そろそろ出ないか?朝ごはんを食べて、荷を詰めたら、集合の時間だぞ?」
「え?そんな時間?」
「あぁ起きるのが遅かったからな」
「・・・。うん。出よう!ねぇタクミ。みたい?」
「ん?何?聞こえなかった?もう一度言ってくれ?」
「ううん。噓。なんでもない。タクミ。目を瞑っていてね。僕が出て著替えてタオルを持ってくる。今日は、僕がタクミを拭いてあげようか?」
「自分でやる。ほら、目を瞑っているから、先に出ろ。待っているからな」
「うん!(ありがとう。タクミ。これは、お禮)」
おでこになにかれたじがした?
「え?ユウキ?」
「なんでも無いよ。先に出るね」
「あぁ」
ユウキがお湯から出た。
背中にあったらかいがなくなったのが寂しかったが絶対にユウキには言わない。
時間はまだ余裕があるが、俺に余裕がなかった。
ユウキは、タオルを持ってきてくれた。俺が用意した著替えも著ているし、俺の著替えも持ってきた。
朝食は夜食の為に買ったを食べる。ユウキは文句を言ったがそれしかなかったのだから、文句を言うなら食べるなと言ったら、テラスでなら食べると言い出したので、テラスのテーブルで食べた。
まだ集合の時間ではなかったので、ユウキと人工池を散歩した。
やたら機嫌がいいユウキに引っ張られてかなりの距離を歩いた。
遅れそうになって、走って戻ったが、梓さんたちが遅刻してきた。あの人たちは・・・。今日の運転も梓さんだ。
観は、”ライオンもキリンも居ない”型園だけの予定だ。梓さんが行きたいと言っていた場所だ。俺も興味があったが、夜のユウキが頭から離れなかった。気がついたら目でユウキを探していた。
熱川のホテルは、ダブル一つとシングル二つだ。
ホテルで食事をしてすぐに部屋に向かった。疲れたから先に休むと伝えてある。前の教訓から、ユウキの荷も俺の部屋に運んで、ユウキには著替えがった袋を渡してある。いだを袋にれろと伝えてある。
「おやすみ」
「うん。タクミ。おやすみ。僕、先輩たちと土産を見てくるね!」
「そうだな。オヤジやオフクロに、なにかあったら買っておいてくれ、梓さんがスポンサーになってくれるはずだ」
「わかった!」
「おいタクミ君。君の方が持っているだろう?」
「どうでしょう?梓さん。ユウキの土産代は後で請求してください。疲れたので・・・。ごめんなさい」
「いや。わかった。タクミ君。おやすみ」「タクミ君。おやすみ。ユウキの事は任せて」
「はい。おやすみなさい」
ホテルの鍵はカードキーになっていて、カードを2枚、渡されている。ユウキのカードキーは、一枚は自分で持っていて、もう一枚は梓さんが持っているから鍵を無くしてられないなんて事にはならないだろう。
駄目だ。ユウキのことを考えないようにすればするほどユウキの事が頭から離れない。
妹のような存在だから當たり前なのか?
---
いつの間に寢てしまったのだろう?時計は、22時を表示している。3時間くらい寢たのか?UMPCを立ち上げてメールを確認するが、対応しなければならないメールはなさそうだ。
ふぅ・・・。が渇いたな。ホテルの見取り図は・・・。自販機は、下の階か・・・。エレベータはカードキーの階にしか降りられなかったな。面倒だけど、2階のコンビニまで行くしか無いのか?この格好じゃまずいだろうからジャケットだけ羽織ればいいか・・・。
そう言えば、梓さんたちの部屋はエレベータホールの近くだったな。ユウキは、もう部屋で休んでいるのか?
コンビニで、味が付いている水と俺が好きでよく飲んでいる缶珈琲を買った。
ん?
「先輩・・・。僕・・・」
ん?ユウキ?なんで?ドアを開けて、話している?今まで部屋で話して居て帰ろうとして、ユウキがまた話し始めたのだろう。本當に、困った時にユウキは何度も同じ話しをするから、それだろう。
「ユウキ。大丈夫。僕から見ても、間違いないよ」
「でも、僕・・・。こんなに、タクミが好きなのに・・・。タクミ。僕が嫌いになっちゃったかも・・・。無理にお風呂にったから・・・。それに、わざと、抱きついたり・・・。はしたないと思われちゃったかも・・・。本當は、起きたけど、全のまま・・・タクミに抱きついちゃったし・・・」
え?ユウキが俺を?
他にもなにか言っていたけど、聞こえなかった。
「大丈夫よ。ユウキ。ほら、泣かないで、明日も頑張るのでしょ?」
「・・・。うん。タクミが、楽しんでくれるように、僕が・・・」
「そうだよ。ユウキ。し、暴走しちゃったけど、大丈夫だよ」
「大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫!お風呂には、一緒にってくれたのだろう?」
「うん。でも、僕が言ったから、タクミ・・・。優しいから・・・」
「ユウキ。自信を持ちなさい。ユウキは可いよ。エステでも可いと褒められただろう?」
「・・・。うん。でも、タクミ、僕を可いと・・・」
「あぁもう!ユウキ。明日。僕が、タクミに聞いてやろうか?」
「ダメです!そんなこと・・・。僕が、嫌われちゃったら・・・。ダメです・・・」
「わかった。梓も・・・ね。もう余計な事はしないで、明日と明後日は、旅行を楽しみましょう。ユウキもいいわね。タクミ君を楽しませるのでしょ?」
「・・・。うん!僕、頑張ってみます」
「よし!この話は終わり。梓。ユウキを部屋まで送って!」
「わかった。ユウキ。行くぞ!」
「はい。優先輩。おやすみなさい。それから、ありがとうございました」
やばい。
それから、どうやって部屋に戻ってきたのか覚えていない。ユウキと梓さんには見つかっていないと思う。
翌日の日程はよく覚えていない。ずぅーとユウキを見ていた。ユウキの一挙手一投足が気になって仕方がない。バナナとワニの園や伊豆テディベア・ミュージアムや伊豆オルゴール館や怪しい年博館に立ち寄ったが、ユウキの表や笑顔以外を覚えていない。
熱海のホテルも昨日と同じだ。疲れたと言って早々に部屋にった。
翌日は、殿場アウトレットに寄った。開店と同時に中にった。
広い敷地だから、ユウキが迷子にならないように注意しないと、俺もしいがあって、バラバラに行した。
「タクミ君。買いはもういいのか?」
「えぇしいがあって古い型でしたが、値段もやすかったので、購して宅配便で送ってもらいました」
「あれ、梓とタクミ君。買いはいいの?」
待ち合わせ時間になっても、ユウキが戻ってこない。
「優。ユウキは?」
「え?タクミ君と一緒じゃないの?ユウキ。タクミ君がしがっていたが見つかったとか言って、タクミ君の所に行くと言っていたわよ?」
「え?」
俺は走り出していた。
俺がしい?ユウキになにか言ったか?思い出せ。ユウキはそれを覚えていて・・・。
なんだ!俺がしいと言ったのは!ユウキが居れば、ユウキが側にいないとこんなにも不安になるのか?ユウキ!俺は・・・。ユウキ。どこに居る!
誰だ!俺の肩を摑むのは!ユウキがどこかで俺を探している!俺がユウキを見つけないと、ユウキはユウキが・・・。ユウキ・・・。
「タクミ君。僕だ!そんなに、殺しそうな目を向けないでしい」
「あっ・・・。梓さん。俺、ユウキを探します」
「タクミ君。タクミ君は、ユウキの何だ?」
「え?」
「探すなら、僕たちも手伝う。優に話を聞かないでどうする?普段の君ならそんなミスはしない。タクミ君。もう一度聞く、君にとってユウキは”なん”だ?」
梓さんが俺の肩を強く握って、俺の顔を見る。
真剣な表だ。
「俺は・・・。ユウキは、妹のような・・・」
「違うだろう。妹だと思いたいのだろう?でも、妹と妹のようなは違う存在だ。君も気がついているのだろう?」
「でも、それは・・・」
「タクミ君。何を怖がっている?君はもう”夢に出てくる悪魔を怖がる子供”じゃないだろう?」
「・・・。梓さん。俺、ユウキが好きだ。家族としてじゃなくて・・・。妹としてでもなくて・・・。として、一人のの子として、ユウキが好きだ。いつからなのかわからないけど・・・」
「だそうだ!ユウキ。よかったな」
「え?」
「タクミ・・・。もう一度・・・」
梓さんを見ると、舌を出して頭を下げている。
騙された。違うな。
「ユウキ」
「はい」
「俺は、ユウキが好きだ」
「僕も、タクミが大好き!もう、ずぅーと前から好き!」
「ずぅーと前?」
「緒!」
ユウキが抱きついてくる。
人が周りに居ないのが良かったが、梓さんと優さんが砂糖を大量に舐めた様な顔をしている。
「タクミ君。今回の詫びは、この珈琲で手を打つよ。僕も、この珈琲が好きだ」
「え?」
梓さんの手には熱川のホテルで買った缶珈琲が握られていた。
あの時、逃げる俺を梓さんは見たのだな。
ユウキの頭を軽く叩く。
「ほら、ユウキ。離れろ。帰ったら、オヤジたちに・・・。話をしないとダメだろう」
「え?大丈夫だよ?」
「ん?どういうことだ?」
「パパもママも克己パパも沙菜ママも知っているよ?」
「え?何が?何を?なぜ?」
意味がわからない言葉を並べてしまった。
「え?帰ればわかるよ?ママと沙菜ママが言った通りだった!大丈夫だった!梓さん。優さん。ありがとう!」
「ユウキ。いい加減に離れろ」
「ヤッ!やっと、堂々とタクミに抱きつける!僕だけの場所だから、誰にも渡さない!」
「わかったから、離れろ!」
今までの鬱憤を晴らすかのごとくユウキは離れなかった。
食事をしている時だけは離れたがそれ以外はの一部がれていないとダメとか言っていた。
家への帰り。
ユウキが言った”大丈夫”の容が気になって仕方がなかった。
結局、誰からも教えてもらえないまま・・・。見慣れた街に戻ってきた。
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