《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第二話 レギュレーション

作業場所に帰る前に、近所のラーメン屋で夕飯を食べようと思った。

「お!今日は、一人か?」

「えぇユウキは、バイト先で食べてくるらしいので」

「そうか、それでどうする?」

「チャーハンセットを塩で」

塩ラーメンとチャーハンのセットを頼む。

ユウキが居ると、これに餃子か唐揚げが追加される。デザートの杏仁豆腐までしっかりと食べる。あののどこにっているのか不思議に思えてしまう。そして、育たなかったの一部を思い出す。

「はいよ」

他にも客は居るが、顔なじみばかりだ。

名前も職業も知らない人たちだが、街ですれ違ったら會釈くらいはする。不思議な関係だ。

10分程度で注文したが並ぶ。

一人の時には、テーブルに代金を置いておく、會計を先に済ます。1,100円だ。オヤジや桜さんは、常連の店にはデポジットとか言っていくらか預けているらしい。俺は知らなかったのだが、ここの店主はオヤジたちの後輩らしい。

関係がないことを考えながら、先生からの依頼を考えてみる。

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有志と言ったが、先生が聲をかけるのだろう。3年生はダメだろう、電子科が2クラス。報科が1クラス。1年と2年から有志を募る1クラスから5名か・・・。案外難しいかも知れないな。セキュリティ大會のレギュレーションは、去年のがあるだろうから帰ってからネットで探してみて確認だな。

塩ラーメンの麺や材を食べ終えてから、チャーハンを食べる。行儀が悪いが、レンゲでチャーハンを掬って、ラーメンのスープに浸してから食べるのが好きだ。

食べ終わって、會計も終わっている。

「ごちそうさま。また來ます」

「おぉ今度は二人で來いよ!」

手を上げて店を出る。

ユウキからの連絡はっていない。スマホを立ち上げて、冷蔵庫の中を確認する。登録のミスがなければ、牛が殘りなくなっている可能がある。マックスバリュで牛を買って帰る。疲れて寢てしまっても、夜中に起き出して、腹が減ったとか言い出す、ユウキのために、パンでも買っていこう。菓子パンでいいだろう。夜中に食べなかったら、明日の朝にでも食べればいい。

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自転車を庭にれて、ロックを行う。桜さんがどこからか貰ってきたと言っている、駅前や商業施設によくある自転車をロックするだ。鍵をしておけば、盜まれる心配は殆どない。ユウキの自転車はまだ戻ってきていない。

を冷蔵庫に閉まって、パンをキッチンに置いておく。

地下倉庫から部屋に移する。

セキュリティ大會を確認した。県が主催のようだ。高校生が対象で詳細は學校に通知されるようになっている。

戦で、報セキュリティの習度を競い合うとなっている。2泊3日のキャンプ形式で行われる。

長丁場で競うのか?それとも、別の意図があるのか?

明日、先生に聞かなければわからないな。

一般的なハッキング大會とは違うようだ。AIとか言い出さなければ良いのだけどな。流行りの言葉を並べればいいと思っているような大會じゃなければ・・・。

レギュレーションは提示されていなかった。過去の分もない。

オヤジにメールを出しておく、監視業務は続けるにしても、學校からの依頼がった事は知らせておく必要があるだろう。すぐに、オヤジから了解の返事が來た。

基地の材も揃った。

前の部屋では諦めていたメインの環境を4面ディスプレイにして、両脇に2面ずつディスプレイを配置した。4面を上下に配置して全部で8面にして使っている。8面の上の段の左右には4分割して、監視用端末を起している。同じからけた監視業務のサーバにリモート接続して表示させている。外回りと回りの2系統を別々の端末で接続して表示している。

あとは、オヤジから管理を任された篠崎家と森下家の家伝言板やメールサーバの稼働狀況をモニタリングしている。

オヤジに聞いたら、業務用の回線は好きに使って良いようなので、実験用のサーバを起したりして遊んでいる。

回線も2系統が使えるようになったのと、固定IPが増えたので、出來る容が格段に増えた。

おっ門が開けられた。ユウキが帰ってきた。

背中をばすと、固まっていた骨がびたようで、心地よい音が鳴る。1階に戻ると、丁度ユウキが玄関からってきた。

「おかえり」

「ただいま!」

靴をいで、ユウキが抱きついてくる。

「風呂の準備が出來ているけど、るか?」

「うん。一緒にろう!」

「わかった」

「ねぇタクミ。今日、離れで寢ない?」

「離れ?」

「うん。ほら、この前、スクリーンで映畫を流してくれたでしょ?」

「あぁ」

「あれって、何でも流せるのでしょ?」

「なんでもは無理だけど、パソコンで再生できるなら大丈夫だな」

「これ、前から見たくて、借りてきた!」

ツタヤからなにかを借りてきたようだ。

中を見ると、ドキュメンタリー系のDVDだ。海の神に迫ったもののようだ。確かに、リビングで見るよりもスクリーンで見たほうがいいだろうな。音も趣味人が調整しているだけはある。

「いいけど、離れなら寢間著を著てからだぞ?」

「えぇ・・・。いいよ。それに、そのまま寢ても大丈夫なように、タオルケットを持っていこう。ソファーで寢ればいいよ」

「わかった。髪のはしっかり乾かせよ」

「うん。まずはお風呂にろう」

ユウキと風呂にってから、離れに移した。もちろん、のままだ。ユウキに恥じらいが無くなっているように思えるが俺の前だけだから気にしないことにしている。

離れでは、映畫を見てから一緒に寢た。正確には、ユウキは途中で眠くなってきたのか可い寢息を立てていた。夜中に起きる事やお腹が空くようなこともなく、朝まで寢ていた。離れにも布団の一式を用意したほうがいいかもしれないな。今は良いけど冬場は流石に寒いだろう。

「タクミ。今日の用事は?」

「あぁそうだ。學校からの依頼で、放課後、電子科の教員室に行く」

「すぐに終わる?」

「どうだろう?1時間くらいだと思うけど、わからない」

「うーん。あっ!そうだ。僕、大將の所で待っているね」

「あぁ鉄板焼屋か?」

「うん!」

「わかった。好きなを注文していいぞ?」

「うーん。もしかしたら、友達と居るかも知れないから、タクミに連絡をいれるね」

「わかった。朝飯は簡単に菓子パンとスクランブルエッグだ。飲みは何がいい?」

「何でもいいよ。冷たいと嬉しいな」

「わかった。りんごジュースがあるから、それでいいか?」

「うん!ありがとう」

朝食をすませて、學校に行く。

二人で登校するのは前から変わっていない。

門でユウキと分かれる。科がある校舎が違うのだ。俺は、第一校舎でユウキは第三校舎だ。校舎が全部で3つと実習棟が5つある。食堂が2つと育館が2つある。50mのプールもある。規模だけ見ればマンモス校だ。科が多いのでしょうが無い。実習で使う材も巨大なも多い。

晝はユウキと一緒に食べる。

授業をこなしてから、電子科の教員室に向かった。途中で、パソコン倶楽部の顧問と一緒になった。

「篠崎くん」

「あっパソコン倶楽部の、報科の先生ですよね?」

「そうでした。名前を言っていませんでしたね。私は、津川です」

「ありがとうございます。津川先生。戸松先生の所へ?」

「そうです」

すぐに教員室に付いた。

津川先生が先にるので、後に続いた。

「戸松先生。レギュレーションを持ってきました。あと、篠崎くんも拾いました」

「あ。ありがとうございます。丁度、よかった、篠崎くん。これを渡します」

電子科の戸松先生から渡されたのは、報酬に関してまとめられただ。食堂に関しては、安い方の食堂に限定されている。

報科の津川先生からは、レギュレーションが書かれた冊子を渡された。最初のページは、辭麗句が書かれている。

県下の高校から、六名一組になって、ハッキング技を競う。學校推薦枠と自主參加枠がある。どちらも待遇に差はない。工業では、パソコン倶楽部が自主參加枠で電子科・報科の連合チームが學校推薦枠となると先生は言っていたが、反対にしたほうがいいと進言した。來年も、行われると、パソコン倶楽部しか出ない可能がある。電子科や報科は、強制は出來ないと思えたからだ。二人の先生も納得してくれて、パソコン倶楽部を學校推薦にして、電子科・報科は、自主參加とした。これで、あの煩い男子のプライドが保てるのなら安いものだ。

冊子を読むと、ハッキングと書いているが、報分析やセットアップ能力を競うように思える。

相手の邪魔をしても問題はないとなっているので、競技として考えると面白そうだ。

レギュレーションも面白い。

ネットワーク回線は皆が同じを使う。自分のスマホを使ってのテザリングは止。ルータでのアクセス解析とログ収集を行う。違反者は失格となる。

16GBのUSBメモリにるだけのソフトウェアは、持ち込める。

パソコンは、全參加チームに同一のが渡される。デスクトップ型が2臺(スペック一覧)と、ノート型パソコンが3臺、他に、ルータが一臺とハブが二つとWIFIの親機が1臺。ケーブルは當日運営委員會に申請して貰う。材の持ち込みは認めないが、事前申告を行って、運営委員會の許可が出ればOKとなっている。

許可されたは、他のチームにも報がリークされる。

宿泊が前提となる。チーム別に二人部屋を三部屋用意される。朝食と夕食は、バイキング形式で提供される。

場所は、伊豆にある、とある企業の研修施設兼保養所を使う。參加チームが多數の場合には、學校推薦が優先される。

肝心の勝敗の決め方だが、提供されるデスクトップにはOSがっていない。2臺どちらかに、サーバを構築して実行委員會から提供されるサービスを起させる。サービスに必要なモジュールや容は當日までとなっている。勝敗は、サービスの起時間を競う。サービスと一緒に渡されるデータを盜み出せば、稼働時間を奪って自分のチームの稼働時間に加算できる。いやらしいルールだ。

ノートパソコンには、Windowsの最新バージョンがっている。こちらも、OSと基本ソフトウェアだけだ。ノートパソコンでのサービス展開は止されている。

「どうですか?」

「なかなか大変そうですね」

そう答えたが、自分ならどう作戦を立てるか考えてみた。

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