《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》最終章 最終話 俺は、電脳世界が好きなだけの一般人だ!
3年生になっても俺の日常は変わらなかった。
3年に上がってすぐに、アプリの作が始まった。
特別授業も継続になった。戸松先生がけ持つはずだった。なぜか、授業の半分を俺が話をしている。殘りの半分は、電脳倶楽部のメンバーが代で発表をしていた。戸松先生は居るだけの狀態になっていた。
今年もセキュリティ・キャンプが行われた。
電脳倶楽部は、連覇を達した。1年の部員もってきた。今年は、俺は參加しなかった。
セキュリティ・キャンプが行われる時に、未來さんからの依頼で、サイトを作っていたからだ。森下家に避難してきている子に、サイトのデザインを依頼する形にしてしいという無茶なお願い命令まで付いていた。ユウキと俺で、未來さんからサイトの大まかな機能をヒヤリングして、遷移図を作する。
遷移図から、デザインがっていないサイトを作して、ユウキと避難している子でデザインを興す。スタイルシートの書き方を簡単に説明した冊子を作して、デザインをスタイルシートにしてもらう。サイトのプログラムが出來てから、リリースまで3ヶ月の期間が必要だった。
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未來さんからのオーダーは、避難している子に、自分が必要にされているのだと信じさせることにあったので、依頼は達出來た。俺が顔出せない狀況で、ユウキがうまく導してくれた。
夏の始まりには、學校でウィルスが蔓延した。
1年生がSNSの詐欺を踏んでしまって、SNSが乗っ取られてしまったのだ。それらの対応で、學校に呼び出された。津川先生でも、戸松先生でも、対処ができるのに、なぜか俺が呼び出された。電脳倶楽部は、システムの改修で忙しいかららしい。
1年生を集めて、SNSの講習會をしてしいという依頼だ。
なんで俺が?とも、考えたが、このまま放置しておくのも問題になってしまう。生徒會として対応を行うことにした。
SNSのセキュリティや意識の講習會を行った數日後に、1年生の保護者から、無茶な依頼が來たこともあった。
學校のWIFIを自宅でも使えないのはおかしいということだ。生徒會としても、個人としても対応はしないと明言した。生徒がまともだったのが救いだった。津川先生が、生徒に説明して、苦は止まった。
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夏の終りに、俺とユウキは車の免許を取得した。休みを利用して、合宿免許で取得した。俺もユウキも、マニュアルで取得した。
授業以外が忙しくて、あまり遊びに行けていない。遊びに行く宣言をしようとするタイミングで、都合よく問題が発生した。
忙しく過ごしている中、先に、俺の進學が決まった。
オヤジと同じ流れになるのを避けて、”旅行関係”の専門學校に行くことにした。システム會社は続けるつもりで居る。オヤジの知り合いや、桜さんの知り合いにも旅行関係に強い人が居ない。俺の周りにも居ない。2年程度の回り道で、人脈や知識が増えるのなら、儲けものだろう。オフクロも賛している。
俺の進學が決まってから、すぐにユウキの進學も決まった。
そして、明日。俺たちは、卒業式に出席する。
そして、なぜか、學校に來ている。去年のようにリリース後の打ち上げではない。ユウキは別件で學校に來ていて、一緒に帰る。
「タクミ」
「ん?どうした?」
「明日。ママは出席してくれるけど、パパはダメみたい」
「そうか、俺の所も同じだ。オヤジは、東京からけないようだ。オフクロはなんとか出席は大丈夫らしい」
「うん。今日はどうするの?」
「ん?俺は疲れたよ」
「そうだよね」
「あぁ・・・。帰って、寢たい」
3日前に、システムで利用しているサーバがエラーを吐き出し始めて、システムが使えない狀況になってしまっていたのだ。
電脳倶楽部のメンバーも休みのために連絡がつかなくて、學校で品の整理をしていた。俺が対応することになった。
原因は、すぐにわかった。戸松先生と津川先生の両者も休みになって、ハーフラックが置かれている教員室に普通科の教員がパソコンの資料を取りにった。ここまでは良かったのだが、寒かったのか、暖房を最大にした狀態で資料を探して、そのまま切らずに帰ってしまった。
そのまま數日放置して、ハーフラックに熱が籠もってしまって、一部のHDDが壊れてしまったのだ。
幸いなことにバックアップが作されていたので、サーバをれ替えて再起した。
結局、サーバを徹夜で修復しなければならなくなった。翌朝、戸松先生から連絡が來て、説明を行った。戸松先生が後を引き継いでくれるまで、學校で待機することになってしまったが、俺が対応する必要はなくなった。學校に來てくれた戸松先生と今後の対応を話し合っていたら、夕方になってしまった。
疲れ切って、家に帰ってきたら、今度はアプリが作しないと言われて、狀況を調べて、対応を行ってから死んだように眠った。
寢不足の狀態で、前日の準備を行っている。
この後、出てきた電脳倶楽部のメンバーと話をしなければならない。戸松先生は、卒業式の準備で走り回っていて、電脳倶楽部に引き継がなければ、今日も俺が対応をしなければならない。
「ユウキ。行ってくる。1時間くらいだと思うから、大將の所で待っていてくれ」
「わかった」
電脳倶楽部に作業の引き継ぎをして、疲れたを引きずって大將の店に行くと、梓さんと優さんが來ていた。ユウキが呼んだようだ。家まで送ってくれるようだ。正直、助かった。自転車は、大將の所におかせてもらって、後日、取りに來よう。
「タクミ。今年もいろいろやったようだな」
「えぇ疲れましたよ」
そう言えば、最初は梓さんと優さんの依頼から始まったのだったな。
高校の3年間。思えば、俺に対する無茶な依頼が多かった。
「そうだな。でも、タクミが知識もあって、出來てしまったからな」
「・・・」
「それに、僕たちが出來なかった、學校の膿を取り除いたのもタクミだからな」
「梓さん。運が良かっただけですよ」
「そうかも知れないが、誰でもできることでは無いぞ」
「・・・。俺は、ただ、本當に、電脳世界が好きなだけの一般人ですよ?」
「ハハハ。タクミが一般人なら、僕たちは、何だというのだ?」
「・・・」
「タクミくん。きっと、君はこれからも同じように、困っている人が居たら助けるだろうし、問題があれば面倒だとかいいながら首を突っ込むのでしょうね」
優さんのセリフに反論をしたかったが、頭がまわらない。
眠くなってきた。
「タクミ。著いたら、起こすから、しだけ寢たら?梓先輩。し、ゆっくり走ってもらえますか?」
「あぁわかった」
「・・・。大丈夫ですよ」
「タクミ。いいから、目を閉じて、寄りかかってもいいよ。僕が支えるよ」
「そうか・・・。しだけ、目をつぶる」
「うん。お疲れ様。本當に・・・。おつかれさま」
どのくらいだろう・・・。多分、10分も寢ていないが、スッキリした。
梓さんが裏に車を止めてくれた。風呂にって、ゆっくりと寢た。
和さんにも、桜さんにも、オヤジにも、オフクロにも、許可は貰っている。
卒業式が終わったら・・・。
---
「タクミ。なに?僕に何か用事?」
俺は、産まれて最高に張している。
卒業式で、卒業生代表で全校生徒と保護者の前で喋った時よりも、心臓が早くなっている。壊れてしまうのではないかと思う位だ。
ユウキは、いつもどおりだ。
「ユウキ。し、行きたい所があるけど、一緒に行ってくれるか?」
「うん。いいよ!どこ?」
「ん・・・。説明が難しいな。バイクで行こう。後ろに乗ってくれ」
「いいよ。何か持っていく・・・。ある?」
「大丈夫だ」
ユウキを後ろに乗せて、思い返して、ユウキを初めて意識した場所に向かう。かった気持ちだ。妹ではなく、一人のの子と思った場所だ。
信號で止まった時に、ユウキに話しかける。
「ユウキ。し、飛ばすから目を瞑っていてくれ」
普段ならこんなことを言わない。ユウキは、不思議に思ったのだろうが、目を瞑ってくれると言った。
國道から、県道にり、山道にる。そのまま、小學校の時にキャンプをした場所までバイクを飛ばす。
キャンプ場に到著した。
目的地まで、歩かなければならない。ユウキも、この場所はすぐにわかってくれた。小學校の時に、とある事件に巻き込まれた場所だ。
「タクミ」
「仏舎利塔に行こう」
「うん」
俺の張が伝わったのか、ユウキも黙ってしまった。
仏舎利塔に著いた。
梅雨の前には、紫花が咲き誇る場所だ。
「ここ?」
「あぁユウキ。小學校の時のことを覚えているか?」
「・・・。うん」
「多分、あの時・・・。俺は、ユウキのことを意識した」
ユウキから手紙を貰った。
容はよく覚えていない。でも、”一緒にいよう”と書かれていた。
「え?」
「大切だと・・・。そばに居てしいと・・・」
「・・・」
「ユウキ。俺は、まだ・・・。大人になっていない・・・。未者で、何ができるかわからない」
「・・・」
「でも、俺は、ユウキを・・・。違う。ユウキと一緒に幸せになりたい」
「・・・」
「ユウキ。結婚してくれ・・・」
ユウキをまっすぐに見る。ユウキも俺をまっすぐに見てくれている。吸い込まれるような瞳を大きく見開いて俺を見る。
俺は、ユウキのこの表も好きだ。悪ふざけをしている表も好きだ。ユウキの全部がおしくて・・・。
どのくらいの時間が経過したかわからない。
「タクミ。僕ね。小學校の時に、ううん。もっと前から、タクミのことが好きだったよ?知っていた?」
正直に首を橫にふる。
「僕ね。中學校のときに、ママに言ったの・・・。タクミと結婚する!って」
「え?」
「パパは、笑っていた。克己パパは、”辭めておけ”と言った。沙菜ママは、”よく考えなさい”と言った。”考えて、タクミでいいのなら、協力してあげる”と言った。ママは、”大変だよ”とだけ言った」
オヤジ・・・。オフクロも、息子の幸せを考えないのか?
「・・・。そうか・・・」
「僕、”タクミと一緒に居たい”とパパとママに言った」
「うん」
「タクミ。僕でいいの?」
「ユウキと一緒に居たい。それ以外は考えられない」
「僕は、もう決めているよ。タクミと一緒に居る。離れない」
もう一度ユウキをしっかりと見つめる。
「ユウキ。結婚しよう」
ユウキは頷いて、”はい”と答えてくれた。
持ってきた、指をユウキに渡す。
左手の薬指にはめる。ユウキも、俺の左手の薬指に指をはめてくれる。
ユウキを抱きしめて、キスをする。
誓いの口づけだ。
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