《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第四話 犯人探し

戸松先生に見せたパソコンのホーム畫面は、いわゆるワンクリック詐欺に引っかかって、指示されたプログラムセットアップしたのだ。

ホームにセクシーながセクシャルな格好で表示されている。

そして、金額と連絡先が書かれた畫像になっている。

質の悪いワンクリック詐欺を踏んだようだ。

電脳部にも注意しないと駄目だろうな。ウィルスではないけど、プログラムのセットアップ制限くらいは付けておいてしかった。

「戸松先生。そんなわけで、犯人探しをしなければなりません」

「そうだよな」

「注意だけすればいいとは思いますが?」

「そうか、それを俺に任せるというのだな」

「はい。俺が言うのは無理ですので、戸松先生にお願いします」

「わかった。野球部とサッカー部とバスケ部だな」

「はい。履歴までは確認していませんので、その3つの部から攻めてもらえれば、犯人が解ると思います」

「処分も併せて任せてくれ」

「はい」

戸松先生に犯人探しを頼んだが、俺は俺で別のラインから犯人の特定を行う。

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「篠崎先輩」

「丁度よかった」

元パソコン倶楽部。現在の電脳倶楽部の後輩の一人を呼んだ。

「なんでしょうか?」

ない。まともだった元パソコン倶楽部の男子部員の一人だ。確か、下坂と呼ばれていたはずだ。

「手伝ってしい」

「はい。僕で良いのですか?」

「下坂は、今回のパソコンの配布には、反対だったのだろう?」

「え?違います。反対だったのは、Windowsをれての配布です」

「なぜ?」

「えーと。篠崎先輩は、お気づきだと思いますが、Windows だとアプリを勝手にれたりする部が出てくると思ったからです」

「他には?」

「理由ですか?」

「特には・・・」

「そうか・・・。あっそうだ。今日、來てもらったのは、ログやプログラムの調査を手伝ってしい」

「ログの調査?」

ノートパソコンに移させたサイトの報を見せる。

「あぁ」

「これのURLがこれだ。SSLは使われていない」

「へぇ」

「悪いけど、サイトのきは調べていない。それを併せて調べてしい」

「わかりました。ログは?」

「あぁそうだった。侵されているパソコンは、3臺で1臺は電脳倶楽部に置いてある。あと2臺は生徒會準備室だ。ルータのログも見られるようになっている。アカウントは、あとで渡す」

「わかりました。レポートにまとめればいいですか?」

「そうだな。このURLを持ち込んだ奴が居ると思うけど、特定できる報を探してしい」

「はい」

「生徒會から、電脳倶楽部への依頼と考えてしい」

「わかりました」

二つ目の用事も終わった。

報酬は、戸松先生と決めていた容を伝えた。部活の一環だから報酬は必要ないと行ってきたが、依頼は依頼なので、報酬を支払う。実際には、戸松先生が手配をするのだけど、報酬は報酬だ。

さて、ユウキに連絡して合流してから帰るか!

『タクミ』

「こっちの用事は終わったぞ」

『うん。そうだ、タクミ。各部のパソコンって返ってくるの?』

返ってくるって必要って事だろう。

「ん?OSをれ替えて返すぞ?なんで?」

『宿題をやるのに丁度いいらしいよ。家に、パソコンがある子ばかりじゃないから、自由に使えるパソコンがあると嬉しいみたい』

「わかった。戸松先生に伝える」

『ねぇなんで、パソコンを引き上げたの?』

「ん?戸松先生から発表があるからしだけ待ってしい」

『わかった。この子たちが原因じゃないよね?』

「ユウキは、どこに居る?」

『今?文化部が集まっている所だよ』

「大丈夫。とばっちりをけただけだ。2-3の注意點はあるけど、間違った使い方はしていない」

『よかった。そのまま伝えるね』

「あぁ俺は、生徒會室に居るから、終わったから來てくれ、一緒に帰ろう」

『わかった!』

15分後に、ユウキは生徒會室にやってきた。

後片付けをするのに、5分ほど待ってもらってから、一緒に帰った。

帰り道で、食材を購した。

家に到著すると、雨が振り始めた。

和さんの所にも結構來ているな」

「うん。工業だけじゃなくて、中學や小學校からも來ているみたいだよ」

「そうか・・・」

森下和が始めたのは、子供の避難シェルターだ。

ネットのいじめや誹謗中傷やリベンジポルノに曬されたの子を一時的に預かって、法律のちからを使って解決する。法律が及ばない時には、なんらかの対抗手段を取るのだと笑っていた。俺は、出會い系サイトの時に世話になった”まーさん”の顔が浮かんだが、和さんが言うには、”まーさんは最後の砦”だと笑っていた。本當に、謎が多い”大人たち”だ。一番、わかりやすいのはオフクロだろう。他の大人たちは、仕事だけを聞けば”まーさん”以外は想像ができる。しかし、事が全然わからない。一般的だと本人たちは言っているが、一般的な仕事をしている者たちが、自宅を持って、さらに子供のために家をつくろうとは思わないだろう。それも設計や素材や機能に、かなりのわがままを言っているのは、間違いはない。

オヤジは工業の出で、その時の伝手があると言っているが、ユウキはどうかわからないが、俺にはオヤジの様な伝手ができるような様子はない。

家の設計は、建築科ができるだろう。家の建築は、土木科と建築科の合同だろう。家の配線は、電気科なら問題はない。細かい部分だが、細工がしてあったり、飾りが施されていたり、センスがいい小が置いたのは、インテリア科を卒業した者だろう。塗料にも気を使ってくれている。機械部品も多く使われている。電子機も當然のように使われている。もし、オヤジの知り合いだと言うのなら、オヤジは學校中に知り合いがいたことになる。それも、大人になってから協力してくれるような知り合いだ。

俺も、學校には知り合いが多いが、ユウキを介しての知り合いが多い。オヤジと同じ年齢になったときに協力してくれるのかは未知數だ。

「どうしたの?」

「ん?あぁしだけ考えことをしていただけだ」

「ふーん。そうだ、ママがタクミに頼みたいって言っていたよ?」

和さんが?」

「うん。ママがミクさんの所と頻繁に連絡するのは面倒だから、ネット會議ができるようにしたいらしい」

「え?そんなの、オヤジの所に頼めば?」

「克己パパが、タクミと僕にやらせたらどうだと言ったらしいよ。それに、克己パパの會社は、男社員ばかりだから、ママがダメ出しをしたらしい」

ユウキの話は、時系列が前後することがある。

思い出したままにしゃべるので、よくわからなくなってしまう。時系列で話をまとめてくれたら嬉しいのだが、出來ないのだ。

今の話だと、和さんは、最初にオヤジに頼もうとしたが、オヤジの所は従業員が男だけなので、オヤジがそれで大丈夫なのか聞いたら、駄目だと言われて、俺とユウキの名前が出てきたという所だろう。和さんが言ったのか、オヤジが言ったのかはわからないけど、斷れるような話ではなさそうだ。

実際に、和さんから依頼が來てから考えれば間に合うだろう。

未來さんの所とのネット會議だと、話を聞いてからにはなるだろうけど、センシティブな容が話されるのなら、獨自で構築したほうが良いかも知れない。いじめをけていたの子たちのアフターケアに使うのなら、手軽さを考えなければならないだろう。

まだ、依頼が來たわけじゃないから、和さんから正式に話が來てから考えればいいか・・・。

「ユウキ」

「ん?なに?」

「飯にしよう。何が食べたい?」

「うーん。今日は、カレーの気分!」

「わかった。は、鶏になるけどいいよな?」

「うん!チキンカレーだね」

ユウキの頭を軽く抑えながら家にる。

カレーの材料と手順を考え始める。玉ねぎや馬鈴薯はまだある。チキンもがあったはずだ。コンソメも粒狀のがあったはずだ。人參は、ユウキがあまり好きじゃないから、我が家のカレーには人參は無い。その代わりに、玉ねぎを多めにするのが、俺たちのカレーだ。

ユウキは、カレーにウスターソースとチーズをかける。俺は、そのまま食べるのが好きだ。

明日の分も一緒に炊いておけば困らないだろう。

計畫が組み上がった。

あとは実際に料理をするだけだ。手順を間違えなければ、ほぼ同時にできるはずだ。

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