《俺の得能は「平凡」だった。》十二話 図書館には「平凡」と「変態」
「お前これエロ本じゃねーか!」
中沢未來が持っていたエロ本が衝撃すぎて思いっきり突っ込んでしまったのだか、そのツッコミに負けずと中沢未來は俺に反論してきた。
「……これはエロ本じゃないもん…參考書だもん…」
「何いってんだお前?どう考えてもエロ本だろーが!」
題名は、「スクールラブ 校舎裏の3P」と書いてある。もちろんR18指定だ。
「……バカ…の子にそんなこと言っちゃいけない…」
「お前がそんなもん見てるからだろーが!」
(中沢未來ってこんなやつだったのかよ…)
黒姫並みのルックスを持っているにもかかわらず友達ゼロの中沢は実は変態でしたってみんな知ったらどんな反応するだろうか。まあ、言わないけどさ。
「まあいいや。なんでさっき俺の方チラチラ見てたんだ?」
「…似てたから…」
「え?」
「ここに出てきてる男の人にとっても似てたから…」
「やっぱりお前最悪だ!?」
だからこっちの方ジロジロ見てたのか…俺をエロ本の男と一緒にしやがって…
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中沢は頬を染めて恥ずかしそうにしている。まあ、男にそんなの見られりゃ當然だわな。
「…はじめて…」
「ん?はじめて?」
「私のはじめてはあなたが奪った…」
「何その変な言い回し!?」
もっとはっきり言おうね?
「私のをはじめて知った人…こんなにたくさんお喋りしたの…はじめて…」
「そういうことか。お前中沢未來だろ?なんでいつも他のやつらを無視するんだ?話しかけてくるやつ結構いただろ?」
「……私は話そうとした…だけど言いたいことが纏まらなくて…纏まった時にはもういないの…だからいつも…ひとりぼっち…」
なるほど…そういうことか。中沢未來は決して無視していたわけではないらしい。いや、話したかったのだ。だけど、そのコミュ障のせいでうまく喋れなかったらしい。エロ本なんか堂々と見てるくせに…
「だから…嬉しかったの…責任とって?」
「だから、さっきから変な言い回しすんなって!どういう意味だ?」
「………もっとお喋りしたい。」
中沢は俯きながら小さな聲でそう言った。
「はぁぁ、わかったよ。ただし俺からも一つ頼みがある。」
「……何?」
「勉強教えてくれ!」
「勉強?」
「ああ。お前頭良かったよな?確か、前の學年順位もまあまあ高かったはずだ。」
「…勉強くらいなら教える…それだけでいいの?」
「ん?他にもいいのか?」
「…私を抱いても…いいのよ?それとも、私ので…デッサンする?」
「いらねーよ!って、ぐな!ぐのやめろ!」
二人きりの図書館。初対面とは思えないやり取りで始まった中沢未來との出會いはここから始まった。
中沢と勉強を始めて一時間が経とうとしていた。教え方はとてもよく、頭にって來やすい。やはり頭のいいやつから教えてもらうといいな。勉強がはかどる。
「……名前…」
中沢が俺の袖の裾を引っ張ってそう言った。
「名前?俺のか?そういえば俺言ってなかったな。」
コクコクと中沢は首を縦に振っている。
「…教えて?」
「白鳥伊織だ。一年で、得能は、「平凡」だ。有名だろ?ハブられてて有名な。」
「……伊織…いい名前…私好き…」
「お…おう。ありがとな。そういえば中沢は俺の得能を聞いてもなんも言わないんだな。」
「得能なんてどうでもいい。あんなのただの飾りなの…」
中沢はし暗い顔でそう言った。過去に何かあったのだろうか。
「…伊織…私のことは…未來って呼んで?
中沢は嫌…」
「ん?いいのか?下の名前でも?」
「私はそっちの方が嬉しい……」
「そうなのか?だったら、未來。」
俺がそういうと未來は頬を赤らめて俯いてしまった。
「……また初めて……」
「なんか言ったか?」
「…なんでもない…伊織…明日も図書館に…來てくれる?」
「ん?いいけど…なんでだ?」
「……お喋りしよ?」
(ちょっ…今のは可すぎる…)
首を傾げながらその言葉は結構反則だ。多分素でやっているのだろう。本當によくわからない奴だ。し変態だけどはいいやつ。だから憎めない。そんなじだ。そんなやつから明日も一緒に勉強をしようとわれた。答えは決まっているようなものだ。
「分かった。明日も來る。だから明日も勉強教えてくれるか?」
俺がそういうと今日一番の笑顔で未來は笑ってこう言った。
「うん。明日も一緒にする!」
俺がその笑顔を見て一瞬見惚れてしまったことは緒にしておこう。
攜帯を見ると黒姫から連絡が來ていた。
もう帰ってきていいらしい。
「未來、今日はここまででいいか?俺そろそろ帰らないといけないんだが?」
「……わかった…私も帰る。」
「おう、じゃあまた明日な。」
俺はそう言って図書館を出た。
図書館を出て3分くらいたった。後ろからさっきと似た視線をじる。俺はその正に薄々気づいていたのだが3分間無視していたのだが、流石にかわいそうなので聲をかけてやるか。
「未來、さっきから後ろついてくるんだったら先に言えよ。お前もこっちなのか?」
電柱に隠れている(隠れられてない)未來がビクッとを揺らして電柱から顔を出した。
「……一緒に帰ろ?」
「はぁ、言えるじゃねーか。早く帰るぞ。」
結局途中まで未來を送って帰ることになるのだった。
「ただいま帰りましたー。」
「お帰りなさい。遅かったわね。」
黒姫家に著くとエプロン姿の黒姫が出迎えてくれた。
「ご飯できてるわよ。早く道を置いてきなさい。」
「お、まじか!ちょっと待っててくれ。」
黒姫の家のご飯は冗談抜きで味い。姉の明日香さんも料理上手のためとても豪華とはいえないが庶民的な料理を完璧に仕上げるため毎日の夕飯と朝飯が今の楽しみである。
「あら、伊織くん。お帰りなさい。」
「ただいまです。明日香さん。」
リビングには明日香さんが食事の準備をしていた。
「今日も可憐ちゃんがを込めて一生懸命作ってくれたわよ。後で想はしっかり言うのよ。」
「分かりました。」
「ふふ。分ったならいいわ。早く道を置いてきなさい。」
はぁーいっと言って俺は黒姫の部屋に道を置きに行くのであった。
「「「いただきます。」」」
食事臺に並べられたのは魚の塩焼きにカツフライ。コロッケにじゃがといったものだった。どの料理からも極上の臭いがして、俺のお腹の音をう。
最初に口にしたのはコロッケである。白ご飯と共に口に放り込むと白ご飯とコロッケのいいじの甘さが加わり最高の気分になった。
「うめぇ。最高だよ、やっぱ料理うまいな。黒姫は。」
「べ、別に。當たり前のことよ。」
顔をプイッと逸らしそう言った。若干頬が赤いのは気のせいだろうか。
「ああ、そういえば。図書館で中沢未來と仲良くなったぞ。」
「え?あの中沢さんと?」
「ああ。あいつ印象と違ったけど結構いいやつだったぞ。ほら、メアドも換したし。」
「メアド…白鳥くん。今日の勉強時間を倍にします。異論は求めません。」
「え!?俺なんかしたか?」
「いいえ。何も。ただ私がそうしたいからそうするだけです。あなたが図書館で勉強した分もプラスですから今日はねれないと思いなさい。」
「ちょっと待て、黒姫!俺が何かしたんだったら悪かった!許してくれ!」
「許しません。」
「なんでだよ!」
こんな喧嘩をあらあらと言いながら明日香さんは靜かに食事をしながら微笑ましく見ていたのであった。
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