《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第十四章 開発 第一話 開発依頼
ハッキング問題は、元生徒が逮捕されるというショッキングな幕引きとなった。學校がどう思うかわからないが、俺としては満足ができる結果だ。
戸松先生や津川先生は、やるせない表を浮かべているが、これ以上にいい結果が導き出せるとは思えない。ハッキングは功しなければ、功しても、認識出來なければ、罪に問うのは難しい。特に、プロキシや踏み臺を使われている場合は、余計に難しくなる。
警察も見せしめの意味もあるのだろう、しっかりと発表していた。學校名は出さないで、ストーキングの為に學校のサイトに侵して、子生徒の報を手して嫌がらせのメッセージを送ったと発表した。
これで、”あのサイトは、問題があるので、正式な公開はしません”で、終わりにするつもりだった。
ここで、俺も戸松先生も想定していない事象は発生した。
顛末を説明した教師會で、なくない教師から、開発の続行をお願いされた。
セキュリティの問題は、罠の為に作したので、正式にすれば問題はないと認識したようだ。
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教師會の話を纏めると、生徒や保護者とのやり取りを記録できるようにしてしい。スケジュールの提示や授業の変更を含めて、見られるようにしてしいというだ。実は、似たようなシステムはすでに導していている。普通科の教諭たちが、東京の業者に依頼して導しただ。
ただ、使いにくい。頻繁にエラーを吐き出す。アカウント登録に見積もりを出され年々高くなっている。修正に応じない。バグ対応も疎か。そんな狀況になってしまっている。スマホで見ると書式が崩れる問題もある。かなり使いにくい、生徒や保護者からも評判が悪い。
來期のメンテナンス契約の更新を行わない方針に決まって、さてどうするのかという時に、電脳倶楽部が作ったテストサイトの話が出てきた。
生徒が行うのなら無償だろうと普通科の教諭たちは言ったらしいが、戸松先生が”東京の業者に払っていた無駄なメンテナンス代金の全部を寄越せとは言わないが、2/3は電脳倶楽部の予算にしてほしい”と無理目な注文をしたら、今期中のオープンが可能なら、來期から電脳倶楽部の予算(生徒會の予算枠)を大幅に上げるという話で落ち著いた。金額は、最終調整が必要になるらしい。
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ハニーポットとして作ったサイトは、正式に作する事になってしまった。
機能は削れない、増える可能さえもある。
「篠崎。こんな狀況だ」
「はぁ・・・。それで?」
俺は、依頼ならけるが、正式な依頼ではないので、けるつもりはない。
「電脳倶楽部が開発を行う」
「頑張って下さい・・・。と、しか言えませんよ?」
「ん?」
「俺は、生徒會のメンバーで、電脳倶楽部からは除名されています。開発に関わるのはおかしいですよね?」
「あぁ・・・。そうだった。ん?そうだ!」
「篠崎。學校から、依頼がある。今なら電脳倶楽部の予算が使える!」
「え?」
予算は、の優しい人が寄付したや、今回の開発に関わる費用なのだろう。
「それで?直接、開発に関わると高いですよ?生徒會の仕事とは思えません」
「あぁ開発は、電脳倶楽部でやる。そうしないと、メンテナンスが出來ないだろう?だから、篠崎には、客の役割と開発の指南をしてしい。どうだ?」
「良いですけど、し指示が曖昧です」
「そうか?」
「客の役割もなにも仕様は出ていますよね?」
「それがな・・・」
そんなことだろうと思った。
意見が割れているだけならいいが、今まで出來なかった容までつぎ込んでこようとしている。
「無理です。時間が足りません。それに、出來たばかりの電脳倶楽部で、業務として開発を行っていた會社が作ったと同程度以上のを求められても不可能です」
「・・・。そうだよな」
「できるとしても、スペインにある教會のように、作り続けなければならないと思いますよ」
「それでもいいな。今、機能として出しているだけなら、今年中に間に合うのか?」
「メッセージのやり取りと授業の予定表?」
「そうだ」
「どうでしょう?今は、間に合わせで、ウェブサイトで作りましたが、アプリにするとしたら、いろいろ制約も出ますし、開発言語の問題も出てきますよ?」
「それらをひっくるめて考えてしい」
「斷ってもダメなのでしょう。良いですけど、開発には俺は參加しませんよ?」
「大丈夫だ。篠崎には、仕様の策定と、開発の指南をしてしい」
「わかりました。來週からで良いですか?それと、現狀のシステムの仕様書か取説があったら見せて下さい」
現狀のシステムから機能を絞り込んでいかないと何も出來ない。
週明けまでに、どうしたら良いのかを考えておこう。
戸松先生との打ち合わせが終わって、生徒會室に顔を出してから、帰宅した。
ユウキは、一度帰ってきてから和さんの手伝いに向かったようだ。リビングにいだ制服が散らばっている。昔から変わらない。著替えは、寢室にあるのだから、寢室でげばいいのに、なぜかリビングでいでいる。
ユウキの制服を片付けながら、中學校からだったな。ユウキが篠崎家で過ごす時間が増えていったのは・・・。
基地で、戸松先生から貰った資料を眺める。
一言で説明が出來た。CRMだな。
解析が終わった。
有名なフリーで使えるCRMを改良しているだけに見える。
學校のサーバはWindows Server だ。PHPをれてかしているのか?問題はないだろうが、細かい所でバグが発生しているのは、OSとのマッチングかもしれない。
OSと利用技は、電脳倶楽部に任せるか?
仕様に関しては、ハニーポットを作った時のでいいな。メンテナンスをあげよう。
データベースとAPIアプリケーション・プログラミング・インターフェースとフロントエンドでサーバを分ける仕様にして、データベースサーバとAPIサーバはクロスケーブルで繋げればいい、理的にネットワークと分離しておいたほうが安心できる。將來的に、クラウドを使うにしても対応ができるだろう。フロントエンドは、APIサーバとのやり取りだけを許可して、利用するシチュエーション別にサイトにするのか、アプリにするか、個別に考えればいい。
電脳倶楽部なら無難な選択をしてくれるだろう。
資料を読み込みつつ、仕様書の作を行う。
APIさえしっかりと作っておけば、フロントエンドは試行錯誤しても問題は無いだろう。特に、クライアント側のアプリなんて毎年変わる位の作りでも問題はないと思う。まずは、データベースだが設定は、難しくない。保存するデータが多くない。どうせ、普通科の先生辺りから報を増やせとか言ってくるだろうが、個人報保護法を盾に斷り続けよう。
授業に関してもスケジュールを作るだけならさほど難しくない。
それこそ、教室を”會議室”と定義して、アクターである先生が會議室を予約して、參加者に通知を出すようにすればいい。クラスという概念を導しても良い。一人の生徒というアクターに、複數のクラスの概念を年度別に持たせればいい、選択科目も同じ仕組みで行ける。クラスも、強制クラスと選択クラスで構築すれば、N対Nにならないように注意すれば、それほど複雑なデータベースにはならないと思える。
構造設計だけに留めるか?
電脳倶楽部の部員數は、30名を越えているが、兼任者も多い。
常時活できるのは、15名前後だと思う。開発の底上げが必要になってきそうだな。
授業では絶対に習わない分野に手を突っ込むわけだからな。
今年から、學年に関係がない選択科目時間があったよな。使えないか?部活が優先されるはずだ。
戸松先生に聞いてみよう。津川先生も、パソコン倶楽部の顧問から開放されて暇なはずだ、巻き込んでしまえ。
他にも、何も知らない人が・・・。十倉さんも巻き込もう。クライアント代表だ。
今年度と言っているが、それほど時間が殘されているわけではない。
授業は週に一回だから、殘りの回數は、おおよそ20回。1コマが1.5時間。
うん。無理だな。底上げとは別に、できる人間たちで作っていくしかなさそうだ。
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