冬。

三學期が始まり、そろそろ一ヶ月が過ぎようとしている今、僕たちのクラスに、転校生がやってきた。

嬉野うれしの紬つむぎ。

神崎冬夜いわく、彼は僕のことを知っているという。

このパターンはきっとあれだ......

また、僕だけが覚えていないパターンということだ。

というか、僕の知り合い子ばかりじゃねえか......。

嬉野紬の特長を二つ程挙げさせてもらうと、一つ目は背の高さだ。

子にしては背が高いが、170センチはないくらいだと思う。

そして、二つ目は後ろでぎゅっと結んでいるポニーテールだ。

まぁ、この二つはあくまで的特徴であって、彼の面については分かりかねない。

しかし、この自己紹介を通し、僕は彼の面についてもしやというものが浮かんだ。

それは......

嬉野紬は、教室にってくるや否や、元気よく挨拶をした。

その後も、自分の好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、苦手なことなどを十分近く言い続け、最後に彼は自分が転校してきた理由についてこう言った。

「私、どうしてもこの學校に來たくて仕方なかったんです！......ということで、來ちゃいました！」

一同は唖然である。

彼のことを多知っているらしい神崎も、これには苦笑いをしていた。

すると、再び教室が開き、今度こそ僕らの擔任である東山先生がってきた。

「はぁ、はぁ、嬉野さん。いなくなったと思ったら、やっぱりここにいたのね」

東山先生、ずっと探してたのか。

「あっ！先生。駄目じゃないですか！勝手にいなくなったら」

嬉野紬が驚いた表でそう言った。

「いなくなったのはそっちでしょ！」

東山先生は、今年教員になったばかりらしい。

なので年が近く、つい同い年のような扱いをけてしまう。

それは、嬉野紬も例外ではないようだ。

「嬉野さん、とりあえず自己紹介は終わった？」

「......ハイ！終わりましたー！」

ー突然、彼の自己紹介は終了した.....。

というか、このテンションの高さはなんなんだ。僕が知らないだけで、転校生って、こんなにも元気なのか？

「嬉野さんの席は......あっ、神崎君の後ろの空いてる席に座ってもらえる？」

......ん？

僕の席は教室の一番後ろ。しかも左端だ。

そして、橫の席はいない。

さらに、僕の右斜め前には、神崎が座っている。

つまり......

「ハイ！分かりました！......あっ、お隣の方、よろしくお願いします！えっと、お名前は......」

「.......そう來たか」

「はい？」

ここまでの流れで、僕はある仮定が立った。

嬉野紬。

彼は元気がいいのではなく、馬鹿なのではないだろうかと......