《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第四話 出會い系のサクラ
放課後になるまでユウキから、調査に関する報告はなかった。
晝に食堂で會ったが、すぐに子の方に戻ってしまった。同級生から部活の先輩を紹介してもらうのだと言っていた。
放課後になって、生徒會室にると、生徒會のメンバーが揃っていた。
珍しいこともあるのだと、話を聞いたら、どうやら、學校も生徒のバイトの実を摑むために、生徒會に依頼を出してきたようだ。俺が生徒會を手伝うようになってからは、ペーパレスにしたが、過去に遡ってデータ力をしていない。前會長優さんも前副會長梓さんも仕事はきっちりとしていたので、書類が整理されているのが救いだ。
生徒會のメンバーで、バイトの申請書を過去に遡って調べている。
どうやら、1年半くらい前から、バイト申請が減ってきている。特に、運部では顕著になっている。
時期を考えると、上地が絡んでいると考えるのが妥當だ。
上地の奴に祟られる。
生徒會室のドアがノックされる。
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「篠崎くん」
「戸松先生。學校からの依頼で、調査をしているので、部屋を変えましょう」
「わかりました。パソコン実習室にしましょう」
「わかりました。荷をまとめてから行きます」
「先に行っています」
戸松先生には、先にパソコン実習室に移してもらった。
生徒會のメンバーに、ユウキが來るかも知れないと伝えた。誰か、連れてきていたら、連絡をれてもらう。誰も連れてきていなかったら、待っていてもらう。
新しくした、BlackBerryの端末スマホではないと荷を持って、パソコン実習室に向かう。
扉が空いていた。
中には、戸松先生だけのようだ。
「戸松先生」
「篠崎。悪いな」
「いえ、それで後輩たちが持ってきた報とは?」
「まずは、北山くんから渡されたを見せたほうが早いだろう」
「お願いします」
戸松先生から渡されたは、URLと紹介者コードという英數字の羅列が書かれていた。連絡先として、メールアドレスが書かれていた。
メールアドレスは、北山のキャリアメールのようだ。電話番號も書かれている。
「戸松先生。URLは確認しましたか?」
「まだだ。篠崎に渡したほうが確実だろう?俺は、ハード回路寄りの人間だ」
「わかりました」
さすがに、學校のパソコンで開くのには抵抗がある。
自分のパソコンを起して、校WIFIに繋ぐ。基地にVPNで接続してから、家庭用回線から外部に繋がる設定で接続を行う。
「やけに厳重だな」
「ないとは思いますが、逆探知されたり、攻撃対象にされたりしたら困りますからね」
「そうだな」
「あとは、エージェントを・・・。りんごの古い奴でいいかな・・・。よし、接続・・・。あぁやっぱり・・・」
「ん?篠崎」
「出會い系サイトですよ」
北山が持ってきたURLを開いた。
同時に、ドメインの持ち主やサーバがいている場所の特定を行った。
サーバがいているのは、どこかのデータセンターのようだ。
ドメインも、汎用JPを使っていて、登録者名は業者の名前になっている。
しかし、IPでの接続を行うと、出會い系サイトが開いた。聞いたことがないサイトだ。
メモして、同じIPで作している出會い系サイトがないか確認していく。方法は、いろいろあるがオーソドックスにツールを使っておく、結果が出るまで、他の報を調べればいいだろう。
捨てメアドを作して、ユーザ登録を行う。
すぐに、メールが屆く、サイトにアクセスすると、やはり出會い系で間違いはない。登録5分で20通のメッセージが飛んできている。
業者名とサイト名と代表者名をメモする。
「篠崎?」
「あぁ。戸松先生。北山が持ってきた小遣い稼ぎは、出會い系のサクラで、間違い無いでしょう」
「そうか・・・」
「戸松先生?」
「後輩たちに、北山が言っていたらしいけど・・・」
戸松先生が口にしたのは脅しと考えても間違いはない容だ。
とある半グレ団の名前まで出したようだ。
「はぁ・・・。そうですか・・・。戸松先生。まだ確定では無いのですが、この話は、上地から始まっています」
「え?上地・・・。あの、前會長を脅していた上地か?」
「その上地です。もしかしたら、部活連は、まだ上地と繋がっている可能があります。それが悪いとは言いませんが・・・」
「そうだな」
半グレの名前と、出會い系の業者が繋がらない。上地との繋がりも不確かだ。警察の仕事だけど、學校は警察の介を嫌がるからな。
戸松先生が考えているのも、似たような事だろう。
「戸松先生」
「なんだ?」
「今から、一本の電話をかけますが、目を瞑ってもらいませんか?先生の前でかけますので、容に関しては、先生だけに留めてくれませんか?」
「・・・。わかった。約束する」
「ありがとうございます」
オヤジの知り合いで、東京の神田小川町に事務所を持っている人に電話をかける。
あの人も匿通話ができる電話を使っている。BlackBerryなら同じように匿通信ができる。
4コール目で出てくれた。
『久しぶりだな。ユウキに振られたのか?』
「まーさん。お久しぶりです。ユウキとは仲良くしていますよ。オヤジから話を聞いたのですね?」
『何のことかわからないが、ナベから手伝えと言われて、資の調達はしたぞ。壁に埋め込める巨大な水槽を手配するのは大変だったぞ?』
「あれは、ユウキがしがったものですね」
『おなじだ。おっそれよりも、何か聞きたい事でも出來たか?』
「まーさんなら、知っていると思ったのですが・・・」
北山が出した半グレの名前で、出會い系サイトの名前と業者名。代表者の名前を伝えた。
あと、バイトとして外部にサクラを用意しているらしいと話をした。紹介料が払われる仕組みだとも伝えた。
『タクミ。バイトを外部に?本當か?』
「確実ではありませんが、ほぼ間違いないと思います。管理畫面のURLと紹介コードは手しています」
『送ってくれるか?その時に、紹介者のフルネームとメールアドレス。わかれば、電話番號もしい』
「わかりました。メールでいいですか?」
『克己が俺の匿アドレスを知っている。そっちに送ってくれ』
「わかりました。それにしても、なぜですか?」
『ん?』
「外部のバイトに食いついたので・・・」
『最近は、打ち子のバイトを外に求める事がない』
「え?」
『必要ないからな』
「必要ない?」
『あぁ出會い系業者は前のように大きく金がく業種じゃ無くなっている』
「それじゃ」
『だから、紹介料を払ってまで、人を集めているのが気になっただけだ』
「そう・・・。それで、何か知っている?」
まーさんと話ながら、オヤジにメールを送付した。すぐにいてくれた。
『タクミ。30分くらい時間をくれ』
「いいけど、報酬は?」
『そうだな・・・。お前とユウキに子供が出來たら、俺も名付け會議に參加させろ、桜と和の嫌がる顔が見たい』
「わかった。いつになるかわからないよ」
『ハハハ。否定しないだけ長したな。気長に待つさ』
電話が切れた。
戸松先生が微妙な顔をしていた。いろいろ突っ込みたいようだが、我慢をしてくれているようだ。
「篠崎。一つだけ教えてくれ」
「はい?」
「お前が、電話をした相手は誰だ?」
「うーん。俺も、まーさんと呼んでいて、本名は知らない。オヤジや桜さんや和さんは知っているらしいけど、教えてくれない。東京に事務所を持って、いろんな事をしていると教えられた人です。本人は、”ブローカー”だと言っていました」
「・・・。そうか、知り合いなら問題はない・・・か?」
「30分程度は、調べるのに時間がかかるみたいなので、生徒會室に戻っていていいですか?」
「わかった。俺も、隣に居る。戻ってきたら、聲をかけてくれ」
「わかりました」
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