《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.24 間違い vol.1
「しん君、これは一どう言うことかな?」
「あれー信義君。おかしいなー、なんでの子と一緒にいるんだろうねー」
場所は教室。
僕のすぐ隣には朱莉がおり、ドアの前に佇んでいる穂波の後ろには紬、そして神崎がいた。
もはや弁明の余地すら許されないこの狀況。
一どうしてこうなったのだろうかと、僕は遅い後悔をするのだった。
「起きて下さい、信義さん。朝ですよ」
いつもと違う、靜かな聲。
ー誰だ?
「あー、朱莉ちゃん。駄目だよ、そんなんじゃ.......こうしなきゃ!」
いつもの聲が聞こえ、僕のが一気に回転するように地面に叩きつけられた。
「痛っ......!?」
僕は目を覚まし、改めて思い出す。
「そういや、昨日から居候がいたんだった......」
「信義君!おはよー!」
學校に著くと、昨日転校してきた嬉野紬が、挨拶をかけてきた。
「ああ、おはよう」
「どうしたの? 元気ないねぇ」
「いつものことだよ」
僕は端的に、そう答えた。
「へぇ......。あっそうだ!ねぇ、信義君。知ってる?」
「何をだ?」
「実はね、昨日、私以外に転校生が來たんだって!一日に二人もだよ、びっくりだねぇ」
「あ、それなんだが......」
「あ!神崎君。おはよー!」
「これはこれは紬ちゃん。おはよー!ん?どした信義?」
「何でもない」
(別に言うほどのことでもないか)
それが間違いの一歩であったことを、この時の僕は気づくことが出來なかった。
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