《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第五話 開発と運用
學校から帰ってきて、基地でパソコンを確認すると、未來さんから返信が來ていた。
概ね問題は無いようだ。スプラッシュは、和さんが新しく作る事務所の名前にしてしいと言われた。
専用プログラムが一番イメージに近いらしい。細かい修正はあったが、開発の方向は決まった。
もう一度、返事の容でモックを作り直して、OKが出たら中の構築を始める。
それまでは、サーバ周りの設定を行おう。
接続の確認も行っていけば、開発時に迷わないだろう。
「タクミ!」
ユウキが基地にってきた。
「どうした?」
「うん。僕・・・」
「そうだ。ユウキ。手伝ってくれないか?」
「え?僕?いいの?」
「ちょうど良かった。準備が終わったら頼みたいから、しだけ待っていてくれないか?」
「うん!わかった」
ユウキは、おとなしくソファーに座って、持ってきたタブレットでマンガを読んでいる。課金はしていないので、無料で公開されているマンガだけだ。
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ユウキにやってもらうのは、簡単だ。
確認中の機能にアクセスして貰って、本當に通話ができるのか確認する。その時のトラフィックを記録しておけば、実運用の時に、回線の品質やトラフィックの振り分けが考慮できる。
ひとまず、ユウキに作してもらう。テストプログラムだけ仕上げてしまおう。
設定は、ファイルを直接編集すればいい。畫質の調整なんかも必要ない。最高畫質で行えばいい。
作の確認が出來たから、バイナリをタブレットに移する。
OSを綺麗にしたタブレットで、最新のパッチまで當てた狀態にしてある。その狀態で、バックアップを作してあるので、まっさらな環境が必要な場合に、重寶する。スペックは、それほど良いものではないが、このタブレットでかなければ、実運用で問題が出てきてしまう。実際には、もっと低スペックのパソコンを利用している場合だって想定できる。Windows10の最低スペックでかしているパソコンも家庭では多いのだ。
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モジュールだけを移したが、かない。
コンパイル時に必要になっているアセンブリを一緒にれる。起はできるが、その先に進まない。やはり、Skype が必要になってくるのだろう。何か、抜け道がありそうだけど、抜け道を考えるのは、開発を行いながらでもできるだろう。
ユウキにタブレットを渡して、リビングに移してもらう。
まずは、ユウキから接続して、俺が許可する。今度は、接続方法を逆にして、接続が”出來ない”ことを確認する。
他にも、ユウキと通話をしながら確認する。開発の方向は間違っていないようだ。
ユウキに、戻ってきてもらって、またしだけ待ってもらう。
今度は、エラー系を調べる。
エラーのフックがうまくできるのか確認していく。
Windows が出すシステムエラーは、評判が悪い。クライアントからの報告が、意味がわからない狀況になってしまう。
オヤジの會社で推奨している方法だが、エラーはエラーログに吐き出すようにして、システムエラーをできるだけ抑止する。オヤジからは、ライブラリを貰っているので、組み込みはそれほど難しくない。
起時に、正常方法での終了でなかった場合に、エラーログを送付するように設定する。
和さんか未來さん宛てにしておいて、俺に転送してもらえばいいだろう。直接貰うのは、いろいろと問題がありそうだ。
「ユウキ。助かった」
「本當?」
「あぁ」
「今日は、もう終わり?」
「そうだな。もうしだけ作ったら終わりにする」
「うん。僕、待っている!」
「わかった」
ユウキは、ソファーに座って作業が終わるのを待つようだ。
それから、學校が終わったら、基地で開発を行う毎日を過ごした。
週末に回線工事がって、新しい回線が開通した。IPアドレスは一つだけだが問題はないのだろう。
ルータの設定やサーバの設定を行う。
ユウキに手伝ってもらって接続の確認を行う。プログラムにも問題は出ていない。エラー系の確認でも問題は出なかった。
プログラムも大丈夫そうだ。
あとは、接続のマニュアルを作して、確認してもらって、試用に移行すれば大きな問題が発生しない限りは終わりだろう。
引き渡しは、オヤジたちが行ってくれることになった。
ソースコードとマニュアルを渡して、俺の作業は終わりだ。サーバに関する資料も渡した。
オヤジの會社でテストをして、フィードバックをくれるらしい。
和さんと未來さんからも、試用を開始すると連絡がった。
リモート會議は、追加の依頼が來たので、対応したサーバでログを殘すようにすればできるだ。
不正アクセス関連は、考えられる対策はしたが、駄目なら対処療法で考えるしかない。
未來さんと和さんからは、補助的なツールだから、1週間程度で復舊してくれれば十分だと言われた。落とされた場合でも、3営業日での復舊を目指す。
森下家に、人の出りが増えてきた。
どうやら、和さんが行っている事業が軌道に乗っているのだろう。
それに比例して、Skype サーバへのアクセスも増えている。
トラフィックは計算通りだ。畫質を落とせば気にするほどのトラフィックにはならない。け側が2箇所だけだというのもトラフィックが増えない理由なのだろう。
週末になると、ユウキが和さんの手伝いを行う場面が増えてきた。
運用段階にってから、數回プログラムの修正を行った。
使いにくいという聲や、もうしだけわかりやすくしてしいという聲がクライアントから來たからだ。
和さんからは、ユウキも參加させたいと言われたが、ユウキが拒否したので斷った。ユウキは、和さんの仕事を手伝うのは、問題ではないが、自分からくのは違うと思っているようだ。その代わり、未來さんの所に來ていた事務員(だと思ったが、未來さんの後輩だった)が、參加することになった。パソコンの用意と設定を、俺がけ持った。
1.5ヶ月間の試用が終わって、本格的にサービスを運用するのが決まった。
この時點で、俺に作業費が支払われる。未來さんが気を使ってくれて、末締め翌5日払いだ。
月額のサポートに関する取り決めも行った。
サポート料には、ソフトウェアのメンテナンスが含まれるが、改良が伴う変更は相談すると記載された。メンテンナスは、OSのパッチやソフトウェアのパッチに対応するで、大きく変更が必要な場合には、費用が発生する場合があると記載されていた。問題はないと判斷して、月額でサポート料を貰う事になった。
偶然ではないだろうが、今から1年半で貯めたサポート料が、ユウキが行きたいと言っていた、専門學校の學費と同じ金額なのだ。試や學金は、足りないのだが、合格して通う段階になれば、サポート料で賄えるのだ。
和さんに掌で踴らされたじがするが、開発は楽しいし、運用の勉強にもなる案件なので、良かったと思っておく。
學校で、戸松先生からけた相談の後日談として、電脳倶楽部の面々が教えてくれた話によると、やはり普通科の教諭が、上(校長ではない)から言われて、導しなければならない狀況になっていたらしい。上から言われた予算は、すでに食いつぶしていた。自分たちでやろうとして、ソフトを購したり、ハードウェアを購したり、天才の北山に言われて月額サービス料がかかるを導したことでほぼ無くなっていた。
焦って、戸松先生に上からの命令だと言って、用意させようとした。
Google Meetを使う提案に飛びついた。リモート會議が學校でも導されたと宣伝したのだが、Google Meet は基本無料で使える。
そのために、上から降りてきた金の使いみちが問題になったが、調査費という名目で學校としては問題がなかったと報告したようだ。
その話を聞いたあとで、戸松先生に真相を聞いたら、”貸し”を作ったと笑っていた。
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